・ぺいぱの生い立ち
・ぺいぱ家の概略
・両親へのFIRE報告で必要なこと
ごきげんよう、ぺいぱです。
先日11月9日(土)に、ぺいぱ父がぼくの住んでる地域まで来る機会がありまして食事をしました。ちょくちょくLINEでのやり取りはあるのですが、直接会うのはゴールデンウィークぶりです。
ぼくは今年6月、体調不良や体力・気力の限界を感じ、20年近く勤務してきた会社に退職意向を示しました。そして後任者への引き継ぎが完了した10月から有休を使い静養・療養に入っています。退職交渉はまだ続きますが、そんなFIRE準備段階に入った今だからこそ気になっているテーマをこの何週かに渡り紹介してきたわけです。
その中の一つが「FIREすることを両親に伝えるか否か?について考える」でして、実に多くの方々からコメントやアドバイスをいただきました。
そしてこの動画をまとめるのにあたり皆さんがどのような考えを持たれているかを、FIRE済みの方だけでなく、将来予定がある方、いつかはしたいと考えている方も含めて、コミュニティ内でアンケートを取ったわけです。結果はこのようになりました。
・実施場所:YouTubeチャンネル「やわらか中学校」コミュニティ
・集計期間:2024年10月29日(火)〜11月13日(水)
・総投票数:180
Q:FIREする際に両親へ伝えるか?
① 事前報告する。(28%)
② 事後報告する。(24%)
③ 言う必要なし。(48%)
ざっくり言えば、報告をする・しないで半々、報告するタイミングは事前が事後よりやや優勢。そんな感じです。いずれにしても「事後報告」と「言わない」を合わせると実に7割以上となりますから、もう十分大人なんだからどうするかは自己責任で、というのが世の中の温度感なのかもしれません。
ぼく自身は元々「言う必要なし」派だったんですが、皆さんのご意見なども踏まえながら「事後報告」の線で考えることにし、会社との退職交渉の進捗を踏まえながら報告時期を探ろうとシフトしていきました。しかし、結果として事前報告になるという、まったく真逆となりました(笑)人生というのはどれだけ頭の中でシミュレーションをしても、現実での結果がまったく異なるなんてことはよくあるものですね。
さてそんな今回は、FIREすることを両親に事前報告したぺいぱの実体験を包み隠さずお話をしていきます。現在、FIREを検討されている方が将来役に立てるような情報になっているかと思いますので、ぜひ最後までお楽しみください。
ぺいぱ、FIREすることを両親に報告し終わる。
まずぺいぱ家の概略です。
<ぺいぱ家>
地方在住:
父…70代中盤(元公務員)
母…70代中盤(専業主婦)
郊外在住:
妹…40代前半(サービス業)
都心在住:
🧻…40代中盤(IT業界)
このような形です。ぼくも妹も両親の扶養からは外れており、それぞれ独立した生活をおくっています。父親は60歳で定年退職を迎えた後、公務員時代に取得した資格を活かして現在も民間企業で嘱託勤務を続けており、母は父の扶養に入っています。
ぼくは大学およびダブルスクールをしていた専門学校を卒業後、2000年に社会人になって以降、都心で一人暮らしを始めました。このタイミング以降、両親に資金面での援助を受けたことはありません。
過去2回転職をしていまして、最初はベンチャー企業におよそ2年。次はIT企業でおよそ3年。そして同じ業界である現在の勤務先がおよそ20年。かれこれ四半世紀社会人をしてきたことになります。
なお、1回目、2回目の転職の際は両親には事後報告でした。当時どのように話をしたかすら覚えていませんから、自分にとってはたいした話題ではなかったのでしょう。ま、FIREする話と転職する話とでは、その質は全然違いますけどね。あと、年齢も当時は若かったですから40代中盤で無職になるのともまったく違うと言えます。
ぼくが就職した年が2000年であることからも分かる通り、当時は「就職氷河期」でした。
主に1990年代半ばから2000年代前半の時期を指す。バブル経済崩壊後の不景気の影響により、この期間で大学や高校を卒業した世代は正社員としての就職が困難で、多くの人が非正規雇用に就くことを余儀なくされた。この影響は現在でも尾を引いており、この世代は生活基盤やキャリア形成が安定しづらく、現在でも社会的に支援を必要とする「就職氷河期世代」として取り上げられることがある。
ぼくは社会人の最初をデザイナーとしてスタートを切りました。地元近くの四年生大学に進学をしたのですが、将来はクリエイティブな仕事がしたいと考えており、大学に通いながら自費で夜間の専門学校に進学をしたんですね。
当時はNTTドコモがインターネットに繋がるケータイ電話サービス「iモード」を始めた時期でもありました。ぼくは趣味の延長でWebサイトを立ち上げ、作成した待受画像をアップ。それが色々な雑誌に取り上げられたりした流れで声をかけられ、最初のベンチャ企業入社にたどり着くわけです。
