・みんな大好きオルカン
・そこそこをキープする
・相棒に誰を据えるか
ごきげんよう、ぺいぱです。
皆さんの資産形成は順調に進んでいますでしょうか?年初からの株式相場はかなり堅調に推移していますから、ここまで金融投資のために倹約生活をされていた方や積極的にリスクを取りに行かれた方、おめでとうございます。
このブログの内容は動画でも解説しています。
まぁ、一寸先は闇です。どんなに順調なときでもその次の瞬間転ぶことはあります。全世界株式や米国株式のインデックスで運用されている方は、FRB(米連邦準備制度理事会)によるQT(量的引き締め)開始でリスクオフムードが急速に広がった2022年の逆風が記憶に新しいところですよね。
さて、ぺいぱ自身の過去を振り返りますと2021年6月に、保有していた海外の個別株を全売却して『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』に一本化をしました。この当時はS&P500を始めとする主要インデックスへの投資はある種の流行りでもありました。
個別株を扱っていると四半期ごとの業績チェックのほか、適宜発信されるプレスリリースなどのチェックが必要です。また、国内外、個別株・ETF、複数の法定通貨と、持っている資産の形がバラバラになりがちで何かと管理が面倒という側面もあります。
そんな理由からぼくはオルカンに一本化したんですね。オルカンは世界およそ2,800の企業に投資をするいわば詰め合わせパック。時価総額加重平均という仕組みにより、時価総額が大きな企業の割合は大きく、小さな企業の割合は小さく、自動で組み替えてくれるというものです。
現在6割ほどが米国株になっていますが、日本の好調が続けば日本株の割合が増えますし、インドが伸びてくればこちらの割合が増える。そんな風に保有者が思考停止していたとしも世界経済の成長果実を受け取れるというわけです。
2021年当時はS&P500やVTI(全米株式)など米国株式人気が高かった気もしますが、新NISAの開始にあたってはオルカンに資金が集中しています。
これはNISA制度が「期限付き」から「無期限」に改良となったことが要因の一つであり、若い世代を中心に今後30年・40年後の出口を見据えた上での優劣逆転なのでしょう。
いづれにしてもオルカンは全世界に広く薄く張っていこうという商品です。米国最強時代には米国株インデックスには勝てませんし、インド覇権国家時代が到来した場合はインド株インデックスには勝てません。
こちらは2006年から2020年まで各資産の年間リターンを高い順に並べ替えたものです。この中には株式以外にも債券やリートも含まれていますが、注目すべきはその年のトップの座が毎年変わっているということ。
目利きして毎年トップを当てることができるスキルの持ち主以外は、広めに分散させて常に一定の位置をキープしておくことが懸命であるとお分かりいただけるのではないでしょうか。
つまりオルカンを選ぶということは「No.1は目指さず常にそこそこを目指す」。そんな商品なわけですね。
オルカンについてもう少し詳しく知りたいという方はこちらの回「3,000万円分のオルカン(全世界株式)を運用して感じる6つのこと」でも紹介をしています。すでにオルカンを保有されている方だけでなく、これから保有を始めようとしている方にも参考になる内容となっていますので、ぜひこちらもご覧ください。
さて今回はそんなオルカンについて、ぺいぱが2021年6月から現在まで保有を続けてきた振り返りをしていこうと思います。利回りはどうだったのか?積立額や含み益はどうだったのか?毎月どの程度の買い付けをしていたのか?
