・比べる先は常に過去の自分
・ぺいぱはシンプルが好き
・資産形成は長い長い航海
ごきげんよう、ぺいぱです。
日々、資産形成や運用に関する話題をお届けしているやわらか中学校。ご覧いただいている皆さんの資産は順調に育っていますでしょうか?
このブログの内容は動画でも解説しています。
多くの方が月・年単位でその推移を把握・分析されているのではないかと思います。ぼく自身も定期コンテンツの「収支・運用状況」で月末締めの概況をお届けしている通り、このスパンで見える化をしています。
色々と節目を迎えた7月末の収支・運用状況についてはこちらの回「2023年7月の収支・運用状況:もしも10万円/100万円/1,000万円/1億円/10億円があったら何を買う?」でご覧いただければと思います。
資産形成というのは、他人と勝ち負けを競うものではなく相手は自分自身。特に過去の自分と競い続ける。そして常にわずか上を目指す。そんな競技なのかもしれません。
「マリオカート」のタイムアタックにおいて、自身のコースレコードの分身と競うなんてものがありますが、まさにこれですね。
さて、今回はぺいぱ自身が最近少し気になっていることを話題にしてみます。
2023年の株式市場は7月末まで絶好調でした。ただし、好調過ぎる相場はどこかで必ず急ブレーキがかかるもの。8月以降は調整局面が続いていますが、個人的にはこのぐらいがちょうど良いと感じますね。
そんな中でも『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』と同じ指数で運用されるACWI ETFは年初来+10%、ナスダックについては+30%を一時期超えていましたから、インデックスファンドの保有をされている方は今年、金融資産を大きく伸ばされたのではないでしょうか。
ぼくもそのうちの一人で、オルカン8割+暗号資産1割+現金1割というアセットアロケーションにおいて、7月末時点での投資利回りは+25.9%、含み益は1,000万円を超えました。
こんな状況ですから、SNSでは「何もしないでお金がどんどん増える」「こんな楽して資産増えていいのだろうか」「逆にマイナスになってる人が信じられない」と言ったようなコメントも多く目につくように。
色々挙がる声の中でもぼくが一番気になっているのは、「今年の目標を上方修正します」「FIREの予定時期を前倒しします」といった内容です。
先ほど触れたように、資産形成は自分自身との戦いです。外野があれこれ口を出すものでもありませんが、ぼくの見解をお話ししておきますと、市場が好調だろうが不調だろうが目標設定は変えない方が良いと考えています。
改めてぺいぱの資産形成、目標設定のおさらいをしましょう。
■目的
・好きな場所で好きな時間に好きなことをする。
■目標
・2026年中に金融資産7,500万円を超える。
├4,700万円(2023年中)
├5,500万円(2024年中)
├6,400万円(2025年中)
└7,500万円(2026年中)
■手段
・収入を前年より増やす。
・貯蓄率60%を達成する。
・年間4%で運用する。
目標である7,500万円の設定背景ですが、過去実績から年間支出が500万円であると仮定。家賃収入が年間144万円。さらに月10万円(年間120万円)を、無くても生活可能な出費である娯楽費とした場合、それを除いた確定支出は236万円となります。
金融資産7,500万円を年間4%で運用することができれば、税金控除後で240万円となりますから、確定支出を資産運用だけで補うことができる計算となるため、この設定というわけです。
7月末時点での金融資産は5,005万円となっており、目標対比で106.48%。すでにクリアしています。じゃあ、この設定を1年前倒しして今年中に5,500万円を目指すのかというと、それはしません。
今回は、その考え方の背景を3つお伝えしようと思います。基本的にはインデックスファンドをコアに長期運用をしている場合という前提に立った話となります。
現在、資産運用をされている方。これからされようと準備をしている方。目標設定を立てられる際の1つの参考にしていただければ幸いです。
資産運用における目標の上方修正をしない理由
ぺいぱが目標の上方修正をしない理由。さっそく見ていきましょう!
