・ぺいぱと住宅ローン
・アセットアロケーションの変化
・住宅ローンは苦労の先延ばし
ごきげんよう、ぺいぱです。
このブログの内容は動画でも解説しています。
現在、ぼくは会社の早期退職に向けて色々な準備期間にあります。
6月に会社へ退職意向を示して以降、9月いっぱいで引き継ぎを終了し、10月から有給消化中。ここまで1ヵ月半以上経過をしており、まだ退職時期含めた交渉は残っているものの、FIRE後の生活に向けた棚卸しを進めている状況というわけです。
その中のいくつかは、先日お話しをしたような「FIREすることについての両親への説明」であったり、退職後に自分がどこに住むかの引っ越し先検討というものだったり、自分が今後何をしていくのかというようなこともあります。実に様々な棚卸しをこのタイミングでしているわけです。
人生80年だとした時に、45歳を超えるというのは、ある意味でターニングポイントなのだろうと思います。
22歳で社会に出たと考えて、そこから23年で到達するのが45歳になります。30代中盤から徐々に大きな仕事、役割を任せてもられるようになり、知識・経験も増えてきて、体力・気力も最高潮にあるような状態。それがまさに35歳から45歳までの間だと考えると、会社員として仕事をしていく大きな流れにおいて、やはり1つの節目がこの45歳になっていくと思うわけです。
45歳を超えた段階で、次のステージをどういう形で生きていくかを考えていくと、
・今の勤務先でこのまま60歳定年まで走り切る。
・転職して別の会社、業種、業界に身を投じる。
・自分でビジネスを立ち上げて起業する。
・今の勤務先に在籍しながらもより趣味や家族に時間を割いていく。
・早期退職して穏やかに生きていく。
大きくはこのような生き方が選択肢としてはあるのでしょう。
そういうことを判断できる、選択できるタイミングが45歳から50歳位までの間ではないかなぁと、ぺいぱ個人としては思うわけです。
そんなぼく自身もたまたまではありますが、45歳を超えたこのタイミングで会社を早期退職し、次のステージに進もうとしています。そうした中で次の20年・30年を考えた時、棚卸しをしなければいけないことの1つ、住宅ローンについて進展があったので今回はその話をしようと思います。
ぺいぱと住宅ローン
ぺいぱは2010年におよそ3,200万円でマンションを購入をしました。購入とは言っても全額を住宅ローン利用しています。今から14年も前の話になるので年齢は30歳を超えたあたり。それまでは10年間ほど家賃10万円のマンションに住んでいたので 1,200万円を掛け捨てしていたわけです。
それはもったいない、ということもあって住んでいた場所からほど近いところに建てられた新築マンションを見学。そのまま購入しました。広さは1人用として購入をしているので32平米。マンションの規模は総戸数50程度の物件です。決して広い部屋とは言えませんが、上層階で見晴らしも非常に良く10年ほど住んでいました。
2010年当時に組んでいた住宅ローンは変動金利で年1.175%。それを5年ほど前に借り換えをしまして、現在は0.475%とさらに低金利で借りています。このマンションは大変気に入って住んでいたのですが2020年に転機が訪れます。そう、コロナ禍の到来です。
4月・5月の2ヶ月間は1度目の緊急事態宣言が出ていたため在宅勤務をしていました。しかしそれ以降、勤務先の方針で役職者についてはオフィス出社が命じられていたため出勤をすることになったのですが、この2ヶ月間のおうち時間でぼく自身の価値観が大きく変わっていたわけです。
大げさな言い方をすれば「生き方そのもの」が変わりました。仕事との向き合い方、時間の使い方、健康のあり方、そして何よりもこの「やわらか中学校」を始めるきっかけともなった資産形成に対して真剣に向き合うことになったからです。
そうした時にすごく疑問に思い始めたのが通勤時間。ぼくはオフィスまで往復1時間45分でした。営業日を245日とした場合トータルで22,050分=367.5時間。つまり年間15.3日、2週間以上を通勤時間で失っていたことになります。
2週間もあれば、資格試験を勉強して合格をすることもできます。筋トレを始めて肉体改造に取り掛かることだってできます。ぼくがこの通勤時間をなくすためにどうすべきかを考えた先に思い立ったのがホテル暮らしでした。もちろん時間の観点だけではなく、コロナ禍において電車に乗るのも単純に嫌だったことも多分にあります。
