・ポジショニング把握をすべし
・先人たちの知恵を活用すべし
・自分流にカスタマイズすべし
ごきげんよう、ぺいぱです。
このブログの内容は動画でも解説しています。
資産形成を効率よく進めるためには、ただお金を「貯める」「投資する」といった行動をするだけではなく、その裏にある法則やルールを理解することが重要です。これらは一見複雑そうに感じる資産形成の仕組みを捉えやすくシンプルにし、自身のポジショニングや目標設定、各種判断を助けてくれるツールのようなものです。
そんな今回はこれら法則・ルールをドドンと15連発していきます。ざっとこのようなものです。
資産運用関連
・72の法則:元本が2倍になる年数を計算できる。
・115の法則:元本が3倍になる年数を計算できる。
・4%ルール:リタイア後の資産取り崩しルール。
・60/40ポートフォリオ:株式と債券のバランス配分に関する指針。
・リスク許容度の法則:投資リスクを年齢や資産状況に応じて管理する考え方。
・コストの複利効果:手数料が長期的に大きな影響を与えることを示す法則。
家計管理関連
・資産期待額の法則:今どの程度の保有資産であるべきかの目安。
・50/30/20ルール:生活費/趣味/貯蓄の適正値。
・35%ルール:収入を踏まえた住宅費の指針。
・36分の1ルール:賃貸契約時に必要な年収の目安。
その他
・パレートの法則:行動と成果との関連性。
・メラビアンの法則:対面コミュニケーションにおける非言語的な要素。
・ハインリッヒの法則:大きな労働災害や事故の背景に潜むこと。
・パーキンソンの法則(第一法則):仕事と時間との相関性。
・パーキンソンの法則(第二法則):支出と収入との相関性。
これらの法則やルールは、長い年月をかけ資産形成や資産運用の実践者たちによって磨き上げられてきたまさに「先人の知恵」であり、その後多くの人々が資産を増やすためのツールとして活用してきました。
これらから導き出される数値だけが唯一の正解というわけではありませんが、自分が置かれている状況の把握や、将来の目標設定を作る際の参考情報には間違いなくなると思います。
すでにご存知のものも多くあるかもしれませんが、来年の抱負や目標を立てられる際の参考にしていただければと思います。
資産形成に役立つ15の法則やルール
では早速いってみましょう!
■72の法則
概要:
元本が2倍になる年数を利回りから算出するシンプルな計算方法。資産形成で重要な複利効果を直感的に理解できるため初心者にも使いやすい。目標に向けた計画を立てる際の参考になる。
計算式:
資産が2倍になる年数 ≒ 72 ÷ 年平均利回り
事例:
年平均利回りが6%なら「72 ÷ 6 = 12」。つまり12年で資産がおよそ2倍。100万円を6%で運用すると12年後には200万円になる。さらに利回りが8%なら9年、12%なら6年と、当たり前だが利回りが高いほど早く資産が増えることが分かる。
……………………………………
■115の法則
概要:
元本が3倍になる年数を利回りから算出する計算方法。
計算式:
資産が3倍になる年数 ≒ 115 ÷ 年平均利回り
事例:
年平均利回りが6%の場合、「115 ÷ 6 ≒ 19.2」。つまりおよそ19.2年で資産がおよそ3倍。100万円を6%で運用すると19.2年後には300万円になる。さらに利回りが8%ならおよそ14.4年、12%ならおよそ9.6年かかる。
……………………………………
■4%ルール
概要:
リタイア後の資産を安全に取り崩すための指針。米国株式(S&P500)を中心とした運用、米国のインフレ率をもとにした考え方。FIRE(経済的に自立した早期退職)に向けた必要資産額の算出によく用いられる。
計算式:
年取り崩し額 = 資産総額 × 4%
事例:
リタイア時に5,000万円の資産を持っている場合、「5,000万円 × 4% = 200万円」となり、年間200万円を取り崩して生活することが可能。この範囲であれば資産が枯渇することなく長期にわたって生活を支えることができるとされる。年間生活費の25倍という計算でも良い。
