・40歳を超えると
・なぜ会社員を続けているのか
・なぜ会社を辞めようと思ったのか
おはーん、ペーパー先生です。
長らく会社員生活を続けていると「辞めようかな」と思う瞬間、
30代で1度や2度、必ず訪れるかと思います。
特に40歳を超えると、そもそも転職や独立という選択肢が
どんどん狭まっていくためです。
実際には、狭まっていくというよりも
自分自身の体力や知力、行動力が落ちていくので、
結果的に狭まる、という言い方が実態に即しているかもしれません。
今日は転職・独立を考えられている方。
もしくは今の会社を辞めたいけど、その後がノープランで困ってる方。
このような方に向けて、
ぼく自身が「なぜ続けているのか」「なぜ辞めようと思ったのか」の両軸から
会社員であり続けることについて、向き合ってみたいと思います。
なぜ会社員を続けているのか
ぼくは2000年に社会人になりました。
その後、転職を経て現在のIT企業にかれこれ15年ほどお世話になっています。
フリーランスで仕事をしていたこともありましたから、
正直ここまで長く会社員をしているとは自分でも思っていませんでした。
では、なぜ会社員をこれまで続けてこれたのか。
理由をまとめてみたいと思います。
①会社は変わっていないが、職種は変わっている。
元々はITソフトウェアのディレクターとして入社をしましたが、その後にマネージャー、人事、広報、そして現在の開発部門長と、経験してきた職種は多岐に渡ります。元々飽き性ですから、1つの仕事、1つの職種、というのだと続かなかったと思います。自分自身で手を挙げたものもありますが、その多くは会社都合による部署異動。つまりは川の流れに身を委ねてキャリア形成をしてきたわけです。もう「縁」と言うしかありませんね。スキルの掛け算というのはすごく重要で、新しい職種を担当する時は、心身ともにかなりの負担となります。一方で、人間力を大幅に向上もさせます。デザインの経験があり、採用活動もできて、開発のことも分かって、マネジメントもできる。自分で言うのもなんですが、それなりに希少人材に仕上がってきているように思います。それぞれに関連性が薄かったり、明らかに浅かったりすると意味がありませんが、各分野で実績を残していけば、掛け算が多いほど社内外で希少人材になり得ます。ぼく自身はこんな経験もあり、会社を変えずとも新しい経験を積めていることが、辞めてない理由になっています。
②転職コストがかかる。
このコストというのは、転職活動にまつわる金銭的なコストではなく、会社の中で成果を上げるために把握をしておくべき社内事情のキャッチアップコストです。組織戦というのは、その名の通り1人だけではやれることが限られます。いや、1人では何も事を起こせない。そう言い切っても語弊はないかと思います。スポーツでも同様ですが、その組織内にどのようなキーマンがいて、それぞれにどんな強みがあって、何を重じているか。こんないわゆるお作法的なことを把握しなければ、成果につなげていくことはできません。転職をするとこれがリセットされますから、1から積み上げていくのには相当な苦労が伴います。特に日本では、トップを外部から招聘して、成果を上げていくような「プロ経営者」という人材が北米と比べると多くありません。それは人同士の信頼性や関係値が仕事をする上での土台になっているからです。その観点から、自分の腕ひとつで成り上がりたいのであれば日系企業はオススメできません。一方で、こうしたネットワークが築けている日系企業に身を置いているのであれば、自分の力以上のことを成し遂げることも可能だということです。
③そもそもやりたいことが見つかっていない。
ぼくの中ではかなり重要なポイントです。重要だけど、長らく解決していないものでもあります。20代の頃は「モバイルの分野で新しいことやるぜ!」、30代の頃は「世界一のソフトウェアを送り出すぜ!」と言ったように、野心を原動力に仕事をしてきましたが、30代半ばぐらいからでしょうか。急速にそういう意識が薄れてしまったんですよね。やる気がない、というのとも違うのですが、何か自分の中で実現したい、達成したいという具体的なことが見出せなくなってしまいました。燃え尽き症候群にあたるのかもしれません。ですのでこの7、8年は「なんとなく」会社に居続けているという状況が続いていました。今もそれは変わっていないのですが、唯一の違いは金融資産を得たこと。3,000万円を超えた昨年からは、会社に何が何でも居続けなければいけないという状況ではなくなりましたので、課題だと思うことはハッキリ言う。言うだけじゃなく自分で行動する、人を動かして変えていく。とにかくフルスイングで仕事に臨んでいますので、仕事への向き合い方はだいぶ変わりました。
