・「目的」「目標」「手段」の定義
・プライベート、ビジネス、資産運用での設定
・失敗した時にこそ役に立つ
ごきげんよう、ぺいぱです。
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今回は、あらゆるプロジェクトを進める上で重要な、ゴール設定の仕方についてお話します。
こちらは、2020年9月25日掲載のブログ記事を加筆・修正したものとなっています。
結論からいきますと、「目的」「目標」「手段」の明文化をすれば、どのようなプロジェクトだったとしても、成功に限りなく近づかせることができます。
ぼくはIT企業で開発部門長を担当していますが、「目的」「目標」「手段」を必ず期初に、部全体へ話すよう心がけています。理由は明快です。これらをしっかり定めないということは、ゴールのないスタジアムでボールをドリブルし続けるようなものだからです。
どこに向かえば良いかも分からず、何をすれば勝てるのかも分からず、ただひたすら走り続けている。これでは、みんなやる気をなくしてしまいます。
今日お話しする「目的」「目標」「手段」の位置づけを把握しておくことは、プライベートやビジネス、果ては資産運用においても将来の成果が大きく変わることにつながります。
ぜひ、話を聴き終わった後に、ご自身のゴール設定を紙に書き出してみてください。すべてはそこから始まります。
ではさっそく行ってみましょう!
「目的」「目標」「手段」の定義
いきなり問題です。
「目的」「目標」「手段」、それぞれの言葉の定義をご説明ください。
これ、結構ごっちゃになってる方多いと思います。ぼくも、新しい部門へ異動した直後、その部署の過去資料を見返すと、「目的」と「目標」を同義で捉えていて、文中に入り混じっているなんてことがありました。
正解はこうです。
■目的
・最終的に達成するべきこと。
■目標
・目的を達成するための指標。
■手段
・目標を達成するための方法。
ここまで書いても「え、ほとんど同じことを言っているのでは?」という方もいらっしゃるかと思いますので、次からは例を出して説明していきます。
プライベートでの設定
例えば、親孝行をしたいなぁ、と考えている人が「目的」「目標」「手段」を設定すると、どうなるでしょうか。サンプルを作ってみました。
■目的
・両親との思い出作りをする。
■目標
・2022年中。
■手段
・夏休みを使う。
このようになります。分かりやすく簡潔に書きましたが、もう少し細部まで書くとこうなります。
■目的
・両親との思い出作りをする。
■目標
・2022年中。
・予算は20万円。
■手段
・夏休みを使う。
・旅館に泊まる。
・温泉地を選ぶ。
・ワインが美味しいところ。
「目的」は常に1つですが、それが達成出来たかどうかを示す指標である「目標」は、複数設定されても良いわけです。「2022年中」というのは時期ですから、もう1つには「20万円」という予算枠を設定。
また、「目標」を達成するための方法である「手段」も複数設定されます。ここは具体的に実行したいピンポイントな行動を設定すればOKです。
このように全体を組んでいくと、プランニングが楽になりますし、実行した後の振り返りもしっかり行うことができます。
ビジネスでの設定
次はビジネスシーンを想定してみましょう。お菓子メーカーという体で、サンプルを組んでみました。
■目的
・世界中で知られるスナック菓子ブランドの創出。
■目標
・2023年度中。
・世界30の国と地域以上で販売。
・売上200億円。
■手段
・タスクフォースを立ち上げる。
・ターゲット地域の市場調査をする。
・新商品の企画策定を行う。
・開発予算を審議にかける。
なお、テーマがお菓子かITソフトウェアかの違いはあれど、ぼくの勤務先でも似たような設定になることが多いです。会社員をしている場合、このような設定は見慣れている方が多いかも知れませんね。今回は項目別に解説をしていきます。
1年単位で変えるようなものではなく、多くは中長期的なものを設定します。ここでのポイントは、少し抽象的な方が良いということです。コンパスが示す方向、ぐらいの感覚で捉えていただいて構いません。それが具体的に何を示すのかは「目標」でしっかり設定しますので、「目的」はスローガンのように誰もが覚えやすく頭の中に置き続けられる内容が理想的です。
通常は年度内になると思いますが、期限付きプロジェクトの場合は、その期間内での設定でも構いません。ここで設定されたものは、誰が見ても成否が判断付く定量的なものでなければいけません。ビジネスでは期日、地域、売上、利益などを設定することが多いかと思います。もちろん人事部であれば採用人数、知財部であれば特許件数など、部署固有の設定もあり得ます。