色々な切り口からこの2年9ヶ月を総まとめしていきますので、最後までお楽しみください。
2021年のオルカン
ではまず、ぼくのオルカン保有初年度となった2021年から見ていきましょう。数字は四捨五入しています。
この年の6月は個別株の売却から始まりました。その集まった資金を使って2,500万円分のオルカンを買い付けたのが中旬。つまり6月末時点でオルカン一本化が完了したというわけです。
06月末時点 2,516万円
12月末時点 2,946万円
–
オルカン増加額 +430万円
そのうち積立額 ▲180万円
–
増減した評価額 +250万円
(年間利回り+9.94%)
6月に2,500万円を一括投資して以降、翌7月から2023年12月末まで毎月30万円ずつオルカンを積立購入し続けてきました。「オルカン増加額」というのは6月末時点と12月末時点の評価額の差、「そのうち積立額」というのはその評価額のうち積立投資で購入している額を示しています。それを差し引いたのが「増減した評価額」で、こちらが純粋なオルカン投資の結果となります。
初年度は途中からのエントリーとなりましたが、それでも利回りとしては+9.94%。金額では+250万円でしたからなかなか順調なスタートを切ったと言えるのではないでしょうか。
なお、ぼくがオルカン保有までに所有していた個別株というのはいわゆるハイパーグロース株でした。米国だけではなく中国、東南アジアのIT銘柄でして、年末まではこちらも空前の金融緩和相場に乗っかり好調をキープしていたんですね。
そういう点では、7月以降から年末にかけてはオルカン投資における「退屈さ」「つまらなさ」「爆発力の無さ」を実感することになるわけですが、そんな気持ちを吹き飛ばすような出来事が2022年に控えているとはつゆ知らず…。
2022年のオルカン
オルカン一本化で初めての新年を迎え、まさにここからが第一歩だと望んだ2022年。株式市場はとんでもない逆風に見舞われます。そう、冒頭でも触れたFRBによるQTでリスクオフムードが広がりお金が株式市場から逃げるように引いていったわけです。その結果がこちらです。
<2022年の保有オルカン概況>
21年末時点 2,947万円
22年末時点 3,132万円
–
オルカン増加額 +185万円
そのうち積立額 ▲364万円
–
増減した評価額 ▲179万円
(年間利回り▲6.06%)
年間を通じてオルカン買い付けを一般口座+つみたてNISA口座の組み合わせで毎月30万円(+ボーナス月に4万円)行ってきましたが、評価額は大きくマイナスに沈みました。2022年は当時の流行だったレバナス保有者の阿鼻叫喚を多く目にしたわけですが、オルカンも人事ではなかったわけです。
なお、オルカンと同じ指数で運用されるACWI ETFは年間騰落率が▲19.75%でした。なぜここまで差があるのかというとそれは急激な円安です。円安になれば外貨建て資産であるオルカンの評価額にはプラスに働くからですね。
詳しくはこちらの回「1ドル130円台も視野に!?円安まるごと解説」でも紹介しています。そもそも円安とは何か?円高・円安のメリット・デメリットは何か?を分かりやすく解説していますのでぜひご覧ください。
ぼくがオルカン前に保有していた個別株はというと、ハイパーグロース株だったこともあり、全ての銘柄で▲50%、▲80%なんて有り様でした。そのためオルカンという株式商品の中では比較的ディフェンス力の高い商品への切り替えが功を奏することになったわけです。
また、積立投資の強みというのは下落相場でも安値でコツコツ拾い続けることで平均取得単価を下げることです。投資信託の場合、保有口数をどれだけかき集められるかのゲームでもありますから、下落し続ける中でも買いの手を緩めなかったことが、2023年に花開くことになります。
インデックス投資において特に重要なのは、米国株か全世界株かとか、毎月の積立額を5万円にするか10万円にするか、などで頭を悩ませることではなく、コツコツ買い続ける、買った商品を握り続けることなんですね。
2023年のオルカン
下落し続ける冬の時代を乗り越えてようやく2023年が始まりました。人はジャンプする前に一度大きく沈み込みますが、まさにそんな流れを目の当たりにすることになります。利下げ期待も高まる中で株式市場にお金と活気が戻ってきたからです。
22年末時点 3,132万円
23年末時点 4,472万円
–
オルカン増加額 +1,340万円
そのうち積立額 ▲364万円
–
増減した評価額 +976万円
(年間利回り+31.16%)
年間で1,000万円近くも評価額が増加しました。株式市場も8月から10月にかけては軟調でしたが、それを除けばほぼ右肩上がりで推移しましたから、苦しい2022年を何とか凌ぎ切った方々へのご褒美といった感じもありましたね。
株式市場だけではなく為替市場においてもドル円が年初の127円台から11月には150円台に乗せるなど今に続く円安の流れを作っていきましたから、オルカンの評価額を上げるための「株高・円安」というコンボがガッツリ決まったというわけです。