そんなわけでぼくは2020年6月から平日ホテル暮らし、週末だけ自宅マンションに戻る生活をすることになったわけです。これによって通勤という概念が消えて、非常に自分の時間が増えました。そしてこの生活を半年ぐらい続けていた中で思ったことがあります。
「あれ?もう自宅に帰らなくても生活できるんじゃね?」
そこで思い切って、2021年の3月から終日オフィス近くのホテルに住むことを決めました。このタイミングから丸2年間は完全ホテル暮らしとなったわけです。そしてこんな生活をし始めてしばらく立ってからさらに思ったことがあります。
「空き家になっている自宅マンションがもったいない!」
ということ。
住宅ローンを使用して購入したマンションですので賃貸に出す事はできません。そのため不動産投資ローンに切り替えるべく融資を受けている銀行の担当に相談をしたところ、今回は仕事都合ということもあり一定期間であればそのままで構わないという返事をいただけました。
その後、自宅を貸し出すのに向けて一斉に部屋の荷物を処分。レトロゲームやビックリマンシールなど資産性の高そうな(笑)アイテムは実家に郵送し、それ以外はすべて処分。ここでキャリケース1つの身軽な状態のぺいぱが爆誕したことになります。
不動産屋さんに相談をして募集をかけたのですが、最初はぜんぜん決まりませんでしたね。もともとほぼ空き家だったので焦りはしませんでしたが、掲載する写真とか価格などの条件面を工夫することで数ヶ月後に申し込みがあり、その後は継続して借りていただいています。
そんな流れで、現在ぺいぱはオフィス近くに住みながら、住宅ローンで購入をした家を賃貸に出している状況となっているわけですが、これについては置かれている状況や融資元の基準もあると思いますから、必ず確認をした上でご判断されることをオススメします。
住宅ローンの完済に踏み切る
そうした中で今回、会社を早期退職をすることになりました。そうなると当然ながら先の前提条件が崩れますから住宅ローンのまま賃貸に出し続けることはできません。次のプランとしていくつか選択肢はありました。
・自宅マンションに戻り住宅ローンはそのまま。
・不動産投資ローンに切り替えて引き続き賃貸に出し続ける。
・住宅ローンを完済する。
概ねこのあたりの選択肢になるのかなと思います。
住宅ローンは数ある借金の中でも非常に低金利です。今後緩やかに上がっていく可能性もありますがそれでもやはり低金利です。そのため会社員の信用力があるうちに借りれるだけ借りる、なんて人もいらっしゃるでしょう。
仮に金利1%の住宅ローンで5,000万円を借り、そのおかげで手元に残せる流動資金を使ってこの金利以上の利回りで運用することができれば合理的です。不動産投資ローンの場合はこの金利が3%前後に上がりますからこの難易度は高くなりますね。
キャッシュイズキングとはよく言ったもので、やはり現金及びそれに類する流動資産をどれだけ多く手元に置けるかは資産形成をする上で重要です。それでもぼくは今回完済する道を選びました。ポイントはこの通りです。
・オルカンの含み益分でローン完済できる状態であること。
・早期退職後のキャッシュインフローを重視したこと。
・ペーパーアセットとハードアセットとのバランスを取ること。
・住宅ローン減税を受けていないこと。
・不確実性への耐性を高めること。
・気分がスッキリすること。
色々と挙げましたが、最後に触れた「スッキリする」というのがもう全てでしょうか(笑)
シンプルなものほど美しい、なんてことを言うことがありますがこれは資産形成をしていく上でもそうです。お金の出入りもシンプルな方が無駄がなく堅強ですし、何よりも固定支出をどれだけ減らせるかは早期退職後の大きなテーマの1つでもあります。
もちろん一概に「負債がない方が堅実な家計である」とは言い切れない部分もあります。資産形成は先ほども触れた通り流動資産をどれだけ多く手元に置いておけるかの勝負でもあるからです。信用力を武器に流動資産を手に入れ、それを元手に大きく勝負を仕掛けていく。適切に背伸びをして戦うというのはビジネスの鉄則でもありますね。
ぼくは今回、およそ2,000万円分のオルカンという流動資産を活用してローン返済します。それでもオルカンは3,600万円ほどの塊が残っていますし、手元現金も退職後に備えて厚めに保有。そしていざという時の1BTC・1ETHも控えています。まぁ、あとはなんとでもなるでしょう。そんな気持ちです。
この件で色々と思考を巡らせてたどり着いたのが資産形成のスタンス変化でして、
「オフェンスからディフェンスになる」
