・人生の2つの考え方
・資産運用と自己投資
・あちらを立てればこちらが立たず
おはーん、ペーパー先生です。
経済評論家で楽天証券 経済研究所 客員研究員の山崎元(やまざきはじめ)さんが、
楽天証券公式YouTubeチャンネルの中で、人生の2つの考え方について語られていました。
それが「人生100年時代」と「早期リタイア」です。
【出典】資産形成:「LIFE SHIFT」と「FIRE」について/山崎 元(トウシル[楽天証券])
2021/08/19
書籍で言うとこの辺りになります。
『LIFE SHIFT』
(リンダ・グラットン氏 / アンドリュー・スコット氏)
・70代、さらには80代まで働かなくてはならない
・新しい職種が登場し、手持ちのスキルだけでは生き残れない
・教育→仕事→引退という3ステージの人生が崩壊する
・変化を経験する機会が増えるため、選択肢をもっておくことの価値が増す
・子育て後の人生が長くなることで、家庭と仕事の関係が変わる
・老いて生きる期間ではなく、若々しく生きる期間が長くなる
『FIRE 最強の早期リタイア術 最速でお金から自由になれる究極メソッド』
(クリスティー・シェン氏 / ブライス・リャン氏)
・「持ち家or賃貸」に決着をつける計算式がある
・なぜ、旅行をした方がお金が貯まる?
・タネ銭が永遠に減らない「4%ルール」
・何かあった時のための鉄壁バックアップ術
・「早期リタイア」と「子育て」は両立できる
・POTスコアで早期リタイヤのためのキャリアを選ぶ
要はこれ、相反する考え方なんですよね。
前者は、長寿時代になり人生長く働く必要があるよねという考え方。
後者は、資産形成で早期に経済的自由を手に入れ働くことから解放されようという考え方。
この両者をどう考えるべきか、というのが動画のテーマとなっています。
詳しくはお時間のある時にご覧いただければと思いますが、
今日は、山崎さんがこの動画で繰り返し指摘していることにスポットを当てます。
それは、FIREを目指すためには、かなりの稼ぎを若いうちから資産運用に回し続けていくことが大事になりますが、
その一方で自己投資が疎かになり、結果としてその人は豊かにはならないんじゃないか、という視点です。
支出を抑えるということは、インプットが制限されることにも繋がります。
例えば、旅行で色々な国・地域、文化や宗教、食べ物や住まいを知ること。
様々な業界・業種・職種の人との交流。
趣味や資格、大学院やサークル、コミュニティなどへの参加。
こうした行動を若いうちから積極的に行っていくことで、その人の視野は広がり、
多分野において物の尺度を持つことができます。
つまり、早期に自己投資をしておくほうが、結果的に人生が豊かになるのではないかという問題提起なわけです。
以前に貯蓄率と経験値をドラクエ風に表現したこんな記事を書いたことがありました。
ゲームの中で、キャラクターにパラメーターを割り振るのとまったく概念は同じなんですよね。
A) 早期に金融資産へ投資を行えば、長期間の運用で複利効果も大いに働き、金融資産が膨らむ。
B) 早期に自己投資を行えば、様々な経験が溜まることで、長期間でみると人生観が広がる。
資本の形を分類すると「金融資産」「人的資本」「社会資本」なんて言われますが、
極端な話をすると、
Aの場合は「金融資産」が得られて、「人的資本」「社会資本」を失う。
Bの場合は「人的資本」「社会資本」が得られて、「金融資本」を失う。
こんな風にも言い換えることができます。
もちろんこれは順番の話です。
どちらの場合でも後から残りを保管していくことになりますので、最終的には選ぶ人の価値観です。
ポイントは、若いうちに得るのはどの資本が一番良いのか、という点に絞られます。
結果論ではありますが、先生はBの生き方をしてきましたから、まさに40歳を超えたいま、
「金融資本」を増やしていく部分にアクセル全開しているわけです。
“あちらを立てればこちらが立たず”とはまさにこのことで、
人生というのは本当に絶妙なバランスで出来ていますよね。
皆さんは、どのように人生の歩み方を考えられていますか?
ぜひ色々とお考えを聞かせていただければ嬉しいです。
では、ごきげんよう。
こちらの記事もよろしければどうぞ。
何をもって豊かな人生なのかという問いの答えは今だ出ず。