・短い時間で多くの情報を取りに行く人々
・情報過多の現代
・取捨選択や整理整頓の大事さ
おはーん、ペーパー先生です。
以前にYouTube学習を取り上げた際、再生速度を2倍にする方法を紹介しました。
これはYouTube自体の機能ですので、他の動画再生には適用できないのですが、
Chromeでは、ブラウザレベルで再生速度をコントロールできるプラグインがあり、
先生は「Video Speed Controller」で、2.5倍速設定にして動画視聴しています。
『Amazonプライム・ビデオ』や『ディズニープラス』なども
ブラウザ上で再生速度を変えることが可能です。
このように、コンテンツを如何に短い時間で消費していくか、というのはこの5年ぐらいのトレンドとなっており、
今日は、大量消費時代のコンテンツとの向き合い方についてやわらか考察します。
映画を早送りで見る時代
先日、こんな記事が掲出されました。
『Netflix』の標準機能として再生速度調整が可能になり、
映画やドラマを早送りして視聴しているユーザーを紹介する内容です。
【出典】「映画を早送りで観る人たち」の出現が示す、恐ろしい未来(現代ビジネス)
2021.03.29
YouTubeの解説動画など、文字情報のインプットであれば
2倍速でもユーザーの得られる理解に差は出ません。
一方で、映画を2倍速で見られてしまうと、作り手の思いが伝わらない、
という点にこの記事では警笛を鳴らしています。
映像の隅々にヒントがあったり、セリフの間などの演出も、2倍速では台無しになりますからね。
先生はYouTubeに限らず、他の動画配信でも幅広く2倍速は使いますが、
ドキュメンタリーや報道番組などが中心です。
映画の2倍速は、雑誌の流し読みと近いかもしれません。
目的が楽しむことではなく、あらすじを把握することなので、そもそもゴールが違います。
ワンセグが登場した際は、作り手が画面構成や文字サイズなど、
小さい画面でも分かりやすいように映像作りを工夫をするということがありましたが、
再生速度も意識しなければいけない時代が来ているのかもしれませんね。
コンテンツに埋もれる消費者
大量消費時代にあって、どのようなカテゴリーの作品であっても、
ユーザーが1つ1つにかけられる時間はとても短くなっています。
ゲームの分野でもそうです。
最近は80年代、90年代の家庭用ゲームが
アニバーサリーイヤーに現行ハードへ移植されることが多くあります。
スクウェア・エニックスさんの人気RPG「サガ」シリーズの原点、
ゲームボーイ3作品をまとめた『Sa・Ga COLLECTION』(サガコレクション)では、
当時よりもゲームプレイ速度を早くできる「高速モード」が搭載されています。
そのほか、この数年スマートフォンでは誰もが気軽に遊ぶことのできる
「ハイパーカジュアルゲーム」というカテゴリーにも高い人気が集まっています。
SNSの分野でも同様に『TikTok』を始めとして短い時間でコンテンツを消費をしていくスタイルが好まれていますので、
今やカテゴリーを問わずこうしたサイクルが加速度的に高まっていると言えます。
少し古い記事からですが、楽曲のイントロ尺の変遷も興味深いです。
1995年から2015年にかけて5年ごとにヒットソング上位10曲のイントロを測ってみたところ、
1995年に平均26秒だったイントロの長さは2010年には15秒、
2015年に入ると12秒と、わずか20年で半分以下になっています。
結局のところ、時間は限られているのに、コンテンツは膨大に増えている。
だから人は短い時間でより多くの情報を取るための行動に出るのだと言えます。
電通総研さんの調査では、多くのスマホアプリが1回あたり2分以内しか使われていないことが分かっています。
【出典】短いことはいいことだ イントロ3秒、広告5秒(日経電子版)
脳に疲れ、「一瞬で分かる」好む
2016年6月19日 6:30 [有料会員限定]
さいごに
身の回りをシンプルにして生活をしていると、
コンビニやデパートなどで、目に飛び込んでくる圧倒的な情報量に
頭が処理をし切れず、目的のものだけ買ってそそくさと出てしまうことがあります。
テレビをダラダラ見る、街をぶらぶら歩く、
こういう生活スタイルは、消費者の手元に情報が極めて少なかった時代だからこそ成立していました。
いまは、企業が人の時間をどう奪うか、知恵を絞っている時代です。
映画を倍速で見る、イントロの短い歌を歌う、ゲームの速度を上げてプレイする。
なんだか人類は、自らの手により急かされて生きているのかもしれません。
だからこそ、情報を取捨選択していく。身の回りを整理整頓する。
こういった姿勢で、自身にとって本当に重要なものに
時間をかけることが大事なのかもしれませんね。
こちらの記事も参考にしていただければと思います。
では、ごきげんよう。
“Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life.”
「あなたの人生は限られています。なので自分らしくない人生を送って人生を無駄にしないでください。」スティーブ・ジョブズ氏(米国の実業家)