もうホントこれに尽きます。早期退職で労働収入が失われるというのはそれだけ大きな変化だということです。
これまで3年以上オルカンの塊でコア投資を続けてきた身からすれば、この先の株式市場がどうなるかは分かりませんが、少なくても「直近2年間のような上昇相場が今後も延々と続くわけがない」ということは感じています。直近ですと2020年のコロナショック、2022年のQT相場、今年の植田ショックは記憶にも新しいところです。
これを超えるようなことが2025年に起こらないとは言い切れません。個人的にはそろそろ急ブレーキがかかる日が来るのではとも思っています。そうした中でローン完済した自宅マンションは今後、毎月13万円ほどのお金を自分に運んでくれるまさに「金の卵を産むニワトリ」となるわけです。定期収入を失うぼくにとってこれは大変貴重です。
ぺいぱの今後の定期収入は、
・家賃収入(自宅マンション)…およそ月13万円
・広告収入(YouTubeとブログ)…およそ月3万円
・運用収入(オルカン)…損益不透明で配当金もなし
このか細い3本柱となります。これでしばらくやっていくことになる中で、やはり月13万円というのは偉大。以前にポートフォリオを将棋の布陣に例えたこともありましたが、
王将…👤ぺいぱ
飛車…🌏オルカン
角行…🏠マンション
金将…🥇ビットコイン
銀将…🥈イーサリアム
歩兵…💴日本円
こんな感じになるでしょうか(笑)
なお、アセットアロケーションの現時点および住宅ローン完済後の推定値はこのような形です。
■2024年11月13日時点
全世界株(59.14%)
不動産(19.44%)
暗号資産(14.33%)
法定通貨(7.09%)
■住宅ローン完済後の推定値
全世界株(37.03%)
不動産(39.53%)
暗号資産(14.33%)
法定通貨(9.11%)
ご覧のようにオルカン(全世界株)偏重だったものがかなり不動産とのバランスが取れることが分かります。投資の基本は「長期・分散・低コスト」です。分散をして不測の事態への守備力を高めていくという考え方にも通じます。
株式の場合はインデックスだったとしても、年間で20%、30%プラスになる事はあり得ます。今年がまさにそうですね。一方で、自宅マンションの実勢利回り(年間家賃収入÷実勢価格×100)を見ていくとぼくの場合およそ3.91%となります。もちろんこれは常に貸し出しできている状態ですから、ここをアッパーに下がることもあり得ます。
こうやって見ていくと株式が有利そうですが、過去100年平均での全世界株式は年5.2%であるという実績を踏まえると、最終的には同じようなところに収斂していくのかもしれません。いずれにしても、上にも下にも大きく振れやすい株式の比率を少し下げることで、生活に安定と安心を確保する。そんなところが今回住宅ローンを完済する理由の1つになっているわけです。
住宅ローンは苦労の先延ばし
住宅ローンという存在の捉え方は色々あると思いますが、一言でいえば「苦労を先送りにする金融商品」です。
よく報道で耳にするような「夫婦でペアローンを組んで、その後離婚して返済できなくなった」とか、「70代・80代に入っても住宅ローンが完済できていないシニアの借金苦」の問題などにあるように 長い人生においてお金にまつわるトラブルで多いのも住宅ローンです。
出尽くされた感もありますが一応メリット・デメリットを挙げるとこんな形になるでしょうか。
⭕️メリット:
・安定収入があれば大きな資金を借りられる。
・住宅ローン控除を受けることができる。
・返済が済めば資産(家)が残る。
・他のローンより金利が低い。
・長期返済で月々の負担が抑えられる。
❌デメリット:
・長期間返済し続ける義務がある。
・利息を含めると総返済額が借入額より多くなる。
・家の価値が下がるとローン残高を下回るリスクがある。
・収入減少があると返済が厳しくなる。
・持ち家を手に入れても維持費がかかる。
通常、住宅ローンは35年前後で組むことが多いと思います。例えば5,000万円のマンションを購入する際、頭金を入れずに金利0.5%で住宅ローンを組むと月の支払いは15万円程度になります。確かにこれなら賃貸に住むより良さそうだし、ぜんぜん手元にお金がなくても買えそうな気になります。35年という期間はそのぐらい人の感覚を麻痺させます。
22歳で社会に出た人が数年働いた後に25歳で35年ローンを組んだらちょうど60歳ですから、定年までに完済を目指すという設計になるわけですが、35年先の未来などどれだけの人が正確に予測できるでしょうか。
