・国会議員に支給される主な国費
・逮捕/勾留中に国費の支給が止まらない理由
・子どもがなりたい職業には程遠い
おはーん、ペーパー先生です。
先生、以前は広報の仕事をしていたこともあり、
企業や個人が不祥事でどのような対応を取るのかを注目しています。
このブログで紹介している、経済的に自立した早期退職のFIRE(Financial Independence Retire Early)とは違った意味でのFIRE(炎上)。
昨年末、宣伝会議さんが発行する月刊『広報会議』が、全国1000人の男女(20~60代)を対象に、
2020年に発覚した企業・団体・個人の不祥事で「最もイメージダウンした出来事」についてのアンケート調査を実施し、
堂々の第一位は「河井克行、案里両議員が参院選買収の疑いで逮捕」でした。
では、そんな国会議員はどのぐらいの年収なのか。
そして仕事ができない状態での給与はどうなっているのか。
今日は国会議員のFIRE(炎上)をテーマに、支給される国費についてやわらか解説します。
国会議員に支給される主な国費
まず国会議員への支給は
・給与にあたる「歳費」
・ボーナスにあたる「期末手当」
・通信費や交通費、宿泊費などにあたる「文書通信交通滞在費」
これらが年間およそ2300万円支給されます。
主な内訳は以下の通りです。
【出典】国会、行っていないのに…(NHKニュース)
2021年2月16日 19時31分
通常、会社で通信費や交通費などを請求する場合は、事前に決裁が必要ですし、
事後に報告書と合わせて費用の請求申請をするものですが、
国会議員に支給される「文書通信交通滞在費」の場合、非課税で使途を報告する義務がない上、使い切れずに余っても返納する必要はありません。
これだけでもかなり斬新なのですが、
話を冒頭に戻していくと、河井夫妻の場合、昨年半ばから
逮捕・勾留されていましたから、国会への出席を始めとする議員活動はほぼ行えていません。
ではその間の支給は止まっているのかというと、なんと続いているんですね。
逮捕・勾留中に国費の支給が止まらない理由
総務省選挙課によると、
・歳費などの支給を停止する法律の規定はない。
・公職選挙法では自主的に歳費や期末手当を国庫に返納できない。
このような取り決めがあるそうです。
国会に出席できない議員の歳費を凍結すべきではないのかという議論は
過去に国会で議論されたこともあったそうですが、その一方
日本国憲法では、
・憲法49条「両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける」
こうした規定があることで、歳費の凍結には憲法改正が必要か否かで
議論に進展がなかったということです。
このほかにも、
・逮捕されたとしても推定無罪推の原則。
・財産を持たない人が議員になることを妨げないよう金銭的な保障が憲法で規定された経緯。
・権力の介入から議員の身分を守る趣旨を持つ国会議員特権の観点。
こうしたこともあり、庶民感情からはありえない取り決めも、
結論が出ずに延々と持ち越されているわけです。
なお、地方議会では、一部で報酬凍結や減額の条例制定がされているところはあるようですね。
さいごに
いかがだったでしょうか、国会議員のFIRE(炎上)。
ダジャレから入ったものの、根深い問題に行き着きました。
それにしても、子供のなりたい職業ランキングは、
「ユーチューバー」や「eスポーツ選手」など、新たなジャンルがどんどん参戦している一方、
「国会議員」がランクインしているのを見たことありませんね。
それは純粋に憧れる対象となる人がいないからではないでしょうか。
では、ごきげんよう。
魅力がなければ優秀な人材は集まらない。