・課題解決会議のワナ
・ファシリテーターとは
・着地させる力
おはーん、ペーパー先生です。
何に数回、先生の勤務先では
幹部を集めた課題解決会議が行われます。
このブログの内容はラジオでも解説しています。
大企業におけるこうした場は、必ず存在すると思いますが、
恐らく多くのケースで「形骸化」していることがあるのではないでしょうか。
なぜならば、
・この場のために課題が設定される。
・期間内に何らかの結論を出す必要がある。
・課題に対する結論が実はすでに存在している。
・会議期間の終わりとともに全てが終わる。
こういう理由からです。
通常、経営課題というのは常に存在しており、
それを都度対処しながらも前進を続けていくというのが本来の正しい姿です。
ですので、課題解決会議があるからそこに向けて議題を設定して
みんなで考えていこう!なんていうのは
個人的にはめちゃくちゃナンセンスだと考えます。
そんな今回、先生は会議のファシリテーターを務めることにしました。
・形骸化の打破
・結論ありきの打破
創造は破壊しか生まれない、とはよく言ったものですが、
先生が全力でフルスイングした場合、
長年続くこれらの慣例をぶっ壊すことができるのかどうか。
そのチャレンジをするため、自ら手を挙げたわけです。
そんな今日は、ファシリテーターとして議論を着地させる方法について、
事例を交えながらお届けしていきます。
ファシリテーターとは
先生の勤務先での課題解決会議は、大体5名前後で検討チームが組まれます。
さらにそこから有識者へのヒアリングなどを進めていきますから、
10名程度の考え方が、検討材料としてテーブルに乗ることになります。
中立的な立ち位置から意見の対立を調整したり、積極的な意見交換を促したりするなど、有意義な会議を行ううえで重要な役割を果たします。
【出典】ファシリテーター(日本の人事部)
このようにファシリテーターは意見を中立で捌いていきながら、
議論の交通整理をしていく立場です。
話が脱線をしそうであれば、それを戻していったり、
より深掘りをすべきテーマでは、参加者に意見を求めるなど、
最終的な会議のアウトプットは、ファシリテーターの力量で
左右されると言っても過言ではありません。
ここからは、先生がファシリテーターとして抑えている3つのポイントを解説していきます。
①議論のゴールイメージ
②ファシリテーターはRPGのプレイヤー
③死蔵にならない安心感
議論のゴールイメージ
ただ参加者の意見集約をするだけではなく、
実行できるアクションプランまで落とし込みをすることが重要です。
そのためには、最初に「この議論はこのあたりを目指しますよ」
というゴールを、目で見える形で示す必要があるわけです。
では先生はどうやってそれを示しているかというと、
最終提案資料をパワーポイントでパパッと作ってしまうことです。
え?議論の前に提案書つくるの!?
と驚かれるかもしれませんが、ある程度この範囲のゴールを目指したいというのは、
議論を1、2日程度進めれば見えてきます。
旅行する時も、まずは移動経路から交通機関を決めて、宿泊ホテルを決めて、
どの地を見て回るかをざっくりと決めていきますよね。
これと同じです。
ロードマップを見える形で示すと、議論が大きく脱線しづらいですし、
本当に話をしたいところに時間を割くことができます。
「人はイメージしたところにしか辿りつかない」
という言葉がありますが、まさにこれ。
こうしたゴールの大体の絵を提示した上で、
議論の中で出た考え方やアイデアを上書きしていく。
これが、先生が意識するファシリテーションです。
ファシリテーターはRPGのプレイヤー
会議参加者が、どの辺りに興味や課題、関心を持っているかを、
事前に把握しておくことも重要です。
それが分かっていると、「この流れではあの人に話を振ろう」ということを
イメージして会議に臨めます。
これって、RPG(ロールプレイングゲーム)と同じなんですよね。
RPGってモンスターが現れると、プレイヤーは
勇者一行それぞれに戦闘指示を与えますよね。
それを繰り返しながら、ラスボスというゴールに向けて前進をし続ける。
つまり会議自体も先生にとってみればゲームのようなものです。
参加するすべての方々を勇者一行だと捉え、
その強みを最大限引き出すような指示を的確に出していく。
そして「確実に前進しているという手応え」を与えながら、
かつ、冒険たる議論そのものも楽しんでもらう。
こういうスタンスで臨まなければ良い結論は導き出せません。
死蔵にならない安心感
積み重ねた議論を死蔵にさせない方法があります。
それは出たプランの一部を必ず参加者自身の部署で
まずは小さく導入していくことです。
会社全体で取り組み始めるのには敷居が高くても、
一部署で試験的に始めてみることは比較的容易です。
この前提で会議に入ると「どうせ議論しても意味ない」という空気がなくなります。
あと、当たり前なのですが部署内では出てこないアイデアが、
幹部を集めた会議だとバンバン出てくるんですよね。
そりゃ、大企業で幹部をするぐらいの人が集まっているわけです。
それぞれの分野での実績・経験を重ねた人たちですから、
自部署いるメンバーだけで議論するよりも圧倒的に強いわけです。
そこから出てきたアイデアを自部署で使わない手はない。
翌日からすぐに応用するから今この議論には価値がある、
というのはまさに仕事をしながら通っていた大学院のメリットの1つでした。
考え方としてはそれと同様で、このスタンスがあると
会議にも安心感が生まれていきます。
さいごに
ということで、今日はファシリテーターとして議論を着地させる方法を
つらつらと思うがまま、書いていきました。
この辺りは、100人のファシリテーターがいれば、
100通りのやり方があると思いますので、ぜひこれを読まれている皆さまも
色々と工夫していることなど、感想をいただければ嬉しいです。
では、ごきげんよう。
よろしければこちらの記事もごらんください。
本当に「会議」と呼べるのは結論を導き出す最後の30分ぐらい。