なぜ辞めようと思ったのか
ここまでは「会社員をなぜ続けているのか」について紹介をしてきました。
そんな一方で、辞めようと思ったことは過去2度あります。
当時の上司に「辞めます」と宣言をし、
結果として社内の他業務を紹介されて今に至るという、
言わば一番かっこ悪いやつです(笑)
具体的にどんな理由だったのか。それぞれまとめてみました。
①SNSを活用した新しい取り組みへのチャレンジ
入社後は一貫してモバイルを活用した開発を、ディレクターやマネージャーなど色々な立場で参加してきました。一方で、Facebookの登場を発端に、国内でも複数のSNSプラットフォームが登場し、そのネットワーク情報とリンクをさせた新しいサービスの潮流が出来上がりつつありました。国内でiPhoneが登場した2008年前後はそうしたサービスを手がけるベンチャー企業などが次々に参戦し群雄割拠の状況だったことをよく覚えています。今の会社ではそんなチャレンジは難しいだろうと思い、当時30歳を超えたぼくは、退職をして別の会社でその熱を注ごうと思ったわけです。上司にその旨を伝えたところ、結果的に別の部門でそのような取り組みの準備を進めていることが分かり、1度目の退職劇は部署異動という形で幕を下ろします。なお、異動した先で出会った上司や同僚のおかげもあり、次の大きな成果を掴むことができたというのも、人生の不思議であります。
②新任の上司と思いっきり反りが合わない
人生いろいろ、会社もいろいろ、社員もいろいろ。これは、時の首相、小泉純一郎さんの迷言です。この発言の意図はさておき、言っていることはほんとその通りで、会社の中には実に色々な社員がいるものです。ぼくは①のプロセスを経た後、広報に舞台を移します。まったくの未経験でしたが、結果的にはここで得たスキルや経験は、充実した「人生の掛け算」となりました。しかし、上司とまったく馬が合わなかったんですね(笑)親と上司は選べません。「ガチャ」なんて形容する時代でもありますが、まさにそうですね。会社でやりたいこともなかった時代でもありましたから、無理して残る必要もないや、ということでその上司に退職希望を伝えたわけです。結果、どうなったかと言うと、その上司の方がいなくなりました。こんなこともあるんですね。1つ言えるのは、「退職」のカードを使うかどうかはさておき、嫌なものは嫌と、我慢せずに声を上げた方が良いということ。結果、どう転ぶかは分かりませんが、声を出さないで後悔をするよりぜんぜんマシです。
というわけで、2度の退職願いとその後について赤裸々にお話ししました。
そんな紹介をしておいてなんですが、「退職」というカードは
最後の最後の、ほんと最後に取っておいた方がいいです。
なぜかと言うと、このカードの副作用は「一定の信用を消費する」からです。
会社は組織戦です。
なるべくであれば、会社の文化や事業の目的などの目線があった人材とスクラムを組むほうがいい。
A)会社の文化や事業の目的などがバッチリ合うが、スキルは今一つ。
B)会社の文化や事業の目的などがまったく合わないが、スキルは優れている。
こんな2名がいた場合、会社が残したいのはAとなります。
「退職」カードを使った人は、いづれまた辞める可能性がある、
というフラグが立ち続けます。
つまり、引き続き活躍はしてもらうけど、
経営の根幹に関わる重要なポジションには到達しない。
そんなことが言えます。
ぼくはいま開発部門長を担当しており、それなりに高い役割ではありますが、
2度も退職カードを切っていますから、今後どれだけ成果を出しても
これ以上の昇進はないでしょう。
昇進が給与アップに繋がるわけでもありませんから、
ぼくがそれを望んでいるわけでもないですが(汗)
さいごに
というわけで今日は、会社員であり続けることについて、
ぼく自身が「なぜ続けているのか」「なぜ辞めようと思ったのか」の両軸から
振り返りと考察を交えてご紹介してきました。
40歳になると、嫌でも今後の人生を考えるようになります。
それはご家族のことかもしれないし、資産のことかもしれない。
同じように、仕事も人生からは切っても切り離せません。
FIREという生き方を選んだとしても、何かを生業にしていくわけです。
どのように仕事と向き合うのか。
どのように仕事と併走していくのか。
永遠のテーマであり、ぼく自身も明確に答えがありませんが、
これを模索していくのもまた人生、ということなのでしょう。
では、ごきげんよう。
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仕事が人生そのものになってしまっては悲しい。