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「投資はリズム」ソフトバンクグループ孫正義会長のビジョン

「投資はリズム」ソフトバンクグループ孫正義会長のビジョン
この記事で分かること

・ソフトバンクグループ20年4-12月期連結決算
・孫正義会長の決算会見での発言要旨
・ビジョンファンド今後の動向

おはーん、ペーパー先生です。

ソフトバンクグループさんが8日発表した2020年4-12月期の連結決算(国際会計基準)は、

純利益が前年同期比6.4倍の3兆551億円と同期間で過去最高となりました。

4-12月期では、日本企業で史上初の3兆円突破となります。

世界的な株高を追い風に「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」(ビジョンファンド)の運用成績が、

2兆7287億円の黒字(前年同期は7,290億円の赤字)と大きく改善したことが寄与しています。

本日はベンチャーキャピタルとしてのソフトバンクグループさんが、

決算会見で語っていたAI革命のビジョンをやわらか振り返りしていきます。

決算説明会での孫正義会長の発言要旨

2月8日16時30分から開かれた、ソフトバンクグループ決算説明会での

孫正義会長兼社長の質疑応答の模様をまとめました。

発言要旨

・パンデミックはピークを過ぎていない。だが去年の夏や秋と、今年の秋は様子がだいぶ違ってくるだろう。

・資産の現金化は4兆5,000億円の目標を大きく上回り「売りすぎだ」と言われるくらい現金を手元に持った。

・ウーバーのIPOが苦戦し、ウィーワークも大きな批判を浴びた。だが反省はしたけど萎縮はしない。

・中国アントグループについて、最近は持ち直しつつある。アリババの決算では純利益が50%伸びており順調。

・借り入れが保有資産の3分の1を超えないようにしたい。昨年12月末の時点で15%で、まだ攻めが足りない。

・ソフトバンクグループは投資会社、そしてもう一つは製造業。何の製造業だというと、ガチョウの金の卵の製造業。

・情報革命に特化して、情報をためて金の卵を産んでいくガチョウ。ヤフー、スプリントなど色々な企業を生んだ。

・『金の卵』は100億円以上でエグジット(投資回収)、あるいは上場したことを比喩したもの。

・アリババは上場後に赤字が続き、認めてもらえなかったが、あっという間に世界のトップ10で輝く存在になった。

・AI革命が大学の研究テーマではなくなり、様々な産業を塗り替える。『卵の量』が一気に加速度的に増えていく。

・1年前、ビジョンファンドは機能していないファンドだと批判されたが、やっと収穫期に入り始めた。

・これまで合計で131社投資してきた。ビジョンファンドから新規株式公開(IPO)が15社うまれた。

・朝から夜中の1時ごろまでぶっ続けで『Zoom』ミーティングをして(感染拡大前より)効率は良くなった。

・4,000万人近い人が『PayPay』を活用している。根っこは我々ソフトバンクが筆頭株主のアリペイからきている。

・金の卵にするにはターボチャージしなくてはならない。約200社のグループでシナジーを生み出していく。

・手作業のようなファンドから、投資を工業化する。投資はリズムです。

・AIは人類が創造した最大の進化だ。AIの力で革新して21世紀の人々の幸せに貢献していきたい。

・たかだか3兆円の利益が出て有頂天になるつもりはない。まだ道半ばだ。

・株式市況は金利や財政支出など様々な要因の影響を受ける。我々は産業構造の進化に対して投資する。

・中国はこれまでやりたいようにやっていいということだったが、金融規制などの常識をつくっていかなければならない。

・中国はそういう段階にはいった。欧米で行われている常識の範囲と同じであり、中国の成長には必要だ。

・(投資先の上場ペースは)年間で10社、20社というリズム感でやっていきたいと考えている。

・ファンド1の収穫期がゴールドラッシュのようにでてくる。ファンド2も早いものは収穫になりつつある。

・ウィーワークは一番打撃を受けている。一方でコストカットや技術革新を進め、損益分岐点が良くなっている。

・(非上場化は)ノーコメントです。以上です。

【出典】ソフトバンクG孫社長「投資ファンドが収穫期」 決算会見(日経電子版)
2021年2月8日 16:13 (2021年2月8日 18:15更新) [有料会員限定]

ビジョンファンド今後の動向

ビジョンファンドを通じて今後IPOが予想される主な投資先は、

■バイトダンス(中国・動画アプリ)
 企業価値:1,400億ドル

■ディディ(中国・ライドシェア)
 企業価値:620億ドル

■センスタイム・グループ(中国・AI開発)
 企業価値:120億ドル

■フル・トラック・アライアンス・グループ(中国・トラック配車)
 企業価値:120億ドル

■クーパン(韓国・ネット通販)
 企業価値:90億ドル

■トコペディア(インドネシア・ネット通販)
 企業価値:70億ドル

※CBインサイツ調べ(5日時点)

このほか、特別買収目的会社「SPAC」を2社新設し、

最大6億3,000万ドル(約660億円)を調達する計画も明らかにしています。

なお、ソフトバンクグループさんの保有株式価値の半分以上をアリババ1社が占めるほか、

ビジョンファンド1号の投資地域もおよそ半数が中国などのアジア企業となっています。

米中対立や中国の規制強化の行方など、地政学リスクの影響を大きく受ける一方、

米運用会社アーク・インベストメント・マネジメントのキャシー・ウッドCEOも先日のインタビューの中で、

「イノベーションはアジアの挑戦も始まっている」と話しており、

中国を中心としたアジア一帯の経済成長と、世界のイノベーションというのは

切り離せない関係になっていることが伺えます。

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アークCEOキャシー・ウッド氏が考えるイノベーションの未来先日、破壊的イノベーションをテーマとしたアクティブ型ETF(上場投資信託)を運用している米運用会社アーク・インベストメント・マネジメント(アーク)さんが手がけるETFについて紹介をしました。手掛けているETFは玄人向けになっていますが、キャシー・ウッド氏が考えるイノベーションの未来というのは、長くIT業界に身を置いている先生も共感する部分が多くあります。5日、マネックス証券 チーフ・外国株コンサルタントの岡元兵八郎(ハッチ)氏が、キャシー・ウッド氏に行った独占インタビューの模様がYouTubeで公開されました。この中には5年後、10年後の世の中を見通していく上で参考になる情報が多く含まれています。40分以上にも及んだインタビューを全編文字起こししましたので、今日はその内容を、やわらか紹介します。 ...

この行方はまったく想像がつきませんので、先生は限りなくシンプルに絞り込んだ

個別株とインデックスファンドによるポートフォリオで、両張りしていきます。

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投資は自己責任でね。

では、ごきげんよう。

今日のまとめ

イノベイターは見ている先が似ている。

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