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スマホ消費からみる世界経済

スマホ消費からみる世界経済
この記事で分かること

・アプリ支出を押し上げる巣ごもり消費
・新しい生活様式は不可逆的
・スマホ内の米中対立

おはーん、ペーパー先生です。

緊急事態宣言の再発出で、おうち時間が増えた方も多いのではないでしょうか。

コロナ禍を代表する単語となった「巣ごもり消費」。

その消費の入り口として最も活用されているものの1つがスマートフォンです。

今日はスマホ消費からみる世界経済をやわらか解説します。

アプリ支出を押し上げる巣ごもり消費

米調査会社センサータワーさんが6日、20年の世界のアプリ支出額(暫定値)を公表しました。

世界の消費者のアプリへの支出

・アプリ内課金は16年比で約2.5倍の1109億ドル。
・ゲームカテゴリは7割強に相当する795億ドル。
・最も支出の多かったアプリは『PUBGモバイル』。
・ゲーム外では『TikTok』『YouTube』『Tinder』が上位。
・OS別では「App Store」が723億ドル、「Google Play」が386億ドル。
・ダウンロード回数は両OS合計で前年比24%増の1429億回。

【出典】世界のアプリ支出が11兆円を突破 20年は過去最高に(日経電子版)
2021年1月7日 7:43 [有料会員限定]

昨年、米エピック・ゲームズさんが手数料の引き下げを求めて

米アップルさんやアルファベットさんを提訴したことが話題になりました。

それぞれストアの手数料収入が3割入りますから、

巣ごもり消費の恩恵を両社はかなり受けていると言えます。

ゲームでは中国最大手のテンセントさんや同2位のネットイースさん、

また『原神(げんしん)』がヒット中のミホヨさんなど、中国企業の躍進が目立ちます。

ゲーム以外では、動画やデートなど、遠隔でのコミュニケーションで利用されるアプリが堅調なほか、

ネットフリックスさんに先行された動画配信市場において、

映画館から配信へのシフトを鮮明にした「ディズニー+(プラス)」や

「HBO Max」など老舗企業の新サービスが有料会員数で猛追しています。

ここからも、巣ごもり消費に後押しされる形で起きている業界の構造変化が垣間見えますね。

新型コロナウイルスによる行動制限は、ワクチン普及などで段階的に落ち着くと思われますが、

我々は新しい生活様式のメリットも享受したわけで、これは不可逆的と言えます。

投資家としてはこの部分を念頭に入れておく必要がありますね。

スマホ内の米中対立

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アプリストアは大企業だけではなく個人でも平等にグローバル配信が行えるということもあり、

スマホの中には国境なき空間が広がっている、と思われている方がいるかもしれませんが、

実はここでも分断は起きています。

そもそも中国国内では「Google Play」の利用ができません。

また「App Store」も他国・地域のIDからは利用ができないほか、

有料や課金があるアプリは当局のライセンスが必要になります。

先日、アップルさんが中国向けに配信されているゲームアプリを3万9千件削除した報道がありましたが、

こうした事情が関連しているわけです。

トランプ政権では、中国企業への警戒を強めてきた流れの中で、

昨年8月には中国製アプリの『TikTok』と『WeChat』を、

今月5日には『支付宝(アリペイ)』や『微信支付(ウィーチャットペイ)』などの計8つのアプリに関わる取引を

米国内で禁じる大統領令に署名したことも記憶に新しいです。

昨今、米国株式市場では中国人民解放軍と関連するとされる企業の上場廃止に向けた動きで騒がしいですが、

米中対立は株式市場だけではなく、より我々に身近なスマホの中でも起こっているわけです。

投資は自己責任でね。

では、ごきげんよう。

今日のまとめ

フィジカルでもデジタルでも分断。

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