・4つの相場サイクル相場
・3つの指数を振り返る
・適切な投資額の見直し
おはーん、ペーパー先生です。
金融緩和の終了、サプライチェーン問題、原油高、半導体不足、米中対立。
挙げるとキリがありませんが、年明けの相場を見ていると、
2020年3月のコロナショックを乗り越えて続いた世界的な株高の流れが収束し、
いよいよ次のステージに入った印象があります。
このブログの内容はラジオでも解説しています。
相場には大きく4つのサイクルがあるとされ、
それが「①金融相場」「②業績相場」「③逆金融相場」「④逆業績相場」です。
【①金融相場】
金余りを背景に上げる相場のこと。不景気で企業業績が悪化すると株価は下がる。政府は景気と株価を刺激するために景気対策等を講じ、中央銀行は政策金利を下げるなどの金融緩和を行う。それにより市中に流通する資金量を増やして金余り状態を作る。金余りの資金は、貸し出しとなって設備投資に回るか、余剰資金として株式市場に流れ込むことにより「不景気の株高」を生み出す。株価指標であるPERやPBRが割高であっても買われることが多い。
【②業績相場】
景気や企業業績の上昇によって買われる相場のこと。「金融相場」の次のサイクルでは、金融緩和の効果で企業業績が回復しはじめる。マクロ要因よりも個別銘柄の業績等のミクロ要因を背景に株価が上昇することが多く、「金融相場」で割高だった株価指標も企業業績の回復によって割高感が薄れていく。買われるセクターや銘柄は、業績が景気拡大でメリットを受ける企業などが中心となる。
【③逆金融相場】
「業績相場」が拡大したことで金融引き締めのサイクルが来ること。政府や中央銀行は、景気が拡大しすぎてインフレになることを抑制し、物価を安定させることが大事な役割の一つ。そのため、景気拡大時は金融引き締めによって金利が高めに設定される。金利上昇により、投資家の資金は株式市場から債券など固定金利の金融商品に流れるのが一般的なため、株価は下降方向に調整をしはじめる。
【④逆業績相場】
金融引き締めにより景気が下降し、企業業績が悪化して株価が下がるサイクルの後半のこと。その後、企業は業績が悪いことから資金需要がさらに落ち、金利も下がる。資金需要はすぐには回復しないため、資金が株など金融商品に入ってくることで株価は上昇に転じていき「金融相場」へとつながる。
【出典】「金融相場」「業績相場」「逆金融相場」「逆業績相場」って ? 4つの相場サイクルの連動と投資手法(大和ネクスト銀行)
2020年10月30日
このように①〜④を循環していくわけですが、その間隔は時代により様々です。
ポイントは相場が変わる転換期が何をきっかけに起こるのかということ。
それが中央銀行の金融政策です。
FRB(米連邦準備理事会)やECB(欧州中央銀行)など、
主要地域の金融政策に注目が集まるのはそのためで、
特に現在はテーパリングを皮切りに「①金融相場」から
「②業績相場」へ移行する間にあるため尚更です。
さてそんな中、2022年の株式相場はスタートをしました。
つみたてNISAなどを通じて運用される投資信託の
人気商品で使われている3つの指標に以下があります。
🌏全世界株式
指数:MSCI ACWI Index
対象:先進国・新興国の大型、中型株およそ2300銘柄
投信:『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』など
🇺🇸全米株式
指数:CRSP US Total Market Index
対象:米国の大型、中型、小型株およそ4000銘柄
投信:『楽天・全米株式インデックス・ファンド』など
🇺🇸米国株式
指数:S&P 500
対象:米国の大型株およそ500銘柄
投信:『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』など
それぞれ、1月15日時点での過去5年、1年、
年初来パフォーマンスを見てみましょう。
🌏MSCI ACWI Index
過去5年:+72.71%
過去1年:+13.34%
年初来:-1.76%
🇺🇸CRSP US Total Market Index
過去5年:+101.27%
過去1年:+19.22%
年初来:-3.32%
🇺🇸S&P 500
過去5年:+105.29%
過去1年:+23.74%
年初来:-2.79%
過去の上昇率がACWIよりもアメリカ株式がアウトパフォームしています。
良くも悪くもアメリカ企業が株式市場を牽引しているということです。
先ほど紹介した金融政策の中心地もアメリカとなります。
今年に入ってからの下落率が最も大きいのが全米株式であることも見ても、
かなり神経質な展開で今年のスタートを切ったことがよく分かります。
この1、2年で投資を始められた方からすると、
自身の金融資産がわずか2週間で2%も3%も下げるなんて信じたくない!
と思われているかも知れません。
もし、不安で気になって頭から離れない、という場合は
今一度、その投資に無理がないか、改めて考えてみるのをオススメします。
長く株式投資をしている経験者であれば、このぐらいの動きは
小波(ざさなみ)でしかないことを体感で分かっていますから、
気にしている人はほとんどいないと思います。
どんな値動きになっても気にしない。
そのぐらいの額から投資を始めていくというのが長期投資の基本です。
その点で、つみたてNISAという制度は、
対象となっている商品も優れているし、
年間40万円で20年間非課税という、期間とベネフィットのバランスも素晴らしい。
この枠を、日常で心配などをすることなく、使い切る。
そこが投資家のファーストステップになるでしょう。
では、ごきげんよう。
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投資における『冷静と情熱のあいだ』を探そう。