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大事故の防ぎ方

大事故の防ぎ方
こんな人に読んでもらいたい。

・大事故発生に至るプロセスを知りたい方。
・仕事などでの大事故を未然に防ぎたい方。
・事故発生の予測を素早く察知したい方。

おは一ん、ペーパー先生です。

今回は、仕事などで起こる重大な事故に関する話です。

プロジェクトを進めていると、突然

「必要な契約が終わってません!」とか、
「納期までに開発が終わりません!」とか、

山ほど色々な問題が降りかかってきます。

「いまさら何でこんなことになるんだ!」

と、頭を抱えるリーダーも多いことかと思います。

結論を先にお伝えすると、こうした大事故は「突然」発生するわけではありません。

発生前に、様々なシグナルが出ており、予防のための手立てを講じることができます。

今回は事例を交えながら、皆さんと一緒にリスク耐性を高めていきたいと思います。

相次ぐキャッシュレスサービスでのトラブル

このところ、報道を賑わせているNTTドコモさんの電子マネーサービス「ドコモロ座」の問題。

How to Use ドコモ口座

【出典:NTTドコモ ドコモ口座 公式サイト

「ドコモ口座」と、金融機関の口座を紐づけ、送金をすることで、お手持ちのスマホを使ってd払いで買い物ができるというサービスですが、これが不正に利用されました。

本人が知らないうちに、銀行口座からお金が勝手に引き出されているというものです。

金融機関の提供するオンラインバンキングのセキュリティが甘かった点と、「ドコモロ座」の開設にあたり本人確認が不十分でも可能である、という両サービスの隙間を狙った犯罪です。

同様の事件、実は昨年すでにりそな銀行でも発生していたというから、驚きです。

また、この報道を見た方は、「あれ?なんか前にも同じようなことなかった?」と思われたかもしれません。

昨年夏に発生した、セブン&アイ・ホールディングスさんの傘下企業が手掛けていたバーコード決済サービス「7pay(セブンペイ)」の不正アクセス問題です。

こちらは、犯人が「7pay」の利用者になりすまし、不正入手したID・パスワードでアクセスを繰り返し試みる、というもので、厳密には「ドコモ口座」と同じ手口での犯罪ではありません。

しかし、提供会社がサービス拡大を優先させた代償として甘さが出たセキュリティを突いた犯罪、という点では共通項があります。

では、こうした大事故に繋がっていく背景にはどのようなことがあるのか。

「ハインリッヒの法則」の考え方から学んでいくことにしましょう。

「ハインリッヒの法則」とは

「ハインリッヒの法則」は、米損害保険会社に勤めていたハーバード・ウィリアム・ハインリッヒさん(1886-1962年)が、1962年に出版した論文で紹介された、労働災害における経験則をまとめた考え方です。

ハインリッヒの法則

【出典:ウィキペディア ハインリッヒの法則】

上記の図の通り、1件の重大な事故の背景には、29件の軽微な事故があり、さらにその背景には300件の異常が存在する、というものを記したもので、トライフォースではありません。

この300件は、事故には至らなかったものの、不注意などでの「ヒヤリとした」「ハットした」という事例を指しています。

つまりこの法則の教訓というのは、大事故を未然に防ぐためには、軽微な事故を減らしていく必要があり、これを減らすためには、日々の小さいヒヤリ・ハットが起きないよう、その都度、原因究明と恒久対策を講じていく必要があるということです。

この法則を踏まえて、先に紹介したキャッシュレスサービスでの事例まで戻ります。

「ドコモロ座」や「7pay」、どちらの事案もヒヤリ・ハットは数多く確認されていたと思われます。

2段階認証を始めとする本人認証の重要性については、暗号資産の流出事件など他社事例からも学べる部分がありました。

そこでの気付きがなかったとしても、1件目の事件について速やかに責任のある立場の人へ情報が上がっていれば、サービスの一時停止や消費者への注意喚起がもっと速やかに行えたと考えることができます。

にも関わらず、大事故にまで至ってしてしまうわけです。

この考えの活かし方

元々は、損害保険での事故や災害についての考え方をまとめたこの法則は、ビジネスシーンでも使われています。

経営危機を招くような不祥事や違反などを発生させる前に、その前兆を捉え対処をしていくという考え方として、十分応用ができるからです。

先生は自分の仕事でもフル活用をしています。

例えば部下が、

「急に挨拶をすることがなくなった」
「週報で気になるコメントあった」
「ケアレスミスが目立つようになった」

これを読まれている皆さんが、どのレイヤー・規模でマネジメントをされているのかにもよりますが、先生は自分が担当している部門メンバーについて、このぐらいのレベルからヒヤリ・ハットを注意して見るように心がけています。

これをほっておくと、

「急に休職者が出たのでスケジュールに影響が出ます!」
「サービスイン直前なのに致命的なバグが残ってます!」
「作ろうとしていた内容と全然違うものになってしまいました!」

という軽微な(これでも十分致命的ですが・・)事故が起こり、最終的には、「今期中の納品が間に合わないので利益未達です!」みたいな大事故となります。

ぜひ皆さまも、ヒヤリ・ハットを探すことから始めてみましょう!

では、ごきげんよう。

今日のまとめ

「プリコグ」は無いけど、ぼくらには「ハインリッヒの法則」がある。

   

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