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金融資産3,000万円までに立ちはだかる5つの壁

金融資産3,000万円までに立ちはだかる5つの壁
この記事で分かること

・お金を増やす難易度
・壁との向き合い方
・経験談を聞く大切さ

ごきげんよう、ぺいぱです。

ぼくは2020年末に金融資産3,000万円を突破しました。お金を増やす行為というのは加速するものです。

<💰金融資産推移>
 2017年末:1,717万円
 2018年末:1,561万円
 2019年末:1,857万円
 2020年末:3,103万円
 2021年末:3,959万円

実際にぼくの金融資産推移はこのようになっており、2017年からの2年間ほぼ横ばいだったものが、2020年以降は増え方が加速していることが分かります。

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そして一般的にも、1万円から10万円より100万円から1,000万円、100万円から1,000万円より1,000万円から3,000万円の方が楽。つまり金額が大きくなればなるほど難易度が下がるということが言われます。これには2つ理由があります。

1つ目は複利効果です。

複利とは

たとえば、元金(もともとのお金)が100万円あり、この100万円を金利2%(年利)で1年間預金したとすると、1年後には102万円になります。この場合、2万円は元金に対してついた利子です。この2万円も含めて(つまり102万円を)再び金利2%で1年間預けると、1年後には104万円となるのではなく、104万400円となります。この400円は、利子である2万円についた利子です。このように、利子にもまた利子がつくことを「複利」と言います。

【出典】複利とは(知るぽると)

株式投資が有効とされる理由もここにあります。ゴールドなどのコモディティは、保有しているだけで新たな価値を生むことはありませんが、株式には配当があるからです。

ぼくは『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』にコア投資していますが、このオルカンも保有しているだけで年間2%ほどの配当が再投資されています。

先程の例にある通り100万円で年利2%だと2万円ですが、1億円の場合は200万円になります。このように原資が大きくなればなるほど、配当再投資効果も指数関数的に大きくなります。

2つ目は生活習慣です。

資産形成の方程式として(収入 - 支出) + (資産 × 運用利回り)が挙げられます。労働や副業などで収入を目一杯引き揚げ、支出を最小限に絞り込み、その差額を大きくしていくことで貯蓄率を高める。そして余剰資金を投資に回し続ける。これが金融資産額に直結します。

例えばぼくの場合はこのような形です。

「💪かせぐ」
労働収入と不動産収入による2つの収入源を持っています。

「🐷ためる」
2014年の貯蓄率ゼロから2020年には6割まで上昇させました。

「🛍つかう」
金融投資は毎月30万円オルカン積立、自己投資は健康促進に。

こうした取り組みは一度軌道に乗せることができれば、継続することはさほど難しくありません。そして続けていくほど洗練されていきます。無駄な支出はより抑えられ、稼ぐ仕組みも層が厚くなる。つまりこれらを習慣化させることができるかどうかが肝というわけです。

紹介した「複利効果」と「生活習慣」の掛け算によって、金融資産の伸びが加速していくその一方で、足踏みしてしまう「壁」というものも存在します。

ぼくは3,000万円達成まで何度かその壁に阻まれてきました。苦労の末に乗り越えるか、いとも簡単に乗り越えられるかは、正直なところ運にもよります。

ぼくが3,000万円を突破できたのは、コロナ禍の経済を下支えするために各国の中央銀行が空前の金融緩和を行なっていた追い風に上手く乗れたことがあります。このようなブーストをかけられることもあれば、そうでないこともある。もうタイミングが全てと言うしかありませんが、それもまた人生です。

今日は金融資産3,000万円達成をしたぼくが、過去を振り返ったときに立ちはだかった資産形成の壁について紹介をしていきます。

これから3,000万円を目指される方は「こんな心構えが必要なのか」という参考にしていただけると思いますし、すでに達成されている方は「確かにこんな時期があったなぁ」なんて懐かしく感じてもらえるかもしれません。

金融資産3,000万円までに立ちはだかる5つの壁

では、早速行ってみましょう!

