・サービスアパートメントとは
・帝国ホテルの「サービスアパートメント」事業
・個人や企業の”競争優位性”
おはーん、ペーパー先生です。
先生は昨年3月から、平日ホテル暮らしをしています。
勤務先から歩いて5分程度のビジネスホテルに、
日曜午後から土曜午前まで、つまりウィークデイはすべて宿泊しています。
1泊5千円前後ですので、年間120万円程度の出費となりますが、
その対価として通勤時間+お昼時間およそ毎日3時間ほどを得ているということになります。
ご興味がある方はこちらをご覧ください。
そんな利用の仕方をしている人がいる一方で、
緊急事態宣言の再発出などでホテル業界は苦境に立たされています。
今日は、老舗ホテルが打ち出した新たな打ち手についてやわらか解説します。
帝国ホテルの「サービスアパートメント」事業
1887年(明治20年)12月設立の老舗ホテル企業、株式会社帝国ホテル(9708)。
2020年4-12月期の連結決算は、売上高が前年同期比62%減の166億円、
最終損益が86億円の赤字(前年同期は30億円の黒字)となっており、
直近の稼働率は1割前後まで落ちこんでいます。
1月31日、起死回生の一手として打ち出したのが、
直営の旗艦ホテル「帝国ホテル東京」(東京都千代田区内幸町1-1-1)を活用した
「サービスアパートメント」事業の開始です。
ホテルと賃貸マンションの中間的な機能を有した住居のこと。主に1カ月~数カ月を想定した契約となり、家具や清掃、コンシェルジュの常駐などホテルライクなサービスが受けられ、グレードも高級ホテルレベルのものが多い。ただ、ホテルと違ってキッチンで自炊ができ、洗濯も自室でできる。いわゆるマンスリーマンションの高級仕様のものといえる。敷金、礼金、仲介手数料が不要で、契約した日から利用することも可能。立地は、ビジネスエリア、都心部に多く、海外のビジネスパーソンに多く利用されている。
帝国ホテルさんの手掛けるサービスアパートメントはどのようなものか、以下にまとめました。
“HOTELivingホテリビング”―「ホテルに住まう」
①専属サービスアテンダント
帝国ホテルのもてなしで快適な滞在をサポート。届け物のデリバリーサービスをはじめとした、滞在中の様々な要望に対応。
②駐車場
滞在期間中は、ホテルの駐車場を1室につき1台無料で利用でき、車は24時間いつでも出し入れ可能。
③フィットネスセンター・プール・サウナ
滞在期間中は、タワー館20階のフィットネスセンター・プール・サウナを無料で利用可能。
④スムーズな利用手続き
不動産契約のような煩雑な手続きがなく、スピーディに予約可能。
⑤荷物預かりサービス
要望に応じて荷物をホテル預かり可能。
⑥ロビーラウンジでのコーヒー・紅茶サービス
本館1階(ランデブーラウンジ)にてコーヒー・紅茶を無料で提供。
⑦ビジネスシーンのサポート
パソコンブースをはじめ各種オフィスワークを行えるビジネスラウンジや、ミーティングルーム(1日2時間まで/予約制)の利用が無料で可能。
⑧ランドリーサービス(月額:30,000円)
ワイシャツ・ブラウスなどのランドリーサービスが利用可能。
⑨ルームサービス(月額:60,000円)
人気メニューのカレーやサラダ、スープなどを含む、専用メニューが注文可能。(11:00〜22:00)
<TYPE:TYPE:STUDIO(31㎡)>
5泊 150,000円(サービス料・消費税込)
30泊 360,000円(サービス料・消費税込)
※1泊追加毎に30,000円(サービス料・消費税込)を加算
<TYPE:PREMIER STUDIO(49.9㎡)>
5泊 250,000円(サービス料・消費税込)
30泊 600,000円(サービス料・消費税込)
※1泊追加毎に50,000円(サービス料・消費税込)を加算
<TYPE:CONNECTING STUDIO(34.0㎡+35.6㎡)>
5泊 300,000円(サービス料・消費税込)
30泊 720,000円(サービス料・消費税込)
※1泊追加毎に60,000円(サービス料・消費税込)を加算
公式サイトでは、STUDIOタイプ5泊6日までの場合はインターネット予約、
それ以外の場合は電話予約がスタートしています。
個人や企業の”競争優位性”
コロナ禍の航空業界では、接客対応などのスキルを持った社員が
コールセンターや量販店などの他業種に派遣され、力を発揮するケースがありました。
環境変化の中で生き残るためには、企業でも個人でも
“どこに競争優位性があるのか?”
という点に絞られると思います。
市場概況を読み解き、自身の強みを知る。
その上で、新陳代謝を速やかに行えるかどうか。
昨今ではこのような話題がありました。
・資生堂が「TSUBAKI」「uno(ウーノ)」などの日用品事業を外資系ファンドに売却する方針。
・ソニーが金融事業を手掛けるソニーフィナンシャルホールディングスを完全子会社化。
・日立製作所が北米のIT(情報技術)分野へ2兆5000億円規模のM&A(合併・買収)に乗り出す。
いづれも変化する世の中に合わせ、会社の構造を変えていこうというアクションです。
改めて帝国ホテルさんのサービスアパートメント事業を見ていくと、
・都心部の好立地
・食事や洗濯などの専属スタッフ
・施設内の優れた設備
これら競争優位性を活用し、働き方や住まいの変化を捉えた打ち手だと言えます。
99室の一部を改修し、専用のアパートに切り替えるほか、
客室に接地されていない洗濯機やキッチンなどのため、各フロアに1カ所共用フロアを作るということで、
一部のホテルで導入されているテレワーク専用プランよりもかなり踏み込んだ投資となります。
この考え方は個人に対しても同じことが言え、
異動や退職、転職、独立など、どのような環境に置かれても戦い抜けるよう、
取捨選択やスキルの掛け算で”個”を磨いていく必要があるわけです。
話が冒頭に戻っていきますが、先生のホテル宿泊は
そこで得られる時間を読書やブログ執筆、睡眠などへの自己投資と考えているわけです。
この辺りの記事も参考にしていただければと思います。
では、ごきげんよう。
彼を知り己を知れば百戦殆うからず(かれをしり おのれをしれば ひゃくせんあやうからず)。