……………………………………
■60/40ポートフォリオ
概要:
運用ポートフォリオを株式60%と債券40%にするという配分方法の一つ。市場変動に対するリスクを抑えつつ、一定のリターンを狙えるため、初心者から上級者まで幅広く採用されている。
計算式:
株式投資額 = 資産総額 × 60%
債券投資額 = 資産総額 × 40%
事例:
資産が1,000万円ある場合、60%を株式に、40%を債券に投資すると、株式には600万円、債券には400万円を配分することになる。通常、債券は株式と逆相関するため、このポートフォリオを構築すればリスクを最小限に止めながらリターンを最大化させることができる。
……………………………………
■リスク許容度の法則
概要:
投資において自分が許容できるリスク範囲を年齢から算出し、資産配分を決定するための法則。長期的な資産運用を行うための鍵は、自身のリスク許容度を正確に把握しておくことである。
計算式:
リスク資産比率 = 100 – 年齢
事例:
リスク資産は株式、安全資産を債券(現金でも良い)と考え、30歳の投資家の場合のリスク資産比率は「100 – 30 = 70%」。つまり70%を株式、残りの30%は債券に投資することが推奨される。50歳の場合は株式50%・債券50%、70歳の場合は株式30%・債券70%となる。
……………………………………
■コストの複利効果
概要:
投資におけるコストが時間の経過とともにどれだけ資産に影響を与えるかを示す法則。複利効果は利益を増やす働きがある一方で、コストも積み重なっていくため、長期投資においてはコスト影響も非常に大きいことを理解することが重要。低コストの投資方法を選ぶことで、最終的なリターンを最大化できる。
計算式:
将来のコスト額 ≒ 初期投資額 × (1 + コスト率) ^ 年数 − 初期投資額
事例:
年間1%の手数料がかかる投資信託に100万円を投資した場合、10年後にどのぐらいの手数料になるかを計算してみると「100万円 × (1 + 0.01) ^ 10 – 100万円」となり、10年間でおよそ10万4,622円のコストが積み重なることになる。
■資産期待額の法則
概要:
年齢と年収額(額面)を元に、現時点でどの程度の資産を保有しているべきなのかを算出できる。あくまで目安であり、目標を具体化するための参考値として活用される。
計算式:
資産期待額 = 年齢 × 年収 ÷ 10
事例:
年齢が30歳で年収が500万円の場合、資産期待額は「30 × 500万円 ÷ 10 = 1,500万円」。この場合、30歳の段階で1,500万円は保有しておきたい、目指しておきたい。そういった目安となる。
……………………………………
■50/30/20ルール
概要:
収入をどの割合で「生活費」「趣味・娯楽」「貯蓄・投資」に回すべきかを定めたもの。この割合をベースにした上で自身に合った基準を作ることで、生活しながら資産形成を着実に進めることができる。
計算式:
生活費 = 収入 × 50%
趣味・娯楽 = 収入 × 30%
貯蓄・投資 = 収入 × 20%
事例:
年収400万円の場合、生活費は200万円、趣味や娯楽に120万円、貯蓄や投資に80万円を割り当てることができる。
……………………………………
■35%ルール
概要:
住宅費(毎月の家賃や住宅ローン返済など)を月収の35%以内で収まるようにするという基本的なガイドライン。生活費が過剰に膨らむことを避け、余裕を持って貯蓄や投資に回すための目安となる。無理なく安定した生活を維持するための指標として広く使われている。
計算式:
住宅費 = 手取り月収 × 35%
事例:
月収30万円の場合、住宅費は月10万5,000円以内に、月収50万円の場合は月17万5,000円以内に抑えるべき、ということになる。
……………………………………
■36分の1ルール
概要:
賃貸契約を結ぶ際に必要な年収の目安を示す法則。物件選びの判断に役立つ。
計算式:
賃貸契約の必要年収 = 月額家賃 × 36