そしていまや晩婚化が進んでいますから、自宅を購入するのが30歳を超えてからなんて方もいらっしゃるでしょうし、何よりもぼく自身がそうでした。30歳でローンを組んだとしたら完済時年齢は60歳を超えます。それでも今時点の安定収入があれば融資してくれるのが銀行ですし、今の暮らしが良くなれば後のことをあまり考えないないのがローンを申し込む側の人でもあります。
おそらくこの辺の失敗談については貸している側、つまり銀行で融資を担当している人の方がいろいろな知識や経験を情報としてはお持ちかと思います。ま、公言できないことばかりでしょうけども。ぼく自身は報道で目にするような話ぐらいしか知りませんが、少なくとも金融教育が進んでいない日本においてこの住宅ローンという金融商品にはやや怖さを感じます。
資産形成ができていない。また、そもそもそういう価値観、視点、考え方を根底から持っていないような人が家を買うとき、安易に住宅ローンへ手を出してしまうこと自体、非常にナンセンスです。ぼく自身の反省からもそう思います。
ぺいぱは貯蓄率ゼロだった時代に住宅ローンを組んでいたわけです。その後にドル建ての養老保険なんかにも加入して、そのほかの金融投資は一切してないという、ダメなコンボを決め込んでいたぼくが今そう感じているわけですから、そこまで的外れではないと思います。
住宅価格がたまたまこの14年間で上昇をしていたということで損をすることはありませんでしたが、
・自分の家計がどうなっているのか。
・5年後、10年後に結婚をするのかしないのか。
・子どもは欲しいのか欲しくないのか。
・地方に住むのか、都心に住むのか。
・自身のキャリアプランをどう考えるのか。
せめてこの範囲のシミュレーションをした上でようやく、いくらまでならローンを組めるのか、何年で払い終えることができるのか。そういうことに考えが及ぶはずです。それもなしで一足飛びに「みんなが当たり前のように借りているものだから」という雰囲気や空気に飲まれて場当たり的にお金を借りてしまうからトラブルが起こるのだとぼくは思います。
投資とは縁遠い日本人が普段よく手にする金融商品の1つがこの住宅ローンです。冒頭にもお伝えをした通り、この商品は苦労の先延ばしでしかないので、住宅ローンを組んで新しくマイホームを手に入れた場合、その瞬間は心地良かったりするのかもしれませんが、それは幻想であり、そもそも100%自分の持ち物でもないということを念頭に置いておく必要があります。
おしらせ
キャラクター”ぺいぱ”がデザインされた「資産運用学園やわらか中学校」公式アイテムがついに販売開始!トイレットペーパーを模したキャラデザの由来は、古くなったお札が再利用されてトイレットペーパーになることや、ウン(運)がつく縁起ものだからなど、諸説あり。いずれのアイテムも日常使いできるシンプルデザインです!ぜひお買い求めください!
さいごに
今回、ぼくは住宅ローンを完済をする運びになったことで、今まで株式偏重だったポートフォリオが12月末の時点で大きく変わっていくことになります。
ぺいぱ自身が今まで金融資産を中心に数字を追いかけていたということも含めて 自分の資産管理の仕方や見方というのが今後変わっていくのだと思いますし、そして何よりも比較的攻め続けてきた運用をこの4年間してきた中、いよいよ人生のフェーズが変わっていくのに合わせて守りの運用に入っていく。そういう節目を迎えたわけです。
おかげさまでバランスシート上は無借金経営になるわけですが、流動資産が大きく減った分、よりお金に対する管理をしっかりやっていく必要があるとも改めて思います。
この「やわらか中学校」をご覧いただいている皆さんの中にも、ぼくと同じように住宅ローンを組まれているという方は多いと思います。一方で、賃貸で生涯やり続けていくと考えている方もまた多くいるでしょう。
住まいのあり方にただ1つの正解はありません。家族の形が星の数ほどあるように、住まいのあり方も場所や入手方法を含め様々な選択肢が存在をします。自分が1番心地良い選択肢が何なのか。色々なアプローチを1個1個試してみる。その中から自分の正解を探す。そういう模索も含めて人生なのでしょうね。
皆さんは住宅ローンのあり方、住まいのあり方、どのように考えられているでしょうか。ぜひコメント欄等で教えていただければ幸いです。
人生はノーコンティニュー!悔いのないようにやっていきましょう。
では、ごきげんよう。
とても身近だが、とても怖い顔も持つ、それが住宅ローン。