ここは状況を見ながらどんどん変えていきましょう!「え?せっかく設定したのに?」と思われるかもしれません。「手段」は「目標」に向けた行動内容ですので、途中で「あれ、これ違うな」と思えば、速やかに軌道修正をすべき部分です。そのため、設定期間中に唯一変えて良い部分となります。ここの差配によって部門の成績が左右されると言っても過言ではありません。
資産運用での設定
最後は資産運用において、このゴール設定をどう活用すべきかを紹介していきます。
資産運用とは、自身の持つ資産を貯蓄・投資して、効率的に資産を育てていくことを指します。なぜそんなことをする必要があるのか。良く挙げられるものとして「住宅資金」「教育資金」「老後資金」の3つがあります。
これらを「目的」にそのまま当てはめて考えると良さそうに感じますが、これでは結論がおかしなことになります。試しにやってみましょう。
■目的
・住宅資金を用意する。
■目標
・30歳までに金融資産1,000万円。
■手段
・貯蓄する。
・残業する。
・副業する。
パッと見、形にはなりましたが、「目的」が住宅資金を用意することって、単純になんか人生がつまらなく感じませんか?(笑)
皆さん、一度きりの人生です。住まいのためとか、子供の教育のためとか、夫婦の老後のためとか、いづれもすごく重要なことばかりですが、お金が目的になってしまうと一生それに追われ続けます。お金には際限がないからです。
何を持って幸せかは千差万別。そのため資産運用における目的というのは、自分らしく生きるために必要なことを設定すると良いと思います。
参考までに、ぼくの場合はどんな感じか見てみましょう。
■目的
・趣味に没頭できる環境づくり。
■目標
・50歳までに金融資産1億円。
・趣味8:仕事2。
■手段
・収入源の多線化。
・貯蓄率の向上。
・原資を投資に回す。
・健康維持。
・郊外で暮らす。
・少数の気心知れた友人。
ざっくり書くとこのようなものです。「趣味」とかなりアバウトに書いていますが、人間というのは好きなことが移ろいやすいものです。ぼくは今はYouTubeやTwitterなどのSNS投稿、身体を一回り大きくするための筋トレ、友人との食事などを、好きなペースでやっています。
これが10年後も今と同じように心地良いかもしれませんし、まったく変わっているかもしれない。今はお金のかかる趣味ではありませんが、今後はどうなるか分からない。そんな漠然とした願望を文字に起こすとこのようなものになります。
結局、この趣味の内容次第で、住む場所や、子供の教育方針、老後のお金のかかり方も大きく変わります。ぼくは自分の行動を縛りたく無い人なので、「好きなことを、好きな場所で、好きなようにしたい」。つまり、ビジネスでのゴール設定とは真逆でかなり広めに資産運用を考えています。
もちろん、人によっては「30歳までに結婚して、子供を2人作って、郊外で一軒家に住む」。こんな具体的な希望があって、プランが引ける人もいると思います。そして具体的な方が、「目的」「目標」「手段」設定に落としやすいことも事実です。まぁ、ここは唯一の正解が存在しませんので、参考程度の紹介に留めておきたいと思います。
「プライベート」、「ビジネス」、そして「資産運用」という3軸でゴール設定の形を見てきましたが、資産運用がもっとも難しく、かつもっとも個性が際立つかもしれませんね。
さいごに
ご紹介してきた「目的」「目標」「手段」の明文化をすることで、アクションプランが明確になります。これが明確になれば、仮にそのプロジェクトが未達になったとしても、振り返りを深くやることができ、何が失敗の要因だったのかがハッキリします。振り返りを繰り返していけば、プロジェクトの精度は自ずと高まります。
一方で、これが無いままプロジェクトが失敗をすると、そもそも何を目指していたのかの解釈が人によって曖昧になるため、振り返りそのものができません。こうしたことからも、しっかり設定できるか否かが、大きな差となるわけです。
今回は、自発的に「目的」「目標」「手段」設定を行うことをイメージしながら話を進めましたが、例えば上司から「きみ、これやっておいてくれる」と、仕事を依頼されるようなケースにも十分使えます。
その依頼された仕事が、いったいどんな「目的」「目標」なのかをその場で確認し、その上で「手段」を組んでいく、ということをしていければ、的を射たアウトプットを出せるようになるからです。
今日からでも活用できる考え方ですので、ぜひ試していただければと思います。
人生はノーコンティニュー!悔いのないようにやっていきましょう。
では、ごきげんよう。
人はイメージしたところにしかたどり着かない。
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