かせぐ

仕事も投資も、自分の力を過信してはダメ。

仕事も投資も、自分の力を過信してはダメ。
この記事で分かること

・成功が生み出す罠
・資本主義社会の本質
・身の丈に合った生き方

ごきげんよう、ペーパー先生です。

趣味でも仕事でも投資でも、

成功があれば失敗もあります。

我々は数多ある失敗の中から、一握りの成功を掴むわけですが、

一方で、一度成功をすると、その効果はしばらくの間持続したりもします。

株価が最高値をつけた後に、とんとん拍子で駆け上がっていくのとも近い感覚ですね。

しかし、調子が良い時こそ、奢ってはいけない。

自分の力を過信してはいけない。

わがままになってしまってはいけない。

そんな風にぼくは思います。

先日、YouTubeチャンネル「日経テレ東大学」の中で、

スポーツブランド「アンダーアーマー」の日本総代理店、

ドーム創業者で代表取締役CEO 安田秀一さん(やすだ・しゅういち)さんの

インタビュー動画がアップされていましたので紹介します。

創業26年で、売上高337億円、純利益11億円に成長。

赤字は2019年の1度だけで、コロナ禍以降においてはすべて黒字着地。

スポーツビジネス界の風雲児とも言える安田さんですが、

4月に伊藤忠商事がドーム発行済み株式の過半数を取得することに合意し、

近日中に安田さんは経営の一線から離れることになっています。

プレスリリース

伊藤忠商事株式会社は、米国大手スポーツ用品ブランド「アンダーアーマー」の日本総代理店である株式会社ドームの発行済み株式の過半数を取得することに合意し、契約を締結しました。今後は、既存株主であるUnder Armour, Inc.と伊藤忠商事の2社でドームの経営を行います。

【出典】米国「アンダーアーマー」の日本総代理店 株式会社ドームの株式取得について(伊藤忠商事)
2022年4月5日

インタビュー動画の中で安田さんは、

辞める決断に至った理由や、資本主義社会の本質まで、実に幅広く話をされています。

唯一赤字を計上をすることになった2019年のことについて、抜粋して紹介します。

赤字になる原因ってあるわけですよね。資本主義の荒馬を僕は乗りこなせなかった。何かって言うと需要と供給のところで、僕らみたいなスポーツブランドのブランドビジネスってマーケティングフィーを払ってガンガン売っていくわけですけど。例えば良い選手と契約するとか、うちだったら読売巨人軍と契約させてもらうとか。そういうところでバンバンお金を使って、人々の認知度を上げて、エキサイティングな空間を作っていくんですけど、どっかで需要の天井が来るわけですよね。この天井をとにかく上に上に持っていくことがマーケティング活動だったりしてて。

そういう活動の1個が僕の中では国立競技場を正常化するとかね。それが何かっていうと、あれが1,000億円安くなることによって、1,000億円をスポーツ振興に使えるから我々の市場がデカくなるっていう、そういう発想でやってたんですけど。ある時、天井いってんのに気づかなくて、まだそこでも石炭をバンバン焼べてっちゃったんですよね。(マーケティングフィーを)どんどん払ったりとか、商材の供給ですよね。

我々、実態ビジネスやってるんで。例えば来年の売上を10%増やそうと思ったら、商品は15%くらい多めに作らないといけない。そうすると商品を作るとしたら糸から発注するから1年以上前から発注するわけですよ。それで需要が天井ついてるのに、結局ものは買っちゃってるから、もう作らざるを得なくなる。そうするとここでオーバーシュートしちゃって、この部分ってのが翌年に響くんですよね。これで一瞬赤字になる。

何でこうなっちゃったのかっていうところなんですよ。これはやっぱり自分の驕りとかね、そこに資本主義の荒馬の怖さみたいなものがあって、じゃあ自分がまだまだいけるって言ってただけかっていうと全然そうじゃなくて、やっぱり自分がすごいイケてる感じがしちゃう。すげー威張ってたし、あとマイバッハとか乗っちゃってたし。僕もアメリカのアンダーアーマーと一緒にやってきたもんだから、やっぱりアメリカの資本主義協奏曲みたいな中にいた。

プライベートジェットに乗りてーなとか。(アメリカの会長のプライベートジェットに)何十回も乗ったことがあるけど、そういうのに乗っていると、僕も乗りてーなと。いつも僕は飛行機乗るのはプライベートジェットでしたよ。アメリカに行くのはコマーシャルジェットだけど、アメリカ行った後に一緒に中国行ったりとか香港行ったりとか、いろいろ世界中回ったんですけど。東京から大阪行くのも彼のプライベートジェットで行ったりもしてたけど。そうすると結局、家族で沖縄に旅行に行こうとした時に、羽田空港で並ぶのが超嫌になったりするんですよ。すいません、本当に(笑)

【出典】起業家の闇:資本主義の本質とは?/社長も会社辞めたくなる(日経テレ東大学)

安田さんは、資本主義社会を

「荒馬のお尻をバンバン叩きながら乗りこなすもの」

と形容されていました。

まさに、それに飲み込まれてしまったことを、このように回顧されているんですよね。

実際に成功された人の言葉はなかなか重いですね。

成功も大きくなっていけばいくほど、そこでの失敗も大きくなる。

失敗をした際の自分に驕りや勘違いがあると、軌道修正が難しくなる。

そんな教えのように受け取りました。

人間って本質的には誤った方向に流れていく生き物なんだと思いますね。

ぼくはIT企業勤務の会社員をしています。

かつての仕事で成功した時には、周囲に対して失礼な態度を取っていた時もありました。

成功体験が一種の興奮剤のようなものになり、

「多少の失礼があっても成果で返せば良いでしょ」

という結果至上主義のような、もう人としてはサイテーな感じに転がってしまうんですね。

安田さんほどではないにしても、お金使いも相当荒かった時期もありました。

2014年の貯蓄率がまさかの0%!というのはまさにその典型です。

もちろん投資でも同じことが言えます。

2017年末の暗号資産バブル崩壊に巻き込まれたのも自分に驕りがあったからだし、

ハイパーグロース個別株で金融資産をガンガン伸ばしていった2021年半ばまでは、

何を買っても値上がりしていた時期なのに、

自分の目利きがめちゃくちゃ優れていたと、とんだ勘違いをしていました。

そういう反動もあって、

いまは貯蓄率6割、キャリーケース1つでホテル暮らし、

質素倹約のミニマリストとして生きるようになったのかもしれません。

どれだけ大きな成功をしても、どれだけ多くのお金を手に入れても、

常に冷静で、驕りがなく、身の丈に合った生活をしていきたい。

そんなことを改めて思います。

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悔いのないようにいきましょう。

では、ごきげんよう。

今日のまとめ

勢いがある時こそ、冷静に立ち止まって、周囲を見渡そう。

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