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投資信託の実質コストを確認する方法

投資信託の実質コストを確認する方法
この記事で分かること

・「目論見書」と「運用報告書」
・実質コストは総経費率で確認
・信託報酬と総経費率の比較

おはーん、ペーパー先生です。

このブログでは投資信託に関する話題を何度か紹介しています。

初心者が何を購入すべきかや、つみたてNISA3周年記念の運用成績振り返りなどが記憶に新しいところです。

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そして、投資の基本である「長期・積立・分散」を手堅くやっていくためには、

運用にかかる手数料もしっかりと見ておく必要があります。

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詳しくはこちらの記事で紹介をしていますが、本日はその続編とも言える、

投資信託における「隠れコスト」についてやわらか解説をしていきます。

投資信託の3大コスト

通常、投資信託でかかる手数料は大きく以下の3つになります。

しかし正確にはここには含まれない費用が別途発生します。

例えば

・投資証券の海外保管
・監査法人への支払い
・組み入れ銘柄の売買執行や信用取引
・実績報酬(成功報酬)

確定している額ではないことから事前に明示することができず、

一般的にこれらをまとめて「隠れコスト」と呼びます。

「目論見書」と「運用報告書」

普段、このブログで投資信託商品をご紹介する際には、

目論見書へのリンクも併せて掲出しています。

目論見書とは

投資信託ついて、投資判断に必要な重要事項を説明をした書類。いわゆる投資信託の取り扱い説明書のようなもので、ファンドの目的や特色や、どこに何を投資しているのかのほか、リスク、運用実績、手数料等の費用などが記載されている。ここで明記されるのは「購入時手数料」「信託報酬」「信託財産留保額」のみで、補足としてその他でも費用がかかる旨の記載がされている。

残念ながら、その他でかかる費用についての詳細は言及されないんですね。

では、隠れコストを知る方法はないのか。

実はあります。

2019年9月30日以降に決算日を迎える投資信託の「運用報告書」では、

実際の運用で生じた「総経費率」を参考情報として開示するよう義務づけられています。

これは、対象となる投資信託の1年間の平均運用資産額に対し、実質的に発生したコストを指します。

運用報告書とは

購入後の投資信託がどのように運用され、その結果どうなったかなどを投資家が知るための情報で、決算期ごとに作成。運用経過の説明や、今後の運用方針のほか、代表的な資産クラスとの騰落率比較などが掲出される。総経費率は、組み入れ銘柄の売買時に発生する売買委託手数料など一部費用を含まない年率換算の概算値となる。

総経費率でも全てが含まれないわけですが、

それでも信託報酬だけをみるよりも、実際に発生するコストにかなり近い数字です。

では、どの程度の差が出るのか。

ランキング形式で紹介していきましょう。

信託報酬と総経費率の比較

運用報告書へリンクされていますので、

「総経費率」でファイル内検索すると対象ページに辿り着きます。

総経費率の高い投資信託TOP5

1位
日本株ロング・ショート・ストラテジー・ファンド/ファイブスター投信投資顧問
総経費率:10.85%
信託報酬:2.6290%
年リターン:23.2%

2位
スパークス・日本株・L&S/スパークス・アセット・マネジメント
総経費率:5.94%
信託報酬:1.9800%
年リターン:9.4%

3位
スパークス・ベスト・ピック・ファンドⅡ(日本・アジア)マーケットヘッジあり/スパークス・アセット・マネジメント
総経費率:5.24%
信託報酬:1.7680%
年リターン:21.3%

4位
スパークス・ベスト・ピック・ファンドⅡ(日本・アジア)マーケットヘッジなし/スパークス・アセット・マネジメント
総経費率:4.79%
信託報酬:1.7680%
年リターン:31.4%

5位
ユナイテッド・タートルクラブ・ファンド・バランス型/ファイブスター投信投資顧問
総経費率:4.56%
信託報酬:2.1700%
年リターン:2.3%

驚くことに総経費率が10%を超えるものもあります。

全体的には売りと買いを組み合わせで収益最大化を目指していくものが多いです。

続いて、投資信託に関するブログを書いている方々が年に1度、自身が支持をする投資信託を選ぶ

「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year2020」(「FOY2020」)TOP10商品の場合で見てみましょう。

「FOY2020」TOP10の総経費率

1位
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)/三菱UFJ国際投信
総経費率:0.16%
信託報酬:0.1144%
年リターン:9.0%

2位
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド/ニッセイアセットマネジメント
総経費率:0.14%
信託報酬:0.1023%
年リターン:9.0%

3位
バンガード・トータル・ワールド・ストック・インデックス・ファンド/バンガード・インベストメンツ・ジャパン
総経費率:0.08%
信託報酬:0.0700%
年リターン:10.3%

4位
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド/セゾン投信
総経費率:0.57%
信託報酬:0.5900%
年リターン:6.5%

5位
ひふみ投信/レオス・キャピタルワークス
総経費率:1.07%
信託報酬:1.0780%
年リターン:20.5%

6位
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)/三菱UFJ国際投信
総経費率:0.19%
信託報酬:0.1540%
年リターン:1.0%

7位
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス/三菱UFJ国際投信
総経費率:0.14%
信託報酬:0.1023%
年リターン:9.0%

8位
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)/三菱UFJ国際投信
総経費率:0.16%
信託報酬:0.1144%
年リターン:9.0%

9位
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)/三菱UFJ国際投信
総経費率:0.15%
信託報酬:0.0968%
年リターン:10.3%

10位
農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね/農林中金全共連アセットマネジメント
総経費率:1.00%
信託報酬:0.9900%
年リターン:15.4%

コスト重視で選ばれる傾向のある「FOY2020」商品は、

信託報酬と大きく乖離するものがほとんどありませんね。

もちろん、コストが高くてもパフォーマンスが出てれば良いという考え方も否定はしません。

重要なのは、投資家本人がどの程度のコストを払って運用しているのかという理解を

しっかりと持っていることなのだと思います。

では、ごきげんよう。

今日のまとめ

先生はオンラインバンキングの振込手数料ですら払いたくない。

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