・世の中のあいまいな領域
・金融の世界でも存在するぼかした表現
・はっきりとした正解がない時代
おはーん、ペーパー先生です。
どちらとも決めかねる、曖昧な領域ってありますよね。
例えば、白とも黒とも言えないので、「グレーゾーン」と呼ばれるやつです。
穏便に済ませるためや、一旦の着地点として使われるケースが仕事でも多いかと思います。
「Yes」 or 「No」で断言しない、実に奥ゆかしい日本人らしさでもあります。
こうしたケース、金融の世界にもありますよね。
分かりやすいところでは、グレーゾーン金利なんてものがかつて存在しました。
利息制限法と出資法の上限金利の間の金利をいいます。金利の上限を定めたこの2つの法律のうち、利息制限法では金利の上限を15~20%と定めています。他方、出資法は刑事罰の対象となる金利の上限を29.2%と定めていました。そのため、利息制限法の上限を超えていても、出資法の上限を超えなければ刑事罰は科せられず、「灰色の金利」が存在していました。しかし、2006年12月13日に、貸金業法の改正が決まり、出資法の上限金利を利息制限法の上限金利である15~20%まで引き下げることが決定し、現在ではグレーゾーン金利は撤廃されています。
【出典】グレーゾーン金利とは?(アディーレ法律事務所)
目下、金融緩和が続く今この瞬間にも、はっきりしない言葉が誕生しています。
8月27日のジャクソンホール会議オンライン講演で、
年内のテーパリング開始に言及したパウエルFRB議長。
多くの市場関係者は昨年4月以降の上昇相場が、
テーパリングの話題をきっかけにいよいよ失速するのでは、と身構えていたわけですが、
蓋を開けてみれば、引き続き株高です。
こうした状況が「ハト派的なテーパリング(Dovish Tapering)」と呼ばれています。
【出典】世界株も最高値、「ハト派的」緩和縮小の効果(日経電子版)
2021年8月31日 7:09 [有料会員限定]
ハト派というのは金融緩和を、タカ派というのは金融引き締めの立場を指すわけですが、
資産購入の縮小(テーパリング)の先には、段階を経て金融引き締めに向かいますから、
一旦は株高の過熱が収まらないと、今の状況は説明が付かない。
まさに良く分からない困惑した相場のいまを示すワードが「ハト派的なテーパリング」なわけです。
我々は新型コロナウイルスがまん延する混沌とした世界線に生きており、
政治体制、コロナワクチン、環境対策、ジェンダー、貧富格差など、
はっきりとした正解のない時代を歩んでいます。
それでも、誰かに流されるのではなく、自分が正しいと思う考えを
しっかりと握りしめながら、日々を過ごしていかないといけませんね。
では、ごきげんよう。
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多様性の時代、違いを認めて尊重する寛容さを持とう。