①金融資産10万円の「壁」

まずはここからです。貯蓄をする第一歩になりますが、家計簿をつけていなくても、銀行口座の残高が分からなくても、手元で貯蓄額を把握できる最低ライン。それがこの10万円です。

金融資産を、意識して増やしていくことになるのは20代に入ってから。そうした前提で考えると、この統計にもある通り20代の貯蓄額中央値が5万円ですから、まずはそこを超えていく必要があります。

生活をしていれば欲しいものが出てきます。その額が10万円を超えることも珍しくはないでしょう。例えば新型iPhoneが欲しい、ゲーミングPCが欲しい、新作のコートやバッグが欲しいなどのほか、旅行に行きたいとか、習い事がしたいなども、10万円というまとまった額が必要になります。

これらのケースの場合、貯めた後は使い切ってしまうことになります。つまり冒頭に触れたような貯蓄癖のような生活習慣が身につかないうちでも、ワンタッチ届いてしまう額でもありますから、資産形成の「階段」と呼ぶには微妙かもしれません。

本質的には、10万円を貯めた後、それに手をつけずに次の100万円を目指せる意識が持てるかどうか。ここが分岐点です。

ぼくの場合は大学生の頃に、アルバイトで貯めたお金を使ってヤマハのシンセサイザー『EOS B900』を18万円程度で購入をしています。これ以降も、グラフィックデザイン用に『Power Macintosh G3』の購入など、10万円を超える買い物を20代前半では断続的にかなりしていました。

そんなことからも、100万円に向けて貯蓄が進んでいったのは20代後半になってからでしたね。

……

<金融資産10万円の「壁」>
→欲しい物を手に入れることをモチベーションに踏ん張れるかどうか。

②金融資産100万円の「壁」

最初の”大きな”壁とも言えるのが100万円。話が少しそれますが、ぼくは現在アラフォー会社員。20代の頃にやっていたテレビのクイズ番組での優勝賞金は大抵100万円でした。いまは賞金1,000万円ということも珍しくありませんが、当時は大金=100万円という印象が根強かったわけです。

さて、その100万円。これを達成するためにはまず、当たり前ですが自分がいまいくら持っているか、きちんと把握をしなければいけません。自宅に現金で100万円を持っていて常にお札の枚数を数えている、という人は少ないでしょうから、大抵は銀行の通帳に残高を記録して把握をすることになります。

そしてこの額になると、お年玉を毎年貯めて何とかなる、ということがありませんから、アルバイトや会社勤めなどの労働対価としてお金得ることが必要です。

また、100万円という額は社会人になってから目指すことになりますから、生活環境も大きく変わる時期と重なります。学生から社会人になる。実家暮らしが一人暮らしになる。家族のサポートがなくなり自分一人で家計をやりくりする。こうした変化に対応しながら貯蓄を増やしていくのは、なかなか至難の業です。なので100万円を作ることは最初の”大きな”壁になるわけです。

ぼくは当時の勤務先に家賃補助の制度がありました。最大5万円まで支給がありましたので、これが20代後半で100万円に到達できた理由の1つに挙げられます。月の生活費において住居費と食費はかなりのウェイトを占めます。ここをどれだけ削減できるかが勝負になってきますね。

次の数字は総務省が実施している家計調査のデータを参考にした世帯別の生活費平均額です。

<生活費の平均額>

■単身世帯 平均額(1カ月)
住居費:30,525円
食料費:40,235円

■2人世帯 平均額(1カ月)
住居費:24,652円
食料費:68,273円

■3人世帯 平均額(1カ月)
住居費:18,557円
食料費:75,667円

※住居費の持ち家率は、単身世帯32.3%、2人世帯75.7%、3人世帯78.7%

【出典】世帯別!1カ月の生活費の平均はいくら? 理想の割合も紹介(エネチェンジ)
更新日:2022.08.31

このように単身世帯の支出が非効率であることもよく分かりますね。

そして10万円の際は横に置いておいた「生活習慣」がここから必要になってきます。住居費と食費をどう抑えていくかという話にある通り、限られた収入の中で、どれだけ無駄を削減できるかが、貯蓄に直結するからです。

ぼくの場合は携帯電話やMacなどのガジェット好きでかつインドア野郎でしたので、一見お金がかかりそうなものの、実は支出はそこまで多くありませんでした。

あとは、家計簿こそつけていませんでしたが、銀行の通帳を眺めるのが好きという、お金好きあるあるの習性も備えていましたから、貯蓄額が増えていく様子を楽しんでいた側面もあります。

資産形成は長い道のりです。どこかにモチベーションを感じられなければやっていけません。それを試す試金石が100万円だと言えそうです。

……

<金融資産100万円の「壁」>
→いまの金融資産額の把握を行い、かつ支出削減も意識することができるかどうか。

③金融資産500万円の「壁」

100万円の壁を超えると次は500万円です。当たり前のことを言いますが、10万円から100万円は10倍、100万円から500万円はたったの5倍(笑)しかも100万円を達成した際の生活習慣を継続していくだけで、500万円に到達することが可能ですから、実はそこまで苦労はないかもしれません。

ぼく自身は30代に入ってから達成したと記憶していますが、その途中経過である200万円や300万円も、それなりに大きい額です。このクラスになってくると、会社を何らかの事情で長期休みせざるを得ない時の生活資金や、住宅の購入にあたっての頭金、民間保険に入らず公的保険と自己資金でカバーするなど、自分自身の身を守ったり、効率的にお金を動かしていく選択肢、主導権が徐々に手元に来るフェーズでもあります。