まぁ為替なんてものは水もの。今後円高に触れていくことだって十二分に考えられますからあまりここでは一喜一憂をしないことです。結局のところ長期投資というのは良い時も悪い時も含めて年利回り+4%〜5%程度をイメージしておくのが一番ちょうど良いでしょう。
この年も毎月30万円の積立購入をやり続けましたが、2024年からスタートする新NISAでは年初に360万円の枠を使い切る一括投資に変更をする予定ですので、2年間続けた月30万円投資はこれにて終了ということになります。
2024年のオルカン
今年は始まったばかりですので2ヶ月分の数字になりますが、エヌビディアの業績が驚くべき伸長をしておりAI旋風とでも言いましょうか。株式市場はS&P500も日経平均もACWIも、各種指数で過去最高値を更新するなど活況です。
<2024年の保有オルカン概況>
23年末時点 4,472万円
02月末時点 4,965万円
–
増減した評価額 +493万円
(年間利回り+11.07%)
先ほども触れましたが、今年からは年初に新NISAの成長投資枠240万円、積立投資枠118万円(残りは毎月積立)でオルカンを一括購入しています。なお、一般口座で保有しているオルカン360万円分を解約した原資で再度買い付けているため「オルカン増加額」「そのうち積立額」の項目はありません。
新NISA枠を埋めるまで残り4回、このアプローチで一般口座から新NISA口座へオルカンを置き換えていきたいと思います。売却益への課税がもったいない気もするのですが、ぼくはまだ20年以上運用が続きます。それを踏まえると最速で新NISAへ置き換えていくのがベストだと判断したわけです。
なお先日3月6日時点で保有オルカン評価額がついに5,000万円を突破しました。こちらの回「保有オルカン(全世界株式)が5,000万円に到達:ぺいぱが迎えた6つの節目」でも取り上げていますので、よろしければご覧ください。
おしらせ
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さいごに
今回は「ぺいぱのオルカン(全世界株式)投資 2年9ヶ月を振り返る」をテーマに話を進めてきましたがいかがだったでしょうか?まとめるとこのような結果となります。
21年06月末時点 2,516万円
24年02月末時点 4,965万円
–
オルカン増加額 +2,449万円
そのうち積立額 ▲906万円
–
増減した評価額 +1,543万円
(通算利回り+61.3%)
年別の利回りを見ていくとこうなります。
2021年 +9.94%
2022年 ▲6.06%
2023年 +31.16%
2024年 +11.07%
–
年平均 +11.53%
※21年は6月末以降
※24年は2月末時点
先ほども触れましたが、ぼくは大体+4〜5%程度の年間利回りをイメージしています。インフレが年2%で続くと想定し、それを少しでも上回れば良いと考えているわけです。つまり年平均+11.53%というのは上出来なんですよね。
さて、個別株時代とオルカン時代とを比べると何が一番違うか、それは圧倒的に手間がかからないこと。これに尽きますね。新NISAの買い付け設定をした際に、あまりに久しぶりすぎて取引パスワードを忘れてしまうという失態をしてしまったことが全てを表しています。そのぐらい放置で良いわけです。
ぼくは40代中盤。健康に生活をしていければこれから20年から30年はオルカン保有を続けていくことになります。株式投資に複利効果があるように、この手間のなさで生まれた時間も積み重ねていけば膨大になっていきます。
資産形成というのはある意味で仕組み作りです。お金がお金を呼び込んでいく型を如何にして早い段階から構築することができるか。1900~2017年における全世界株式の年平均リターンは5.2%ですからつまり、
3,000万円あれば年156万円
5,000万円あれば年260万円
7,000万円あれば年364万円
1億円あれば年520万円
これだけのお金を生み出すということです。最初は会社勤務などを通じて自らの手で原資を稼ぎ出していく必要がありますが、徐々にその労力を減少させていき、その分をお金に働いてもらう。こういう設計こそが資産形成なのです。
自分の相棒としてどんな金融商品が相応しいのか。それが株式の人もいれば債券の人もいるでしょう。中には不動産や暗号資産という方もいるかもしれません。何を相棒に据えて将来を迎えるか。ぼくはその選択にオルカンを選んだというわけです。
今のところは順調です。ただ、この先どうなるかは誰にも分かりません。年間で▲30%、▲50%の大暴落が来る可能性だってあるでしょう。それでも年利回り+4〜5%程度を達成してくれるであろうという明確なイメージを持ってぼくはこれからもオルカン保有を続けます。
人生はノーコンティニュー!悔いのないようにやっていきましょう。
では、ごきげんよう
順調な時ほど不安が襲う。