・2020年の米国新規上場概況
・IPO(新規公開株)と新規上場の違い
・2021年に新規上場が期待される企業
おはーん、ペーパー先生です。
昨年は米国の新規上場が活況でしたね。
ブルームバーグさんによると、2020年に米国で実施されたIPOの調達資金は、
1,800億ドル(約18兆5500億円)程度となり、前年総額の2倍余りでした。
ITバブルで沸いた2000年の1,020億ドルを大きく上回っています。
民泊仲介大手のエアビーアンドビー(ABNB)さんや、食事宅配大手のドアダッシュ(DASH)さんなどを筆頭に、
IPOの資金調達額が10億ドル以上だったのは30社にも上ります。
また近年は、2019年に上場した音楽ストリーミングサービスのスポティファイ(SPOT)さんなどが選んだ
新株発行(資金調達)を伴わない直接上場の手法もトレンドとなっています。
今日は2021年に米国市場で新規上場が期待されている企業10選をやわらか紹介します。
IPO(新規公開株)と直接上場の違い
そもそもIPOと直接上場とは何でしょうか。
Initial Public Offeringの略。一般的には(新規)株式公開とも言われる。少数株主に限定されている未上場会社の株式を証券取引所(株式市場)に上場し、株主数を拡大させて、株式市場での売買を可能にする。新たに株券を発行して株式市場から資金を調達する「公募増資」や、以前から株主に保有されていた株式を市場に放出する「売出し」がある。上場した企業は株式市場からの資金調達が可能になり、会社の知名度の向上によって、優秀な人材の確保が可能になるなどのメリットがある。一方で、投資家保護の観点から定期的な企業情報の開示(ディスクロージャー)が義務付けられる。
【出典】証券用語解説集(野村証券)
上場時に新株を発行せず既存の株式だけを上場する手法。通常の新規株式公開(IPO)とは異なり、資金調達を伴わず新株を引き受ける銀行や証券会社などを利用しないため、引受手数料等のコストを大幅に削減できる。既存株主にとっては、持ち分の希薄化が回避でき、ロックアップ期間(一定期間、既存株主の株式売買ができない期間)がないためすぐに売買の機会を得られるメリットがある。一方で、流動性の低下や新たな資金を投資家から集めることができないデメリットがある。
【出典】証券用語解説集(野村証券)
新株発行やロックアップ期間の有無のほか、上場にかかるコストや企業価値の評価プロセスなどにも違いがあります。
なお、新規上場銘柄は直後の値動きが荒く、投資初心者にはオススメできません。
2019年にはオンライン会議ツールのズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)さんや
植物由来の人工肉製造・開発を行うビヨンドミート(BYND)さん、
企業向けコミュニケーションツールのスラック(WORK)さんなど、
注目企業が名を連ねました。
ビヨンドミート株は上場後に高値を付けた後、低迷している一方、
コロナ禍を経て、1年で株価を10倍近くまで上昇させたズーム株の躍進は記憶に新しいところですね。
しっかり目利きが出来ればメリットも夢もある、といったところです。
2021年に新規上場が期待される企業
では、2021年に米国市場で新規上場が期待されている企業10選を、関連記事とともに紹介していきます。
社名:AppLovin(アップラビン)
設立:2012年
業種:モバイルマーケティングプラットフォームの提供
本社:米国・パロアルト
参考:Playtika poised to lead rush of gaming IPOs in 2021, fueled by mobile binge during pandemic(CNBC)
社名:Bumble(バンブル)
設立:2014年
業種:マッチングアプリの提供
本社:米国・ウィルミントン
参考:マッチングアプリのBumbleが株式公開を申請(TechCrunch)
社名:Coinbase(コインベース)
設立:2012年
業種:米国最大の暗号通貨取引所運営
本社:米国・サンフランシスコ
参考:暗号資産取引所Coinbaseが直接上場(TechCrunch)
社名:Databricks(データブリックス)
設立:2013年
業種:AI及び機械学習向け統合データ・アナリティクス・プラットフォームの提供
本社:米国・サンフランシスコ
参考:What would Databricks be worth in a 2021 IPO?(TechCrunch)
社名:GitLab(ギットラボ)
設立:2011年
業種:開発コード共有・管理プラットフォーム
本社:米国・サンフランシスコ
参考:GitLab oversaw a $195 million secondary sale that values the company at $6 billion(TechCrunch)
社名:HashiCorp(ハシコープ)
設立:2012年
業種:マルチクラウドインフラ管理・運用サービス
本社:米国・サンフランシスコ
参考:インフラ構築自動化のHashiCorpが5500億円のバリュエーションで190億円を獲得(TechCrunch)
社名:Instacart(インスタカート)
設立:2012年
業種:ギグワーカーによる食料品の即日配達サービス
本社:米国・サンフランシスコ
参考:Instacart taps Goldman Sachs banker as CFO ahead of expected 2021 IPO(CNBC)
社名:Robinhood(ロビンフッド)
設立:2013年
業種:手数料無料の株式取引アプリ
本社:米国・メンローパーク
参考:渦中のロビンフッド、IPO急務か-取引制限巡り法務・規制コスト増(Bloomberg)
社名:Roblox Corporation(ロブロックス)
設立:2004年
業種:オンラインゲームプラットフォームおよびゲーム開発システムの提供。
本社:米国・サンマテオ
参考:ゲーミングプラットフォームのRobloxが約3.7兆円の評価額7倍で資金調達、直接上場に向けて準備(TechCrunch)
社名:UiPath(ユーアイパス)
設立:2005年
業種:ロボティクス・プロセス・オートメーション(RPA)による業務自動化。
本社:米国・ニューヨーク
参考:業務自動化のUiPathが約790億円調達、IPOもまもなく(TechCrunch)
先生の投資ポリシーである「”eコマース・SNS・金融・ゲーム・広告”のうち3つ以上を事業の柱として持つテック銘柄」の観点から、
近い範囲のものを抽出しましたが、皆さん気になる企業はありましたでしょうか?
こうした新規上場期待の銘柄をチェックしていくと、世の中のトレンドを読み解いていくことにも繋がります。
市場を見る目を養う意味では普段から情報を拾っていくと勉強になりますよ。
投資は自己責任でね。
では、ごきげんよう。
上場は、未来を覗く、望遠鏡。(先生 心の俳句🧻)