事例:
月額家賃が10万円の物件を借りたい場合、36分の1ルールを適用すると「10万円 × 36 = 360万円」、つまり360万円の年収が目安となる。
■パレートの法則
概要:
物事の成果や結果が不均衡(ふきんこう)に分布していることを示す法則。時間管理やビジネスにおいて、少数の重要な要素が大部分の結果を生み出しているのを理解することで、効率的にリソースを活用できる。
計算式:
成果の80% = 20%の要因
事例:
例えば、ビジネスにおいて売上の80%が、顧客の20%から生まれている場合が多い。このことを理解すると、優良顧客に対してもっとリソースを集中させることで、効率よく売上を増加させることができる。また、自己投資においても、時間や労力の20%で最も成果を生むことが多いため、効果的な学習方法を見つけ、時間を有効に使うことが重要になる。
……………………………………
■メラビアンの法則
概要:
コミュニケーションにおける非言語的な要素が、言葉そのものよりも大きな影響を与えるという法則。特に対面でのコミュニケーションにおいて、言葉の内容だけでなく、声のトーンや身体の動き、表情が重要であることを示している。
計算式:
伝わる情報 = 言葉の内容(7%) + 声のトーン(38%) + 表情や動き(55%)
事例:
営業担当者が製品の特徴を説明しているとき、その内容がどれほど素晴らしいものであっても、声のトーンや表情が冷たければ、顧客はその製品に対する信頼感や興味を持たない可能性が高い。逆に、製品に対する情熱や信頼を込めた声・表情で伝えると、相手により強く印象を与えることができる。
……………………………………
■ハインリッヒの法則
概要:
1つの重大な事故や災害が発生する前に、複数件の軽微な事故や危険な兆候が存在し、その裏ではさらに多くの小さな事故やヒヤリハットがあるという法則。
計算式:
重大事故の件数 = 1件
その裏で起きている軽微な事故の件数 = 29件
さらにその裏で起きているヒヤリハットや危険な兆候 = 300件
事例:
工場で1件の重大事故が発生した場合、過去には29件の軽微な事故や危険な状況があった可能性がある。例えば、機械の不具合や作業中のちょっとしたミスが、最終的に大きな事故に繋がることがある。これらを無視せず、改善策を講じることで、重大事故のリスクを減少させることができる。
……………………………………
■パーキンソンの法則(第一法則)
概要:
「仕事は、与えられた時間をすべて使い切るまで膨張する」という法則。
計算式:
仕事の完了時間 = 与えられた時間
事例:
1週間の期限でレポートを提出することになった場合、最初は計画的に作業を始めるが、余った時間を無駄にしてしまうことがよくある。しかし、もし期限が3日間だった場合、3日で終わらせるために集中して効率よく作業を進めることができる。このように、適切な期限設定が作業の効率化に繋がる。
……………………………………
■パーキンソンの法則(第二法則)
概要:
「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」という法則。
計算式:
支出額 = 収入額
事例:
例えば、年収が500万円から700万円に増えた場合、生活水準も自然とそれに合わせて高くなり、支出が増えてしまうことがよくある。これにより、収入の増加分がそのまま支出に消えていくことになる。収入が増えても、支出を意識的にコントロールしない限り、貯金や投資に回すお金は作れない。
おしらせ
キャラクター”ぺいぱ”がデザインされた「資産運用学園やわらか中学校」公式アイテムがついに販売開始!トイレットペーパーを模したキャラデザの由来は、古くなったお札が再利用されてトイレットペーパーになることや、ウン(運)がつく縁起ものだからなど、諸説あり。いずれのアイテムも日常使いできるシンプルデザインです!ぜひお買い求めください!
さいごに
今回は「資産形成に役立つ15の法則やルール」について紹介して来ましたが、いかだったでしょうか?
