・大切なものの保管方法に悩まれている方。
・アナログデータのデジタル化を検討している方。
・デジタル化すれば一生ものだと思っている方。
おは一ん、ペーパー先生です。
「アナログ」と「デジタル」、どちらが永続的にデータを保持できると思いますか?
「デジタル」一択!
普通はそうなりますよね。
でも先生は最近思います。
「アナログ」最強説。
そう思うのはなぜかを紹介していきます。
パソコンデータに関する2つのケース
ケース1:ディスクメディアの場合
先日、家にあるものを大量に捨てた話をしました。
その際、デザイナ一時代に使用していたMOドライブやディスクを大量に発掘。
当時の仕事データなどが入ったものです。
持っていたことすら忘れていたわけですので、不要ではありますが、ここで貧乏根性が出ます。
「データを取っておけば、何かに使えるかもしれないし…」
ということで、一応『Time Capsule』(以前、Appleが発売していたバックアップ用ハードディスク搭載の無線LANルーター)にコピーしておこうと思い、MOドライブを『MacBook Pro』に接続しました。
しかしデスクトップにマウントされません。
それでは、ということで当時使っていた『G4Cube』に接続しましたがこちらもマウントされず。
そうなると、ディスクが悪いのか。
ただ、無くても困らないデータに、そこまでの検証時間を使うのが無意味なので諦めました。
ケース2:データファイルの場合
先生はほとんどのデータを『Time Capsule』に集約して保管しています。
以前に整理術を紹介したのに大変お恥ずかしいのですが、昔のファイルはめっちゃ適当に放り込まれています。
その中身も大掃除しました。
山ほど要らないデータが出てくる中、20年ほど前の大学時代にWindows版『Word 95』で作成したと思われる卒業論文がひょっこり顔を出します。
「いや一懐かしいなぁ。久しぶり見てみよう。」と、部屋掃除が全然進まないパターンに突入。
『MacBook Pro』からMicrosoft 365の『Word』にてファイルを開こうとするとエラーで開けません。
色々サードパーティ製のものを試しましたが、ダメでした。
お次は、「Adobe Illustrator」ファイルで作られたポートフォリオ。
作成当時はMac OS版の「8」か「CS」だったと思います。
お、これは開きそう。
しかし!その後いろいろとダイアログが出てきます。
「以前のバージョンのIllustratorで作成されたテキストが含まれています」
「ドキュメントで使用されているフォントは形式が異なります」
「新たなアートボードに変換されます」などなど。
「えええぇぇい!ぜんぶOKで開けえええ!」
黒崎検査官のごとく勢いよくファイルを開くと、一部でレイアウトが崩れたりフォントが置き換わったりで不完全な内容に。
もちろん私はデザイナーだったので、アウトライン化や配置画像場所など、そういったお作法は分かっています。
要は何が言いたいのかというと、フィジカルな写真アルバムとか紙資料であれば、当時と同じものをパッと見れるのに、パソコンのデータはそうはいかないということです。
「アナログ」の存在感、ここに極まる。
デジタルファイルの互換性については、プロフェッショナルな方であれば、解決方法が後からでも色々と見つかるのだと思います。
しかし、そういうテクニックが必要なものって、一般人で凡人で民間人な先生にとってはとても敷居高いわけです。
最近は、昔の音楽CDやゲームCD-ROMの読み取り面が、酸化し白濁したとか、読み取り機側のレンズが曇って使い物にならないなどの事例が多くSNSに上がっています。
つまり、デジタルデータって、記録保持を考えるとめちゃっちゃ弱いんじゃないかってことです。
例えば、
絵画…フランスのラスコー洞窟壁画は、推定で紀元前1万5,000年頃。
文書…シュメール遺跡から出土した粘土板は推定で紀元前3300年頃。
地図…バピロニア王国で粘土板に記された地図は紀元前600-500年頃。
書籍…ソフィア世界史博物館にあるエトルリア語の製本は紀元前500年頃。
印刷…奈良時代の陀羅尼経を収めた「百万塔陀羅尼」は西暦700年頃。
※諸説あります
記録分野の諸先輩方は推定でもこれだけの長い歴史があります。
パソコンの普及に伴い、80年代以降は、さまざまなものがデジタルに置き換わっています。
今から5,000年後とか1万年後、「Word」とか「Illustrator」などの電子データって果たして残っているんでしょうか?
西暦が終わって宇宙世紀になったころには、上記に紹介したような太古の記録は残っているのに、80年以降の記録は一切発見されない、なんてことになるかもしれません。
時代とともに蘇るウルトラセブン
今月9月29日(火)から、NHK BS4Kで、『ウルトラセブン』4Kリマスター版の放送がスタートします。
これは、当時のフィルムをデジタルスキャンし、4K・HDRでリマスターしたものです。
DVDやブルーレイなど、映像媒体の進化に合わせて、「ウルトラ」シリーズの過去作は、新たな命が吹き込まれてきました。
しかし、映像がフィルムではなくVTRで記録されている時期の作品だと同じようなことができません。
こうしたところからも、アナログの力強さを感じざるを得ません!(あばれる都市伝説風)
このブログも記事が溜まりに溜まったら、書籍化しておこうかな。
では、ごきげんよう。
思い出だけは色あせない。