・NFTとは
・NFTに関する話題
・「所有」と「共有」のこれから
おはーん、ペーパー先生です。
最近、よく耳にする単語を1つだけ挙げるとすると「NFT」ですね。
非代替トークン(Non-Fungible Token, NFT)の略称で、
ビットコインに代表される暗号資産(仮想通貨)の基礎技術である
ブロックチェーンが活用されているデジタルデータです。
今日はこのNFTの盛り上がりを通じて「所有」と「共有」のこれからについてやわらか紹介します。
NFTとは
まずはNFTについての概要から入りましょう。
暗号資産の基本技術として知られるブロックチェーン(分散型台帳)に存在するデジタル資産。ブロックチェーンは公共性のある台帳で、誰でもその資産の真正性や所有権を証明することができる。無制限に複製が可能なほとんどのデジタル資産とは違い、固有のデジタル署名を持つため「唯一無二」。通常は「イーサリアム」、もしくは米ドルで購入され、ブロックチェーンに取引記録が残る。NFTの作品は誰でも見ることができるが、購入者はデジタル上で保有する権利を得る。
画像、映像、音楽、テキストからツイッターへの投稿まで、あらゆる種類のデジタルコンテンツをNFT化することができる。デジタルアートの取引が注目を集めているが、スポーツ界ではファンが特定の選手やチームに関連するNFTを収集したり、取引したりすることが可能。そのほか、仮想空間の土地や、暗号資産の特定のウォレット名を独占利用する権利などもNFTになり得る。
【出典】アングル:デジタル資産NFT、その仕組みと人気爆発の理由(ロイター)
2021年3月20日9:09 午前15時間前更新
NFT取引は2017年ごろから活発に行われるようになり、ノンファンジブル・ドット・コムの推計では累計取引額はおよそ4億ドル。
今年に入り取引額は急増しており、半分程度が過去30日間に集中しているということです。
注目が高まっている背景としては、
コロナウイルス禍で、会議や興行、物販など、
これまでオフラインを中心に行われてきたものが急速にオンライン移行した中で、
・人々の「所有」と「共有」の価値観に変化があったこと。
・各国中央銀行の量的緩和策によるカネ余りの状況。
これらが、出口の一つとしてNFT市場を盛り上げるきっかけとなったと考えられます。
NFTに関する話題
それでは最近のNFTに関する話題を紹介していきましょう。
デジタルアーティスト・Beeple(本名:マイク・ヴィンケルマン)によるNFT(非代替性トークン)に基づいたデジタルアート作品《Everydays – The First 5000 Days》がオンラインオークションで約6935万ドル(約75億円)で落札され、大きな注目を集めている。その落札者が、クリスティーズによって明らかにされた。
【出典】75億円のNFT作品落札者は世界最大のNFTファンド創設者・Metakovan(美術手帖)
2021.3.14
今月24日、クリプトパンク(CryptoPunk)の中の1作品が驚くような価格で売買された。購入したのは、デジタルグッズやデジタルアートなどのコレクションに投資するための自律分散型組織(DAO)「フラミンゴダオ(FlamingoDAO)」だ。取引額は605イーサリアムで、日本円に換算すると7900万円だった。
【出典】24✕24ピクセルのデジタルアート、暗号資産のイーサリアムで取引──日本円で約7900万円(コインデスクジャパン)
2021年 1月 26日 06:30 更新
米Twitterと米SquareのCEOを務めるジャック・ドーシー氏がオークションに出品した同氏の初ツイートのNFTが3月22日(現地時間)、291万5835ドル(約2億1800万円)で落札された。落札したのはTRONネットワークのOracleシステムBridge Oracleのハカン・エスタビCEO。同氏は落札後「これはただのツイートではない。数年後には、これに「モナ・リザ」と同じくらいの価値があることにみんなも気づくだろう」とツイートした。
【出典】TwitterのドーシーCEOの初ツイートNFT、2億円超で落札 全額寄付(ITmedia NEWS)
2021年03月23日 08時51分 公開
