・単利と複利の違い
・元本が2倍になるまでの年数計算
・日本人の半数以上は複利を知らない
おはーん、ぺいぱです。
このブログの内容は動画でも解説しています。
“Compound interest is man’s greatest invention. He who understands it, earns it. He who doesn’t pays it.”
(「複利は人類による最大の発明だ。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う。」)
これ、誰が残したメッセージか分かりますか?
金融業界に身を置いている投資家だと思ってしまいそうですが、
実は相対性理論を発見したアルバート・アインシュタイン博士の言葉です。
なぜ天才物理学者の彼がこのような発言をしたのか。
資本主義社会の急成長を目の当たりにし、
その原動力となった象徴として挙げたのではないかと言われていますが、
ハッキリとした事実は分かりません。
なお、複利の力が遥か昔から人類に理解されていたことは以下からも明らかです。
物理学者アインシュタイン氏は人類最大の発明として「複利」を挙げました。そんな力を持つ利子は宗教でも制限があります。
・イスラム教は建前として禁止。
・ユダヤ教は同胞に限って禁止。
・キリスト教は中世末期まで禁止。共産主義が衰退し資本主義が繁栄したのも複利の差と言えるかもしれません https://t.co/ki81Ep12pr
— ペーパー先生@ホテル暮らし投資家 (@papercapinfo) December 30, 2020
複利は何も資産形成だけに限りません。
仕事でも人生でも何にでも応用ができます。
今日は大事にしたい「複利思考」についてやわらか解説します。
単利と複利の違い
まず、複利について学ぶ前に、利息について紹介をしましょう。
お金の貸し借りに対して払う・払われる対価のことを指す。利子とも言う。
利息の計算方法は2つあります。それが単利と複利です。
元本だけに利子がつくこと。
<計算式>
n年後の金額=投資元本×(1+1年当たりの受取利息×n)
複利とは
元本と運用でついた前の利子とを合わせた金額に対して利子がつくこと。
<計算式>
n年後の金額=投資元本×(1+年利)n乗
計算式を出すと複雑に感じてしまうかもしれませんが、
端的に言うと、複利というのは、雪玉を転がしていくと大きな雪だるまになるように、
元本そのものが大きくなっていくことを言うんですね。
どのぐらいの差が出るのか?
グラフを見てもらう方が早いですね。
100万円の元本を5%の利回りで30年間運用した場合の単利・複利の差が以下です。
ご覧のように、単利は毎年5万円を足していくだけなのに対し、
複利は元本に利息を加えて掛け算をしていくため、期間が長ければ長いほど
乖離していくのがよく分かります。
元本が2倍になるまでの年数計算
先ほどの金利計算が難しいという方に向けて、より簡単な「元本が2倍になるまでの年数計算」を紹介します。
■100の法則
<計算式>
100÷金利
<例>
100万円を金利3%で運用していると、2倍になるまでは「100÷3=33.3」となり、つまりおよそ33年強かかる。
■72の法則
<計算式>
72÷金利
<例>
100万円を金利3%で運用していると、2倍になるまでは「72÷3=24」となり、つまり24年かかる。
単利と複利で比較すると、なんとおよそ10年の開きが出てくるわけです。
複利効果、恐るべしですね。
金融商品の事例
具体的に金融商品ではどのようなものが単利と複利にあたるのかを紹介します。
<定期預金>
・元金自動継続(単利)
・元利自動継続(複利)
<投資信託>
・毎月分配金受取(単利)
・分配金再投資(複利)
投資信託の場合、毎月分配金が出る商品というのは、お得感もあって手を出しがちになるのですが、
ここまでの話を見ていただければ分かる通り、将来の成長原資を取り崩しているだけなので、
長期で運用していく場合には、言うまでもなく分配金再投資の方が良いわけです。
日本人は半数以上が複利を知らない
以前にこのようなツイートをしました。
「金融リテラシー調査」(19年)で日本は30地域中22位。
日本が特に低い正解率だった設問:
・インフレ 62%
・複利 44%
・分散投資 47%上位地域の正解率は70%以上。たぱぞうさんを始めとする資産運用ブロガーの知識が広がり、日本の金融リテラシーが早く底上げされてほしいと強く思う今日この頃です
— ペーパー先生@ホテル暮らし投資家 (@papercapinfo) January 29, 2021
金融庁が2019年に実施した金融リテラシー調査での複利に関する正解率は44%でした。
では、実際の問題を見てみましょう。
Q:100万円を年率2%の利息がつく預金口座に預け入れました。それ以外、この口座への入金や出金がなかった場合、5年後には口座の残高はいくらになっているでしょうか。利息にかかる税金は考慮しないでご回答ください。(1つだけ)
①110万円より多い
②ちょうど110 万円
③110万円より少ない
④上記の条件だけでは答えられない
⑤わからない
さぁ、皆さんお分かりになりましたでしょうか?
単利の場合だと2万円を5年分、足し算すればよいので「②ちょうど110万円」になりますが、
今回は複利を求める設問ですので「①110万円より多い」が正解ですね。
設問の仕方が異なるとはいえ、米国は同様の設問で正解率が75%だったことを考えると
日本人には馴染みが薄い考え方であることが分かります。
「複利思考」を持とう!
ここまでは、資産形成に必要なお金についての複利効果を学んできました。
ではこの考え方が仕事や人生などにどう活きるのかという話に移りましょう。
以前、このブログではこんな話題をお届けしました。
ゲーム「ドラゴンクエスト」(ドラクエ)シリーズを例えに、
複数のスキルを組み合わせた方が、人としての価値が高まるよ、という内容でした。
人は仕事でもプライベートでも、様々な経験をしていきます。
会社を変える人もいれば、職種を変える人もいらっしゃいます。
そして趣味でも資格でも、あらゆるものに挑戦を繰り返していきますね。
結婚して家庭を持って、お子さまが生まれる。
中には離婚して新しい道を歩まれる人もいるでしょう。
こういう一期一会というのは、全部が複利なんですね。
記憶を失わない限り、人生というのは複利効果の上に成り立っているわけです。
重要なのは、この「複利思考」とも言うべきロジックを意識して生活をしているかどうか。
この思考さえ持っていれば、失敗も成功もやることすべてに複利が働いていて、
まったく一つも無駄になっていないんだ、という姿勢が得れます。
「上手くいかないなぁ」と落ち込んでいる方は、
ぜひ「複利思考」のスイッチを入れていただければ幸いです。
資産運用も良い時があれば悪い時もあります。
それでも複利は働き続けるわけです。
では、ごきげんよう。
複利は意識するところから始まる。