資産運用関連
・72の法則:
資産が2倍になる年数 ≒ 72 ÷ 年平均利回り
・115の法則:
資産が3倍になる年数 ≒ 115 ÷ 年平均利回り
・4%ルール:
年取り崩し額 = 資産総額 × 4%
・60/40ポートフォリオ:
株式投資額 = 資産総額 × 60%
債券投資額 = 資産総額 × 40%
・リスク許容度の法則:
リスク資産比率 = 100 – 年齢
・コストの複利効果:
将来のコスト額 ≒ 初期投資額 × (1 + コスト率) ^ 年数 − 初期投資額
家計管理関連
・資産期待額の法則:
資産期待額 = 年齢 × 年収 ÷ 10
・50/30/20ルール:
生活費 = 収入 × 50%
趣味・娯楽 = 収入 × 30%
貯蓄・投資 = 収入 × 20%
・35%ルール:
住宅費 = 手取り月収 × 35%
・36分の1ルール:
賃貸契約の必要年収 = 月額家賃 × 36
その他
・パレートの法則:
成果の80% = 20%の要因
・メラビアンの法則:
伝わる情報 = 言葉の内容(7%) + 声のトーン(38%) + 身体の言語や表情(55%)
・ハインリッヒの法則:
重大事故の件数 = 1件
その裏で起きている軽微な事故の件数 = 29件
その裏で起きているヒヤリハットや危険な兆候 = 300件
・パーキンソンの法則(第一法則):
仕事の完了時間 = 与えられた時間
・パーキンソンの法則(第二法則):
支出額 = 収入額
これらの法則・ルールは、資産形成において非常に有用な指標となりますが、必ずしも全ての人に当てはまるわけではないことの理解も大切です。あくまで目安として使うべきものであり、実際の資産形成には自身のライフスタイル、収入状況、将来設計に応じたカスタマイズが必要だからですね。
また、これらは同じ結果を導き出さない点にも注意が必要です。例えば「リスク許容度の法則」と「60/40ポートフォリオ」で算出した株式比率は異なりますし、「50/30/20ルール」と「35%ルール」での住宅費は必ずしも一致しないでしょう。
異なる前提や目的に基づいて設計されているからです。それぞれの法則・ルールが自分の状況や目標にどのように適しているかを理解し、適切に活用することが大事だということです。
思えば、ぼくもこれらを使って算出した数字を見て、夢を膨らませたり、ゴールまでの長さに愕然としたり、色々な喜怒哀楽がありました。理論通りにいかないことも多々あります。
それでも、こうした計算式に自身の現状を当てはめるような人はお金に対する意識や関心が高いわけですから、その姿勢を続けていけばきっとうまくいきます。
さてここで、ぼくからは1つご報告があります。
YouTubeチャンネル「資産運用学園やわらか中学校」は2021年6月20日に最初の投稿をしてから3年6ヶ月。先日12月23日、おかげさまで念願のチャンネル登録者数が1万人を突破しました!いつもご覧いただいている皆さま、本当にありがとうございます。
思えば今年5月にこんな回をお送りしたことがありました。それが『是が非でも達成したい「万垢」と「億り人」』です。
ぼくは2つほど是が非でも達成をしたい目標がありました。それが「YouTubeチャンネル登録者数1万人(万垢)」と「純資産1億円(億り人)」の2つ。いずれも日本全体のおよそ3%ほどだと言われています。
これを達成したところで何かをもらえる、人生が大きく変わる、というものではありませんが、それでもやっぱり達成したい。ビデオゲームにおけるアチーブメント(トロフィーやバッジ)と同じようなものなのかもしれません。
そして、結果としては
・純資産1億円:2024年11月25日に達成
・登録者数1万人:2024年12月23日に達成
なんとか年内にテープを切ることができました。実際に達成してみての実感ですが、圧倒的に「1万人登録」の方が難しい!…ということでぺいぱの法則はこれです。
難易度
「登録者数1万人」>「純資産1億円」の法則
資産によって得られる富は、労働によって得られる富よりも成長が早い、というかの有名な「r>g」的な仰々しさがありますが、もうぼくはこれですね。なぜ1万人登録の方が難しいか。それはすごく簡単です。複利効果が働かないからです。
資産の伸びは加速します。これは間違いありません。複利効果以外にも、お金に愛される生き方、お金を増やしていくためのコツ、そうしたものが追い風となるからです。ただ、YouTubeのチャンネル登録者数は、動画の質と量。これがすべてです。投資と違い「ほったらかし運用」ができません。
常に求められる動画、愛される配信者でなければいけない。これは、スポーツ選手や芸能人とも通じる部分があるかもしれない。だからこそ収益化基準の1,000人登録を前に多くの人が脱落するし、一方で輝かしい功績を残しながらも去っていく配信者もいる。そんな厳しい世界です。
そういうことからもぼくは『「登録者数1万人」>「純資産1億円」の法則』を提示させていただきました。
というわけで、ぜひ皆さんも普段からよく使っている、またはお気に入りの法則・ルールなどがあればぜひ教えてください!資産形成に限らなくてもぜんぜん良いです(笑)
人生はノーコンティニュー!悔いのないようにやっていきましょう。
では、ごきげんよう。
法則・ルールは知っているかどうかで人と差がつく。