・バランスシートとは何か?
・「貯蓄型の保険」と「住宅」の現在価値
・自己資本比率を意識したお金管理
おはーん、ペーパー先生です。
皆さんはご家庭でバランスシートをつけていますか?
このブログの内容はラジオでも解説しています。
会計簿アプリの普及等で毎月の収支をつけている方は、
かなり増えたかと思いますが、
バランスシートまで手が回っている方は少ないかもしれません。
今日は純資産を把握する際に重要な、「貯蓄型の保険」と「住宅」の
現在価値をどうやって入力すべきかを解説していきます。
バランスシートとは何か?
そもそもバランスシートとは、
ある時点での「資産」と「負債」の状況を示したもので、資産と負債の差額が本当の意味での資産である「純資産」となる。
いま、手元にある現金や株式などの有価証券だけの数字は、
あくまで金融資産であり、ローンなどの負債を考慮していませんから
資産の一端しか見ていないということになります。
以前、このブログでは家計の現状を整理できる4つのシートを紹介しました。
具体的にはこういうものです。
①収支確認表
→お金の出入り状況を把握する。
②バランスシート
→お金のほか株式や不動産、ローンなどの資産全般の状況を把握する。
③ライフイベント表
→将来必要になるお金を把握する。
④キャッシュフロー表
→①から③までの情報から、数十年後までの家計状況を把握する。
この中で紹介しているバランスシートを実際にみてみましょう。
このような内訳になっています。
空欄に数字を入れていくだけですから、結構簡単に組めそうに見えるのですが、
多くの方は2つの項目で手が止まります。
それが冒頭でも触れた、
・貯蓄型の保険
・住宅
です。
入力すべき数字が初めての方だと分からなくなるんですね。
でもご安心ください!
今日は「この数字を入れておけばOK!」をご紹介していきます。
「貯蓄型の保険」で入力する金額
まず「貯蓄型の保険」ですが、
これは解約返戻金(かやくへんれいきん)を入力しましょう。
解約返戻金というのは、生命保険を解約した際に戻ってくるお金のことです。
一般的に解約返戻金は、払い込んだ保険料の総額を下回ることになります。
なぜかというと、生命保険会社は契約者が支払った保険料の中から
所定割合を責任準備金(積立金)として積み立ており、
その一部から解約返戻金が支払われるからです。
先生も養老保険を7年ほど契約をしたのち、解約しましたが
およそ100万円ほどの損失となりました。
かなりの長い期間、評価額はマイナスとなり続けるのが貯蓄型保険です。
ということで、バランスシートにおける「貯蓄型の保険」で入力する数字は、
払い込んだ金額ではなく、解約返戻金を入力する。
これを覚えておいていただければと思います。
「住宅」で入力する金額
持ち家の方は「住宅」欄にも金額を入力する必要があります。
ここでは、現時点での想定売却額を入力しましょう。
どうやって調べるのかですが、方法は大きく2つあります。
不動産会社に依頼を出して算定してもらう。
もう一つはリアルタイム評価額を算出するサイトの利用です。
先生はバランスシートを更新する際、後者で行っています。
人材や不動産に関する情報サイトを手がけるリブセンスが
2015年にサービスを開始した不動産情報サイト「IESHIL(イエシル)」
首都圏のマンションをフリーワード、地域、路線から検索でき、
AIが算出したマンションの相場価格を閲覧することができます。
同様のサービスでは不動産テックサービスを手がけるコラビットの
「HowMa(ハウマ)」でも提供されています。
どちらのサイトも価格算出のロジックが違いますので、
同じマンションを登録していても、価格差が100万円以上でるケースもあります。
不動産価格は常に緩やかに変動していますが、
肌感覚としては「IESHIL」の方が相場価格の変動幅が大きく、
「HowMa」は比較的安定している印象があります。
いづれにしても、あくまで目安であるという前提での利用が良いですね。
なお、これらで調べられるのはマンション価格です。
戸建ての場合は上物が様々で概算を手軽に知ることが難しいのですが、
周辺地域の相場を知るということであれば
リクルートの不動産・住宅サイト 「SUUMO(スーモ)」などで可能です。
ということで、バランスシートにおける「住宅」で入力する数字は、
購入金額ではなく、想定売却額を入力する。
これを覚えておいていただければと思います。
まとめ
今日はバランスシートを組む際に悩みがちな
「貯蓄型の保険」と「住宅」について紹介をしてきました。
先生が家計のバランスシートを付けるようになったのは東芝がきっかけでした。
2006年に東芝が買収した米原発大手ウェスチングハウスが2017年3月に経営破綻し、
同年3月期、同社は国内製造業では過去最大となる9,656億の赤字を出し、
「負債」の額が、「資産」の額を上回っている状態、つまり債務超過に転落しました。
歴史ある世界的大企業でも債務超過に陥る。
このことが先生自身に緊張感を与え、家計でもバランスシートをつけ、
自己資本比率を意識したお金管理をするようになったわけです。
返済不要の自己資本が全体の資本調達の何%を占めるかを示す数値であり、自己資本比率が小さいほど、他人資本の影響を受けやすい不安定な会社経営を行っていることになり、会社の独立性に不安が生じます。自己資本比率が高いほど経営は安定し、倒産しにくい会社となります。自己資本比率は会社経営の安定性を表す数値であり、高いほどよいのです。
<計算式>
純資産÷資産合計x100
こちらは、以前に行ったツイッターへの投稿です。
理想のボディは"💪▼逆三角形"ですが、会社経営や資産運用におけるBS右側(調達)の理想は"✨▲三角形"。(負債+純資産)を純資産で割った自己資本比率の目安↓
<一般的な基準>
70%以上=ほぼ無借金で超優良
60-69%=優良
40-59%=倒産しにくい
20-39%=普通
10-19%=要改善
0-9%=危険水位
マイナス=債務超過 https://t.co/NeovkjSnF5— ペーパー先生 (@papercapinfo) February 12, 2021
先生は、10月末時点での自己資本比率が66.8%。
「優良」にあたる状態です。
手元にあるお金を積み上げていくことも大事ですが、
良い資産・良い負債をしっかり把握しながら、
自己資本比率も高めていく。
こうした考え方も大事にしていきたいですね。
では、ごきげんよう。
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