そしてこの100万円〜500万円ぐらいの時期から投資にも目を向けることができるようになります。投資は余剰資金で、というのはよく言われますが、目安として3ヶ月から半年ぐらいの生活費を除いた額を余剰資金と捉えて投資に回す、ということがあります。

仮に月20万円の支出だった場合、多く見積って120万円を確保しつつ、残りの額で投資を始めるということです。

もちろん、つみたてNISAで月3.3万円の搬出をもっと早い段階から行なっていくというのも悪くありません。投資は入金力勝負のところがありますから、それ以外でも余剰資金があるのであれば、オルカン(全世界株式)やS&P500などの主要インデックスにまとめて置き換えておく、ということも視野に入ります。

また、自己投資に振り向けて稼ぐ力を高めるという方法もあります。ぼく自身、500万円前後のころは個別株もやっていましたが、Macのソフトウェア購入や、大学院への進学など、自分自身にもかなりのお金を投じました。どちらかというと自己投資偏重だったかもしれません。

このあたりのバランスをどう取るかは難しいところですが、そんな悩みが出てくるのも500万円というステージなのだと思います。「自己投資」と「株式投資」。どちらを優先すべきかについては、以下の動画でも詳しく解説しています。

……

<金融資産500万円の「壁」>
→100万円を達成した際の生活習慣を継続できるかどうか。

④金融資産1,000万円の「壁」

多くの人が1つの到達点とするのはこの1,000万円ではないでしょうか。ぼくは20代の頃に”年収”1,000万円を目標にしていましたが、いま振り返ると一時の収入より手元に1,000万円ある方が重要ですから、目標設定ミスってたなと思います(笑)

さて、この1,000万円ですが先の500万円を倍にすれば到達します。100万円を500万円にするよりも、数字上は明らかに簡単になっていきます。しかし、500万円を1,000万円に到達させるために、どのような手段を取るのかでも難易度は変わります。

例えば銀行預金だけで達成しようとすれば、単純計算でゼロから500万円まで築いた時間の倍かかると考えることができます。主婦(夫)の方が節約術を巧みに生かして1,000万円以上を作ったという話はいまでは特に珍しくありませんし、ぼく自身も株式投資を辞めていた時期に1,000万円に到達していますから、30代でリスク資産を持たずに1,000万円というのは時間をかければ不可能ではありません。

ここで質問です。1人でお金を稼ぐのと、2人でお金を稼ぐのとではどちらが有利でしょうか?言わずもがな後者の方が圧倒的に有利です。では、結婚して共働きをすること以外、独身で2馬力にすることはできるのでしょうか。そう、それが収入の多線化です。

本業での収入以外に、ブログやせどりなどによる副業収入、不動産による家賃収入、株式投資で得る配当収入。こうしたものを束にすることで、収入のベースアップが可能です。支出を削減するのには限度がありますが、収入を増やしていくのはある意味で青天井。1,000万円のさらにその先をイメージしながら資産形成を進めていくのであれば、ここは外せません。

なお、ブログ記事を書いたりYouTube動画を編集したりというのは、非常に時間も手間もかかりますので2馬力というよりも2倍頑張るということにしかなりません。ただし、これらを積み重ねていくとフロー収入だったものがストック収入に変化していきます。

また、家賃収入や配当収入というのはそもそもがストック収入です。お金に働いてもらうという発想ですから、自分とお金がそれぞれ別の場所で働いて新たなお金を稼いでくる、つまり独身でも2馬力以上ということです。

相場環境にもよりますが、このアプローチを取れば銀行預金のみでやり切るよりも時間をショートカットすることができる可能性があります。

……

<金融資産1,000万円の「壁」>
→お金の稼ぎ方を2馬力、3馬力に上げていく工夫ができるかどうか。

⑤金融資産3,000万円の「壁」

最後は3,000万円の壁です。先ほどの1,000万円までであれば銀行預金のみでも、生活習慣をしっかりと維持できれば到達できるという話をしましたが、3,000万円となると話は別です。ここまで行き着くには、冒頭に触れた生活習慣と複利効果を組み合わせなければかなり難しいと言えます。

株式投資の利益には大きく2つあります。インカムゲインとキャピタルゲインです。

インカムゲインとキャピタルゲインの違い:
インカムゲイン(Income Gain)は、資産を保有していることで得られる利益のことを指します。一方、キャピタルゲイン(Capital Gain)は、資産の売却によって得られる利益のことを意味します。株式投資では、配当がインカムゲインに相当し、株を購入したときと売却したときの差益がキャピタルゲインに相当します。一方で不動産投資では、家賃収入がインカムゲインに相当し、不動産を購入したときと売却したときの差益がキャピタルゲインに相当します。

