・「Nikkei 225」の真の姿は「Nikkei 7」
・日経平均の20年上昇寄与銘柄一覧
・一部の優秀社員が支える会社組織
おはーん、ペーパー先生です。
連日、「日経平均がバブル後最高値」とメディアで報じられ、
3万円台回復も見えてきています。
米国株の後を追うように好調が伝えられる日本株。
本日はその実態をやわらか解説します。
「Nikkei 225」の真の姿は「Nikkei 7」
日経平均の昨年年間ベースは3,787円(16%)高。
2年連続で年間上昇し、値幅は13年以来7年ぶりの大きさでした。
要因として挙げられるのは、
・各国の金融・財政支援策による景気回復期待。
・コロナ禍でテック銘柄への資金流入。
・ワクチン実用化による経済正常化見通し。
この辺りになるかと思います。
東証は同年10月、システムトラブルで株式取引が終日売買停止という大失態がありました。
この話題が霞む程の上昇相場だったので、
ほっとされた関係者も多かったのではないでしょうか。
(帳消しにはぜんぜんなりませんが…)
ではここで本題。
本当に日本株は好調だったのか?
昨年28日付の日経電子版から興味深い記事を紹介します。
記事が書かれた直前、12月25日時点の日経平均年間上昇は2,999円。
では、個々の構成銘柄がどれだけその上昇に寄与したのか。
それをまとめた表が以下です。
【出典】7銘柄だけで上昇した今年の日経平均 7割はマイナス(日経電子版)
2020年12月28日 14:14 [有料会員限定]
寄与度の上位から額を足し上げていくとなんとたった7銘柄で3,026円、
つまり昨年25日時点の上昇幅2,999円を超えることが分かります。
構成225銘柄中、年初来プラスになっていたのはたった74銘柄。
つまり「バブル後最高値!」と盛り上がっている実態は7割近くの銘柄がマイナス。
この事実こそが日本経済の今なのだと言えます。
一部の優秀社員が支える会社組織
ごく一部が全体を支えるという構図。
何かに似てるなと思ったら、会社組織も同じですよね。
社員のパフォーマンスはバラバラです。
先生は日系IT企業勤務ですが、役職が上がれば上がるほど
その人に仕事が集中し、さらに忙しくなるという循環にあります。
部下を育てるマネジメント力が不足しているキーマンが多いことも要因の一つですが、
一部の優秀社員の頑張りが会社業績を支えていくという構図は、
多くの会社で同様なのではないでしょうか。
そしてこれは、先ほどの「Nikkei 7」の話にも通じます。
米国のS&P 500など優秀な株式インデックス運用に沿って考えると、
パフォーマンスの悪い社員を退職させ、パフォーマンスの高い社員を雇用する、
という上昇サイクルを作り出すことが定石になりますが、
日本企業はすぐに社員のクビを切れる雇用環境にありませんから難しい。
そうした根深さも含め、日経平均というインデックスが抱える課題とも通じるものがあります。
参考までにこちらもどうぞ。
では、ごきげんよう。
「日経平均」と「会社組織」が抱える課題の本質は同じ。