・コインベース上場
・ティッカーシンボルの歴史
・1桁シンボルのいま
先日、米暗号資産取引所の最大手コインベース・グローバルさんがナスダック市場へ上場を果たしました。
時価総額は一時1000億ドル(約10兆9000億円)を超え、
ニューヨーク証券取引所(NYSE)を傘下に置くインターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)やナスダック、東京証券取引所などを上回りました。
暗号資産(仮想通貨)は、金融業界から個人投資家まで、実に色々な見方をされており、
特に中央銀行や先進国政府などからは無国籍であるが故、懐疑的な声が多いのも事実です。
そうした中でのコインベースさん上場は、暗号資産がある意味で金融市場から「市民権」を勝ち取った証として見られており、
だからからこその盛り上がりだったわけです。
さて、そんな歴史的な上場で注目したいのは同社のティッカーシンボル「COIN」です。
企業の業態を想起するのにこれ以上ない単語となっているわけですが、
今日はそもそもティッカーシンボルとは何なのかについてやわらか解説します。
ティッカーシンボルの歴史
ティッカーシンボルの歴史を振り返ってみましょう。
<ティッカーシンボル>
NYSEやナスダックといった米国の証券取引所で用いられているほか、カナダや欧州、アジアではタイ、シンガポール、インドネシアなど多くの取引所で使われている。これまでNYSEでは1桁から3桁、ナスダックでは4桁で統一されていた。その為ティッカーシンボルの桁数だけで上場先がどちらの市場か判別できたが、現在は両市場とも1桁から4桁までのシンボルが混用される。また、4桁のティッカーシンボルの企業が2種類の株式を上場しているような特殊な場合は、5桁のティッカーシンボルを使用する場合がある。
<由来>
1870年代から1970年代まで、リアルタイムの株価情報の取得にはストックティッカーという装置が使われた。取引時間中、ティッカーマシンは電信で株式市場からの情報を受信し続け、ティッカーテープと呼ばれる細長い紙テープに企業名と株価などを高速で印字していた。企業名はアルファベット数文字の省略名で印字され、これがティッカーシンボルである。なお「ティッカー」とは、印字中に装置が発する「カチカチ」という音の英語における擬音語 「tick」 に由来する。
その後、株価情報の送信にテレビやコンピュータが使用されるのが一般的となったことから、
1960年代にストックティッカーの使用は廃止されたわけですが、
21世紀を迎えた今でもティッカーシンボルに我々はお世話になっています。
さて、事前情報はここまでとして、最近こんな話題がありました。
機関投資家向けの暗号資産(仮想通貨)投資ファンドを運営する米グレイスケール・インベストメンツが、上場投資信託(ETF)を発行するクリアシェアーズ(ClearShares)の株式を取得した。クリアシェアーズは、同社が運営すETFの証券コード(ティッカー)を「PIFI」から「BTC」に変更したばかりだが、出資が「BTC」の権利購入の一部になっている可能性がある。
【出典】グレイスケール、ETF会社に出資──ティッカー「BTC」の取得が目当てか(コインデスクジャパン)
2021年 4月 18日 09:37 更新
ナスダックに上場する暗号資産取引所のコインベース(Coinbase)は、証券コード(ティッカー)を「COIN」と決めた。これを知ったブロックチェーン投資会社コインシリアム(Coinsilium)のマルコム・パレ会長は、驚きを露わにした。なぜなら同社の株は現在、「COIN」の証券コードでロンドンのアクイス・エクスチェンジ(Aquis Exchange、元NEX)で取り引きされているためだ。
【出典】人気の証券コード「COIN」を取得したのはコインベースだけではない(コインデスクジャパン)
2021年 4月 14日 06:30
こういう話を目にすると、ドットコムバブル以降のドメイン争奪戦を思い出しますね。
出資を広く募るのにあたって、会社とティッカーシンボルがすぐに結びつくことは重要です。
そういう意味で、世界最大の株式市場である米国のNYSEやナスダックのティッカーシンボルはかなり価値があると考えることができます。
さいごに
先ほど紹介したようにティッカーシンボルは1桁から4桁(例外で5桁)で構成されています。
つまり1桁も存在するんですね。
昔は大手老舗企業が使用する、ある種のブランドだったようですが、
現在はかなり入れ替わっており、空きも目立ちます。
逆に企業名と結びつきづらい、分かりずらいということも理由にありそうですよね。
A:アジレント・テクノロジー(分析機器)
B:バーンズ・グループ(航空宇宙)
C:シティグループ(金融)
D:ドミニオン・エナジー(電力・ガス)
E:エニ(石油・ガス)
F:フォード・モーター(自動車)
G:ジェンパクト(業務プロセス)
H:ハイアットホテルアンドリゾーツ(ホテル)
I:インテルサット・グローバル・ホールディングス(衛星サービス)
J:ジェイコブズ・エンジニアリング・グループ(技術サービス)
K:ケロッグ(シリアル食品)
L:ロウズ・コーポレーション(コングロマリット)
M:メーシーズ(百貨店)
N:空き
O:リアルティ・インカム(不動産)
P:空き
Q:空き
R:ライダー・システム(運輸・物流)
S:空き
T:AT&T(情報通信)
U:ユニティ・ソフトウェア(ソフトウェア)
V:ビザ(決済)
W:ウェイフェア(eコマース)
X:ユナイテッド・ステイツ・スチール(製鉄)
Y:アレゲーニー・コーポレーション(保険)
Z:ジロー・グループ(不動産)
なお日本の場合、証券コードは数字4桁で、廃止になったコードは再利用されず欠番となります。
1300番台 水産・農業
1500番台 鉱業
1600番台 鉱業(石油/ガス開発)
1700番台〜1900番台 建設
2000番台 食品
3000番台 繊維・紙
4000番台 化学・薬品
5000番台 資源・素材
6000番台 機械・電機
7000番台 自動車・輸送機
8000番台 金融・商業・不動産
9000番台 運輸・通信・電気・ガス・サービス
こちらの方が整理されていると言えばそうなんでしょうけど、
なんだか個性もないし、純粋につまらない感じしますよね。笑
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では、ごきげんよう。
学生時代、アーケードゲームでスコア入力する際の英数字3文字をすごく悩んだ。