そのためいわゆる大学3年生が行うような「就職活動」というのをしていないんですよね。1995年にMacが自宅に導入されて以降、ネットやモバイルなどのITに興味を持ち続けたこともあり、ずっとそのトレンドを追い続けてきましたので、不景気ということを肌で感じたことも実はありません。
これは純粋に運が良かっただけなのですが、いずれにしても今のぼくの基礎となっているのは
・1995年にMacが自宅に導入されたこと
・IT業界という伸び代のある分野に足を踏み入れたこと
・社会人の第一歩がベンチャー企業への入社だったこと
このあたりになります。
さて、本題に戻しましょう。そんな背景がある中で、ぺいぱ父との食事の際「最近、仕事はどうなの?」と聞かれたことを受けまして、ぼくはFIREをすることを切り出したわけです。
なお、「FIREをする」という伝え方はしていません。そもそも単語も伝わらないでしょうしね。FIREは「経済的自立」と「早期退職」の2つの意味を併せ持っていますので、それぞれを分解して丁寧に伝えました。
・体調が悪いので会社を辞めること。
・生涯必要なお金は手元にあること。
・今後は物書きをやっていくこと。
シンプルにこの3つです。これは、視聴者の皆さんからいただいたアドバイスをかなり参考にしました。結局のところ、両親が気になるのは「なぜ会社を辞めるのか?」「お金は大丈夫なのか?」「辞めた後にどうするのか?」ここになるわけです。
つまりこれらを順を追って丁寧に説明をすることこそが、FIREすることを両親に伝える上で、最もシンプル・効果的な方法になるのだと思います。あとは、それぞれのご家庭環境(扶養の状況など)や、労働に対する価値観などにより、受け取り手の心情は変化していくでしょう。
ぺいぱ父はぼくからの話を受けてこんな反応をしました。
・体調は大丈夫なのか。
・仕事を楽しくやっていると思っていた。
・40代半ばはそういうことを考える時期だよね。
・退職後は自分のペースで生涯やれることを見つけたほうがいい。
・勤務先の上長には世話になったわけだから丁寧に退職話を進めたほうがいい。
会社を辞める、と切り出した瞬間は「え!?なんで辞めるの?」とかなり驚いた様子でしたが、先ほど紹介したような順番で丁寧に考え方を話すと、予想以上に飲み込みが早かったです。むしろ今後についてのアドバイスまでもらうぐらいでした。
特に直接話をして良かったと感じたのは「仕事を楽しくやっていると思っていた」という部分ですね。まぁ、仕事がシンドイというような話をこれまで一切してきませんでしたので仕方ありませんけどね。
なお、ぼくからはここぞとばかりに独身管理職の辛さを話しました(笑)「やわらか中学校」で動画やブログにまとめていることもあり、このパートもすごく分かりやすく伝えることができました。皆さまのおかげでもあります。
おしらせ
キャラクター”ぺいぱ”がデザインされた「資産運用学園やわらか中学校」公式アイテムがついに販売開始!トイレットペーパーを模したキャラデザの由来は、古くなったお札が再利用されてトイレットペーパーになることや、ウン(運)がつく縁起ものだからなど、諸説あり。いずれのアイテムも日常使いできるシンプルデザインです!ぜひお買い求めください!
さいごに
あと、もう1つ聞けて良かったなと思ったのは、ぺいぱ父自身が定年まで働いたことを実際にどう感じていたかです。労働に対する70代の価値観を聞く機会はあまりありませんから貴重でした。
ぺいぱ父
「自分の時代はそもそも60歳まで働くという選択肢しかなかったから、それが良いかどうかなんて考えたことも無かった。」
たしかにその通りなのだろうと思います。一方通行で情報が流れてくるラジオ・新聞・テレビといった旧来メディアが中心の時代を生きてきた人です。他人が生き方をどう考えているかなんて分かる手段もあまり無かったでしょう。
アメリカでも2008年のリーマンショックまでは、イケイケどんどんで馬車馬のように働いて稼いだお金を湯水の如く使っていく。そんな雰囲気だったと思います。それを踏まえると現代は課題も多いですが、個人に多くの裁量が委ねられている。それを活かすも殺すも自分次第。そんな自由さがあることに感謝をしなければいけないと感じます。
ちなみに、この食事の後しばらくしてぺいぱ父からLINEがきまして、ぺいぱ母に話をしたところ「懸命な判断だね」という反応だったそうです。これにてぺいぱのFIRE両親開示計画は終了いたしました。貴重な体験談やアドバイスをいただいた皆さま、本当にありがとうございました。
今回の話が今後FIREをされるすべての方にとって参考になれば嬉しいです。
人生はノーコンティニュー!悔いのないようにやっていきましょう。
では、ごきげんよう。
仕事で学んだ交渉術はプライベートでも役に立つ。