・金融資産の目標額
・「年支出の25倍」と「4%ルール」
・サイドFIREできるぐらいが適温か
お金はいくらあっても、天井がないのでキリがない。
そんな話を以前にしたことがあったかと思います。
100万円を目指して達成すると、500万円を目指したくなる。
500万円を目指して達成すると、1,000万円を目指したくなる。
1,000万円を目指して達成すると、3,000万円を目指したくなる。
3,000万円を目指して達成すると、5,000万円を目指したくなる。
……と、まぁこんな感じです。
このブログの内容はラジオでも解説しています。
夢や目標がある方であれば、「いつまでに・いくら」という
設定が明確になりますから、ある意味で資産形成の道のりを歩みやすいですが、
こういったものを一切持たない人にとっては、
どのぐらいの金融資産があると良いのかは難しい問題です。
さて、FIRE(経済的に自立した早期退職)について語られる際に、
その達成指標として「年間支出の25倍」もしくは「4%ルール」が挙げられます。
<年間支出の25倍の資産>
年間支出が300万円の場合、25倍の7,500万円の資産があればFIREを実現できると考えられています。この7,500万円を投資元本とすれば、元本を減らすことなく運用益で生活できるという意味です。
<4%ルール>
「生活費を投資元本の4%以内に抑えると資産が目減りしない」というルールです。投資元本7,500万円の場合、年4%で運用すれば年間の運用益は300万円です。生活費を300万円以内に抑えれば、FIREは実現できます。FIREでは年4%での運用を前提としていることから、4%ルールが成り立ちます。
【出典】今注目のFIREとは?アーリーリタイアのメリット・デメリットをまるっと解説(iyomemo)
2021/11/09
FIREをゴールとするとなかなか険しい道のりになりそうですが、
資産運用をメインにし、副業などの労働収入と
組み合わせて生活する、いわゆるサイドFIREを目指す、
というのは一つのゴール設定としてはありかもしれません。
実際に、金融資産3,600万円ほどを保有する先生自身で
25倍シミュレーションしてみましょう。
皆さんもご自身の資産に照らし合わせながら見てもらえればと思います。
収入 +11,142,148円
支出 ▲4,013,600円
—
差引 +7,128,548円
貯蓄率63.98%は、悪くはない数字かと思いますが、
2020年の総務省「家計調査」によると
2人以上の勤労者世帯の平均消費支出は年間367万円。
独身の支出としてみると、年間400万円は高いですね。
なお先生の場合は不動産収入がありますので
不労収入として合算するとこんな感じです。
不労収入 +145万円
年間支出 ▲400万円
—
差引支出 ▲255万円
→🔥FIRE可能資産額 6,375万円
差引支出に25倍すればいいだけですので、
計算はすごく簡単ですね。
結局のところ、支出が少なければ少ないほど、
FIREへの道のりは近づきます。
なお、先生の支出で特に大きなものは以下の2つです。
🏨ホテル宿泊費 170万円
🍚食費 70万円
例えばこれを1/3にすると
不労収入 +145万円
年間支出 ▲320万円
—
差引支出 ▲175万円
→🔥FIRE可能資産額 4,375万円
仮に実家暮らしをして、少しだけ家にお金を入れる、という設定だとどうでしょうか。
つまり宿泊費をゼロ、食費を半額にすると、
不労収入 +145万円
年間支出 ▲195万円
—
差引支出 ▲50万円
→🔥FIRE可能資産額 1,250万円
これだと、ほぼ年間での支出がなくなりますから、
運用原資を取り崩すことなく利回り最大化ができるようになりますね。
やはり住まいにかける費用というのは
人生設計を左右するほど重要なんだなと思い知らされます。
あと、不動産収入の存在も大きいですね。
株や債券などのペーパーアセットと、不動産や太陽光などのハードアセットとの
組み合わせで資産形成をしていくことの重要性も見えてきます。
では、会社を辞めて細々と何らかの仕事をするサイドFIREのケースではどうでしょう。
仮に月に10万円、年間120万円を得るとしましょう。
不労収入 +145万円
労働収入 +120万円
年間支出 ▲400万円
—
差引支出 ▲135万円
→🔥FIRE可能資産額 3,375万円
このように今からでもチャレンジができそうです。
また、これまで納めていた額に応じて65歳以上から年金も支給されます。
概算ですが、年収1,000万円の方が将来受け取れる年金額は
国民年金が月約6万5,000円、厚生年金が月約12万7,000円、
合計の年間受給額は230万円となります。
そんなわけで、独身者がサイドFIREで生きていくことを前提にすると、
支出額やどの程度働くかにもよりますが
金融資産4,000万円前後、という設定で十分かもしれません。
こういうシミュレーションというのは、
「遠足行く前のおやつ選び」
「自作パソコンのパーツ選び」
「旅行の道中プラン選び」
みたいに、あれこれ考えている時間そのものが楽しかったりもしますね。
では、ごきげんよう。
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住まいにかける費用は人生に重くのしかかる。