【出典】インカムゲインとキャピタルゲインって何?あなたはどちらに向いている?(auじぶん銀行)

さきほど紹介したぼくの株式投資でのブーストというのは、キャピタルゲインでした。2021年にアメリカと中国のビックテック個別株を全売却して、オルカン(全世界株式)に1本化したのですが、個別株で得たのはキャピタルゲインです。

アルファベットやアマゾンなど多くのビックテック企業は「配当を出すぐらいなら事業投資するわ」という感じでインカムゲインがないんですよね。ただ、その代わりに驚異的な成長でキャピタルゲインを狙えるというわけです。

では、オルカン(全世界株式)はインカムゲイン狙いなのか?キャピタルゲイン狙いなのか?

こちらも投資対象となるおよそ2,900の企業群が成長をすることで、基準価額が上昇することを狙っているわけなのでキャピタルゲイン狙いとも言えるのですが、一方で値上がりしたら売却をするというものでもありません。

コップの水と同じように、保有しているオルカン(全世界株式)には手をつけず、そこから水滴として溢れたものだけを舐める。つまり年間2%ほどあるインカムゲインをありがたく得ていくという考えが前提にあり、かつ上昇も見込めるのでキャピタルゲインもあわよくば狙う。そんな性質です。

今年、2022年の株式相場は軟調でした。オルカン(全世界株式)は急激な円安もあり、基準価額が年初来でトントンという状況でしたから、意味がなかったのかというと、ここでインカムゲインの重みが出てくるわけですね。

配当再投資されたお金が、また別のお金を呼び込んでくる。急がずにじっくり腰を据えて取り組む。こうしたサイクルを自らの手で生み出すことができるのかどうかが、1,000万円から3,000万円までに到達するためのポイントだと言えます。

……

<金融資産3,000万円の「壁」>
→株式での資産運用でお金をじっくり育てることができるかどうか。

さいごに

今日は、「金融資産3,000万円までに立ちはだかる5つの壁」について紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

金融資産3,000万円までに立ちはだかる5つの壁

①金融資産10万円の「壁」:
→欲しい物を手に入れることをモチベーションに踏ん張れるかどうか。

②金融資産100万円の「壁」:
→いまの金融資産額の把握を行い、かつ支出削減も意識することができるかどうか。

③金融資産500万円の「壁」:
→100万円を達成した際の生活習慣を継続できるかどうか。

④金融資産1,000万円の「壁」:
→お金の稼ぎ方を2馬力、3馬力に上げていく工夫ができるかどうか。

⑤金融資産3,000万円の「壁」:
→株式での資産運用でお金をじっくり育てることができるかどうか。

自分自身でもこの原稿をまとめながら、「こんなことあったなぁ」なんて思い出に浸ってしまいましたが、金融資産の足跡というのは人生そのものだとも言えますよね。

冒頭でも触れた通り、資産形成の方程式は(収入 - 支出) + (資産 × 運用利回り)です。収入が減れば、支出も減らす。支出が増えれば、収入も増やす。それらに加えて、お金にもしっかり働いてもらう。

このごく当たり前の行動を、コツコツ・たんたん・中長期でやり続けることができるかどうかで、生涯の金融資産額が決まると言っても過言ではありません。

今日ご紹介した5つの壁は、万人が同じ時期にピッタリと訪れるというものではありませんが、遅かれ早かれ必ずぶつかるものでもあります。そして資産形成は3,000万円で終わりではありません。

その先、5,000万円、7,000万円、1億円と、道は延々に続いていきます。そして、どこまでを目指すのか。いつまでに目指すのか。誰と目指すのか。そんなことも壁を乗り越えるためには影響していきます。

大きな金融資産を作ったその背景で、当事者がどのような苦労をしてきたかというのは、非常に参考になるものです。ぼく自身も、ブログやYouTubeなどでそうした第三者の話をなるべく頭に入れるようにしていますし、そうした苦労があることを念頭に資産形成に取り組んでいたりもします。

心づもりがあるのとないのとでは、いざ壁にぶつかった時のメンタルに大きな違いが出てきます。もちろん、心づもりがあった上で壁にぶつかる方が冷静でいられるし、乗り越え方のイメージも持てているので、苦労の度合いも変わってきます。

今日のお話がこれから3,000万円を目指される方の、そうしたお守りになれれば嬉しいです。

人生はノーコンティニュー!悔いのないようにやっていきましょう。

では、ごきげんよう。

今日のまとめ

壁は乗り越えるためにある。

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