・基準価額とは?
・円安ドル高になると基準価額はどうなる?
・どのような場合に影響を受けるのか?
おはーん、ペーパー先生です。
このところ、株式市場は買い上がる力が弱い状況が続いていますね。
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これは特定の要因ではなく、このようなことが考えられます。
S&P500種指数は月間で▲4.89%。2020年3月以来の下げ幅でした。
・米連邦債務の上限問題
・テーパリング
・高インフレ
・サプライチェーン問題
・エネルギー需給の逼迫
・中国当局による規制これらが意識されていますから、引き続きリスク資産はボラティリティーの高い状態が続きそうですね https://t.co/fCkeOXWjxp
— ペーパー先生 (@papercapinfo) September 30, 2021
いづれも向こう数週間で解決するものではありませんから、
しばらくは膠着状態が続くことが考えられます。
さて、先生はプロフィールにもある通り、
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』に2,600万円ほど投じており、
毎月30万円の積立も続けています。
投資信託は上場しておりませんから、価格というのがリアルタイムには分かりません。
その代わりに1日に1つの価額として公表されるのが基準価額(きじゅんかがく)です。
投資信託が保有する株式や債券などの時価評価の総額に利息や配当金などの収入を加え、そこから運用コストを差し引いた金額を総口数で割って算出。多くの投資信託では、基準価額は当初1万口1万円で設定され、その後の運用結果により変動します。
先生が全世界株投信に1本化したのが6月中旬。
同じ指数で運用される『iShares MSCI ACWI ETF』の取引価格でみると、
2021年6月22日 100.65 USD
2021年10月12日 100.72 USD
ご覧の通りほとんど動いていないんですよね。
では、先生の基準価額はどうなっているのかというと、
60万円ほどプラスになっています。
普通に考えればこちらもトントンになっていてもおかしくないのですが、一体なぜか?
毎営業日買い付けしている、いわゆるドルコスト平均法が効いている、
という見方ができなくもありませんが、実は6月以降にそこまで大きな下落局面は向かえていません。
では他の理由はあるのか?
答えは為替が大きく円安ドル高に振れているためです。
2021年6月22日 110.65円
2021年10月12日 113.52円
9月後半からの円安進行で実に2円ほど円安となっています。
この後、3年ぶりに114円台に乗せています。
コロナ禍を経て、経済回復への力強さがなく、その期待も感じさせない。
これも新政権への評価として見る向きも少なくありませんね。
さて、円安ドル高になると、言葉通り
“円の価値が下がり、米ドルの価値が上がる”
わけですから、
米ドルベースで計算される全世界株投信を保有しているということで、
指数が伸びていなくても為替影響でプラスに働くわけです。
では、ここで投資信託の基準価額がどのような場合に影響を受けるのか見てみましょう。
景気 | 株価 | 基準価額 |
上昇 ⤴ | 上昇 ⤴ | 上昇 ⤴ |
下落 ⤵ | 下落 ⤵ | 下落 ⤵ |
金利 | 債券価格 | 基準価額 |
上昇 ⤴ | 下落 ⤵ | 下落 ⤵ |
下落 ⤵ | 上昇 ⤴ | 上昇 ⤴ |
外国の株式や債券などに投資している投資信託の場合、基準価額は為替変動の影響を受けます。
為替 | 基準価額への影響 |
円高 | マイナス |
円安 | プラス |
【出典】値段は何に影響されるの?(みんかぶ)
2017/12/09 17:58
今日ご紹介した通り、基準価額の変化は指数の上下だけで決まるものではありませんから、
上記にあるような市場のあらゆる影響を念頭におきながら、
全体を見渡してみると自身の勉強にもなりますよね。
いづれにしても為替影響はかなり大きいわけで、
資産を守るためには、日本円だけでの保有にリスクがあり、
分散の考え方はこういった時に活きてくるわけです。
では、ごきげんよう。
あちらを立てればこちらが立たず。