・4月から値上げされたもの
・日本にも迫るインフレ
・インフレを想定した家計を
おはーん、ペーパー先生です。
4月に入り、多くの商品・サービスで値上げがされました。
代表的なものは、スナック菓子『うまい棒』が1本当たり2円値上げされたことです。
1979年の発売開始当初から1本10円の価格を維持してきましたが、
・原料のコーンや油などの仕入れ価格の上昇
・菓子を入れる包装の資材や物流コストの上昇
これらの理由から「企業努力だけでは維持できない」となったわけです。
迫りくるインフレの足音。
詳しくは以下でも解説しています。
さて、4月は『うまい棒』だけではなく、幅広い分野で値上げの開始もしくは予定がされています。
その一部を紹介していきましょう。
🍽食品
<🥃サントリースピリッツ>
国産・輸入ウイスキーが最大28%値上げ。 「響」「山崎」「白州」「知多」「ザ・マッカラン」「グレンフィディック」「ザ・バルヴェニー」「タラモアデュー」の8ブランドの合計31品目が対象。
<🍅カゴメ>
トマトケチャップやトマトピューレなどが3~9%の値上げ。商品の原材料であるトマトペーストや固形トマト、液糖などの価格が上昇していることが原因。
<🍜東洋水産>
家庭用では「屋台一番焼きそばシリーズ」が9~11%、業務用では冷凍うどん、冷凍そば、冷凍ラーメンなどが3~14%の値上げ。
<🪔日清オイリオグループ>
キャノーラ油やサラダ油など40円/㎏以上の値上げ。主原料である大豆、菜種およびパーム油の急激な原料コストの上昇に伴うもの。
<🍛大塚食品>
「ボンカレーゴールド」が194円→205円、「クリスタルガイザー」(500MLペットボトル)が108円→118円へ値上げ。昨今の原材料価格の高騰や物流コストの上昇を受けて実施。
<🧀雪印メグミルク>
「スライスチーズ」(7枚)が388円→410円、「6Pチーズ」が394円→415円、プロセスチーズやナチュラルチーズは4.3~10%の値上げ。
<🧀森永乳業>
「クラフトスライスチーズ」「クラフト切れてるチーズ」が411円→432円、「森永の焼プリン」が141円→152円、チーズやデザートは5.3~10.5%の値上げ。
<🍫明治>
「十勝スライスチーズ」(7枚)が388円→410円、家庭用チーズは5.4~6.7%、家庭用油脂類は6.9%〜7.9%、市販用レトルトカレーは6.5%〜7.7%、チョコレート・グミ等はおよそ3~11%の値上げ。
🏠生活用品
<💡パナソニック>
照明器具商品、蛍光灯を4月から値上げする方針。金属製材料などの原材料価格、物流コストや海外での人件費の上昇が続いていることが原因。また、冷蔵庫や洗濯機などの家電製品4月以降にタイミングを見ながら値上げしていくことを予定。
<🚽LIXIL>
住宅用建材・設備機器の価格を一部改定することが決定。原材料価格や物流費が上昇を続けていることが原因。トイレや浴室、キッチンなどの設備が、およそ1%~20%の範囲で値上がり。
<🧻日本製紙クレシア>
フェイシャルティシュー、トイレットロール、ペーパータオルなど、家庭紙製品全品を10%以上値上げ。世界的な原燃料価格の高騰、物流費や人手不足による人件費の上昇が原因。また地球温暖化対策の一環である温室効果ガス(GHG)削減を今後継続して取組んでいくため。
<🌛花王>
紙おむつ「メリーズ」がおよそ10%の値上げ。
⚡️光熱費
<🔌東京電力>
電気料金が3月分に比べ115円の値上げ。2021年11月~2022年1月の燃料価格(原油、LNG、石炭の貿易統計価格)が公表されたことに伴う処置。
<🔥東京ガス>
ガス料金が3月分に比べ83円の値上げ。2021年11月~2022年1月の平均原料価格に基づくもの。
⛽️交通・輸送
<🚙ブリヂストン>
タイヤ、チューブ、フラップなどを7~10%の値上げ。天然ゴムをはじめとするタイヤ原材料価格の高騰のため。
<🚅JR各社>
JR東日本、JR西日本、JR北海道は、新幹線や一部特急列車の指定席特急料金を4月1日乗車分から値上げ。JRのシーズン別指定席特急料金は、通常期、繁忙期(+200円)、閑散期(−200円)の3段階でしたが、4月からは最繁忙期(+400円)」が加わり4段階に。対象は、東北・山形・秋田・北海道・上越・北陸の各新幹線と、JR東日本の特急「つがる」「いなほ」「しらゆき」「草津」「成田エクスプレス」「わかしお」「しおさい」「さざなみ」など。
