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円安が『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の評価額に与えた影響

円安が『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の評価額に与えた影響
この記事で分かること

・2016年と環境に違い
・投資信託の基準価額
・全世界株式の運用状況

おはーん、ペーパー先生です。

3月24日の外国為替市場では、円が対ドルで下落し、

2015年12月以来、実に6年3カ月ぶりに1ドル=122円台を付けました。

ポイントとしては、

・FRB(米連邦準備理事会)が0.5%の大幅利上げを排除しない考えを示している。
・日銀は大規模な金融緩和を続ける姿勢を崩していない。

ここが今回の円安のベースとなっています。

また、同じく120円台だった2016年当時と比べ、

円安に歯止めがかからない要因を、日経電子版では以下のように報じています。

120円台だった2016年と環境に違い

⛴貿易収支
(16年)2,428億円
(22年)▲6,683億円 ↘️悪化

🛍CPI上昇率 ※前年比
(16年)0.3%
(22年)0.9% ↗️上昇

💰日米長期金利差
(16年)1.77%
(22年)2.12% ↗️拡大

🪔原油価格
(16年)29.9ドル
(22年)112.1ドル ↗️上昇

※16年2月2日と22年3月21日の比較、貿易収支とCPIの22年は2月のデータ。▲は赤字。

【出典】円、6年ぶり121円 薄れる円安効果・有事の買い低調(日経電子版)
2022年3月22日 20:24 (2022年3月23日 5:23更新) [有料会員限定]

記事では、円安によりモノを輸出増加させる効果は低下しており、

コロナ禍でインバウンド需要が消滅したことも重荷になっていると分析。

対2016年比でもっとも違いの大きい原油価格上昇の影響や、

サプライチェーンの混乱などで、円安が輸入コストを一段と高めており、

貿易収支のさらなる赤字拡大を招く「悪い円安」のスパイラルに陥っているのが実情です。

以前は、基軸通貨の米ドルや、永世中立国通貨のスイスフランと肩を並べ、

「有事の円買い」なんて言葉もありましたが、完全に過去のものとなってしまいました。

さて、そんな円安ですが外貨建て資産でもある『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』1本で

運用を続けるぼくの評価額にはどのような影響があったのかを見ていきましょう。

前提として、投資信託の基準価額はどのような場合に影響を受けるのでしょうか。

■景気による変動
景気 株価 基準価額
上昇  上昇 ⤴ 上昇 ⤴
下落 ⤵ 下落 ⤵ 下落 ⤵
■金利による変動
金利 債券価格 基準価額
上昇  下落 ⤵ 下落 ⤵
下落 ⤵ 上昇 ⤴ 上昇 ⤴
■為替変動による影響
外国の株式や債券などに投資している投資信託の場合、基準価額は為替変動の影響を受けます。
為替 基準価額への影響
円高 マイナス
円安 プラス

【出典】値段は何に影響されるの?(みんかぶ)
2017/12/09 17:58

このように円安は外貨建て資産の場合、追い風になります。

ぼくが全世界株式の買い付けを行なったのは2021年6月16日(約定日)でした。

金額にして2,500万円分を一括購入しています。

その後は、月に30万円を以下の内訳にて

・270,000円(一般)
・30,000円(つみたてNISA)

毎日積立で買い増しし続けているという状況です。

『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』と同じ指数で運用される

『iShares MSCI ACWI ETF』の取引価格を買い付け開始した日と比較してみると

2021年6月16日 (100.59ドル)
2022年3月25日 (99.98ドル)

iShares MSCI ACWI ETF(過去1年)【出典】Googleファイナンス(22.03.27時点)

2021年11月に付けた107ドル台をピークに3月には92ドル台と

それはもう、ガッツリと値を下げていました。

値を戻してきてるのは3月後半からです。

『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の約定単価を比較すると

2021年6月16日 (15,364円)
2022年3月25日 (16,946円)

指数が下げているものの、約定単価は逆に上がっています。

円安によって買い付ける力が弱まっていると言えます。

ではドル円の終値ベースを見てみましょう。

2021年6月16日 (110円69銭)
2022年3月25日 (122円06銭)

ドル円チャート(過去1年)【出典】Googleファイナンス(22.03.27時点)

実に12円ほど円安に振れています。

昨年6月、ドル円100円台の際に2,500万円分を一括購入して以降、

指数の高値で30万円づつ積立をし続け、年明け以降に急落。

結果的に指数は昨年6月時点よりも落ち込んでいますが、

一括購入のタイミングが功を奏し、平均取得単価が引き下げられたことで、

現在の評価額は270万円ほどプラスになっています。

保有する投資信託の一覧【出典】マネックス証券の口座(22.03.27時点)

投資における分散、

つまり全世界株式の場合は「銘柄分散」「地域分散」「通貨分散」という

オールレンジでの分散効果が活きているわけです。

また、先日お伝えしたようにまとまった投資資金がある場合は、

一から積立するのではなく、「一括投資」+「積立投資」の組み合わせが理想である、

ということも言えるのだと思います。

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なお、冒頭にお伝えしたように今後一段と円安・ドル高が進むとの見方もあり、

専門家からはなんと驚きの150円台も視野に入ってくるとの声も聞こえます。

円は対ドルで約6年ぶりの安値圏にあり、過小評価されているとの見方が既に多い。しかし、さらに値下がりする余地があり、現行水準から2割近く下落して1990年以来の安値に達する可能性があると、ソシエテ・ジェネラルのストラテジスト、アルバート・エドワーズ氏はみている。エドワーズ氏によると、「トレーダーが突き進む」中で、円は1ドル=150円程度に下げる可能性がある。円は25日、一時122円44銭まで下落した。円安は地域全体に連鎖反応を起こし、人民元の一段の下落にもつながり得ると分析している。

【出典】1ドル150円まで円下落も、円安乗る動き-ソシエテGエドワーズ氏(ブルームバーグ)
2022年3月25日 9:45 JST 更新日時 2022年3月25日 11:32 JST

いづれにしても、円相場も株式市場も今後どのように動くかは予想ができませんが、

どんな時にも冷静にコツコツ・たんたん・中長期で運用をし続けていきたいものです。

では、ごきげんよう。

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