起業家イーロン・マスク氏の妻でアーティストのGrimesは2月28日(米東部時間)、NFT(Non-Fungible Token、代替不可能なトークン)によるデジタルアートマーケット、米Nifty Gatewayに作品群を48時間限定で出品し、数時間足らずで約600万ドル(約6億4000万円)売り上げた。
【出典】イーロン・マスク氏の妻Grimes、ブロックチェーンのNFT作品を約600万ドルで販売(ITmedia NEWS)
2021年03月02日 15時12分 公開
最終的に競り落とした入札者は、3LAUの言葉を借りれば「トークン化された初めてのアルバム」に対し、366万6,666ドル(約4億円)または同額のEthereumを支払った(実際どちらだったのかは不明だ)。いずれはほかの人々も無料で聴けるようになるかもしれないが、いまは「入札者65」が、ただひとりこの曲にアクセスできる。
【出典】デジタル資産の「NFT」という、“所有できる幻覚”の価値(WIRED.jp)
2021/03/08
NFTへの関心が急激に高まった契機が、米プロバスケットボール協会(NBA)による「トップショット」というウェブサイトの立ち上げだ。このサイトでは、ユーザーが試合のハイライト映像という形でNFTを購入・取引することができる。過去最高額の取引は2月22日に発生した。あるユーザーが、レブロン・ジェームスによるスラムダンク・シュートの映像に20万8000ドルを投じたのだ。
【出典】焦点:「複製不能」時代のデジタル芸術、10秒の作品が7億円に(ロイター)
2021年3月7日8:21 午前
人気のあるミーム画像「ニャンキャット(Nyan Cat)」のノン・ファンジブル・トークン(NFT)が2月19日、300イーサリアム(当時のレートで約59万ドル=約6300万円)で取引された。複製可能なネット上のあらゆる所で見られるgifファイルバージョンではない。
【出典】ネット画像が高額で取引──NFT市場の拡大に期待高まる(コインデスクジャパン)
2021年 3月 3日 06:00
さいごに
ご覧いただいた通り、かなりの高額取引が目立ちますね。
従来のデジタルデータは複製がいくらでも容易です。
そのため、「誰でも見れるデジタルデータを所有することに意味あるの?」と思われている方が大半だと思います。
ただ、冒頭でも話に出した通り、コロナ前後でモノの「所有」と「共有」の価値観が大きく変化しました。
「所有」と「共有」、従来はそれぞれ独立した価値観でしたが、
YouTubeや、noteやClubhouseによる情報発信など、個人によるコンテンツ提供が加速している中で、
いわゆる消費型であった「フロー」から、資産として積み上げていく「ストック」に移行してきています。
つまり、資産として「所有」をしながら、それを広く「共有」して見てもらう知ってもらう、という共通の価値観となったわけです。
その上で、今後は「モノ」も「コト」もすべてデジタル上で所有・管理をしていく流れになっていくと考えられる最中、
受け皿として注目されているのがNFTなわけです。
以前に、アートとテクノロジーの取り組みを紹介した記事では、
美術品が本物であることを示すための証明書を、ブロックチェーン技術に置き換えたサービスがありました。
作品自体が複製や贋作ではないことを証明する紙が、偽造されるケースがあるためです。
この仕組みで面白いのは、本物である証明だけでなく、過去の所有者記録や
販売ルールなどをブロックチェーン内に書き込んでおけること。
これはまさに、従来の世界と新しい世界を橋渡ししているケースと言えますね。
昨年からビットコインなどの暗号資産取引も増えており、暗号資産を保有する方も一般的になりました。
また、暗号資産取引所国内大手のコインチェックさんが24日から
NFTマーケットプレイスのβ版をオープンし、
日本でも徐々にNFTが流通するための環境が整ってきた印象です。
【出典】「Coincheck NFT(β版)」、3月24日より提供開始(コインチェック)
2021.03.18
引き続きNFTに関する動きは、このブログでもチェックしていきます。
では、ごきげんよう。
重要なのでもう一度言います。今後は「モノ」も「コト」もデジタル上で所有・管理する時代になります。