<🚥首都高速道路>
上限料金 1,320円(料金距離35.7km超)→1,950円(料金距離55.0km超)に改訂。都心部の通過交通をこれまで以上に抑制する必要があることを踏まえた上限料金の見直し。
【出典】2022年4月から値上げするものは? トイレットペーパー、ケチャップなど一覧でチェック(マイナビニュース)
2022/03/21 07:00
【出典】コンビニ、スーパーの定番も…2022年、値上げされる食品や必需品:一覧(東京新聞)
2022年3月24日 18時12分
食品から生活用品、光熱費、交通まで、実に幅広く値上げが実施されていることが分かります。
日本ではこれまで長らく物価が上昇しない状況が続いてきました。
これは、日本人が値上げに敏感なため、企業側が顧客離れを警戒し、
値上げで対抗せずに、価格を据え置くもしくは容量の削減などで
凌いでききた歴史があるからです。
しかし、昨年から続くサプライチェーンの混乱に加え、
ウクライナ情勢の緊迫化によるエネルギー価格の上昇などを受けて、
堰(せき)を切ったかのように値上げラッシュとなったわけです。
もちろんこれは一時的なものではなくなるかもしれません。
今後もじわじわと物価が上がるインフレが常態化していくと、
家計を考える上でも十二分に注意が必要になります。
インフレとはインフレーションの略で、私たちが普段買っている日用品やサービスの値段(物価)が上がることをいいます。インフレには、良いインフレと悪いインフレがあります。良いインフレの下では、企業が販売価格の上昇で儲かり、社員の給料が増え、消費者は物価上昇による生活費の増加を給料アップで吸収してもっと商品を買うようになり、商品が良く売れて企業が儲かる…というサイクルで景気は良くなります。要は、良いインフレは「景気の拡大をともなうインフレ」ということです。一方、商品の仕入れ価格の上昇ほど商品価格に上乗せできず、企業の業績が悪くなり、賃金が上がらないのに身の回りの商品が値上がりして家計を圧迫する、といった悪循環をもたらすのが悪いインフレです。
先ほど紹介したように、モノの値上げが起きれば我々は購買力が低下します。
先月まで10円で買えていた『うまい棒』が、今月からは10円では買えなくなった。
つまり、現在の10円は将来的には10円以下にどんどん価値を下げていく可能性があるわけです。
数十年後までの家計状況を把握する「ライププランシート」を作成する際には、
今後の収入や支出の額に加え、インフレ率も想定に入れます。
詳しくはこちらで解説をしています。
なぜインフレ率を想定しておく必要があるのか。
それは以下のグラフを見れば一目瞭然です。
現在、1000万円の貯蓄があるとすると、年1%のインフレではその価値が1年後には990万円に下がる。これが10年続くと905万円、20年後には819万円まで低下する。日銀が目標としている年2%の物価上昇が続くなら、現在の1000万円は20年後に672万円の価値になる。
【出典】インフレに備える家計術 資産目減り、運用・節約で補う(日経電子版)
2022年3月27日 5:00 [有料会員限定]
期間が経過すればするほど、その影響がじわじわと広がっていることが分かります。
通常は、日銀が目標にしている年2%を設定しておけば良いと思いますが、
そこから1%増えただけでも下げ幅がかなり大きくなります。
では、こんなインフレに家計ではどう対抗すべきか。
方法は3つです。
仮に今後も年2%でインフレが進むとした場合、
①年間の支出を2%以上抑える。
②年間の収入を2%以上増やす。
③年間の投資利回りを2%以上にする。
このいづれかをやらなければインフレ負けしてしまうことになります。
もちろんどれか1つではなく、①〜③を全部やる!
ということでも良いわけです。
こちらの記事では資産運用をする上での優先順位を紹介していますので参考にしてください。
日本でインフレの話をする時がくるとは正直驚きの面もありますが、
こうした事実を意識する人と、しない人とでは、日々どんどん差がついていきます。
まずは支出改善。
ここから一歩一歩、進めていただくのが良いかと思います。
では、ごきげんよう。
金融資産の「額」ではなく「価値」に目を向けよう。