これを見ている個人投資家の多くはインデックスファンドの長期保有になるかと思います。ぼくも例外に漏れずそうです。その場合、相場の好不調問わず継続的に積立し続ける、もしくは塊を保有し続ける、そんな運用になるかと思います。
では、相場が好調だからといって目標を上方修正したらどうなるでしょうか。その後急落した場合、目標との乖離をキャッチアップするために入金力を激しく上げまくるか、ハイリスク・ハイリターンの商品を投入して挽回を目指す必要が出てきますね。
これが会社の売上だったら話は別です。期の途中でその年度の目標を達成してしまったら、さらに上を目指すために上方修正をします。当たり前ですが、売上の場合はすでに達成した結果はそれ以降も揺るがないからです。加えて、売上を増やす取り組みは自分たちの努力や工夫でコントロールも可能です。
改めて資産運用に話を戻すとどうでしょうか。運用成績は自分一人の力では動かせません。インデックス投資は世の中の経済成長に身を委ねているわけですから、そりゃそうです。
結構ごっちゃになってる方多いと思いますので、ここで「目的」「目標」「手段」、それぞれの言葉の定義を説明しておきます。
■目的
・最終的に達成するべきこと。
■目標
・目的を達成するための指標。
■手段
・目標を達成するための方法。
詳しくはこちらの回『正しく知れば成果が出る!「目的」「目標」「手段」の違い』でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
「26年末までに7,500万円」という目標を達成するための手段にぼくはこの3つを挙げています。「収入を前年より増やす」「貯蓄率60%を達成する」「年間4%で運用する」。前2つは自身の努力である程度は改善をしていくことができますが、最後の運用利回りだけは頑張りようがありません。
唯一できることと言えば、年平均4%を実現できる低コストのインデックスファンドをしっかり選ぶこと。ぼくの場合だとオルカンになるわけですが、それを選んだ時点でやれることは終了というわけです。
そしてやれることが少ない割に、一番結果を左右するのもここだったりします。
そんな観点から、ぼくは相場が好調だろうが不調だろうが、目標は触らないことを心がけています。
先ほどの話にも通じる部分がありますが、長期投資家は20年、30年と長い期間を想定し運用しています。ぼくも仮に80歳まで生きるとしたら、残り35年ほどは運用が続くことになります。
自分で立てておいてこんなことを言うのもあれですが、年間目標なんかいらないぐらいです。資産形成というのはどういう道を辿ろうが、結局はゴール(=目的)することがすべてだからです。
「富士山に登頂する」という目的があった場合、そのルートが静岡側からだろうが山梨側からだろうが構わないのと本質的には同じです。どちらだったとしても無事に登頂さえすれば良い。
ぺいぱ自身は2026年末までに7,500万円の金融資産を築くことが目標ですが、ぶっちゃけ今年中に4,700万円を達成しなかったとしてもしょうがない。もちろん自助努力可能な「収入を前年より増やす」「貯蓄率60%を達成する」はひたすら取り組みます。その上で「年間4%で運用する」ことに身を委ねるわけです。
一度決まった自分の型をいじらず、マイペースに行く。これこそが長続きの秘訣でもあると思います。
こちらの回「オルカン(全世界株式)を丸2年保有し続けてきた実体験から語る:長期運用をするために必要なこと」もぜひ参考にしてください。
長期運用をするために必要な「無理をしない」「無茶をしない」「無謀なことをしない」の3つを解説しています。
何事も長く続けるにはシンプルが一番です。色々と複雑なことを義務化してしまうと、途中で嫌になって辞めてしまいます。ぼくはそうやって挫折した趣味とか学びが過去に山ほどありました。
やわらか中学校では筋トレをしている話を何度かさせてもらってますが、これも「毎日これを食べないとダメ」「毎回このトレーニングをしないとダメ」「ダンベルを何kg上げないとダメ」など、あれこれ条件をつけると嫌になって続きません。
ぼくの目標はシンプルに「ウルトラマンのような身体づくり」(笑)ウルトラマンは身長40m・体重3万5千tですが、人間大ではおよそ185cmの長身。厚い胸板とスラリと長い脚、そして極めつけはめちゃくちゃ小顔。男子ならこの最強プロポーションに憧れないわけにはいかないからです。
資産運用に話を戻しますと、ぼくは金融資産の8割をオルカンに投じています。2021年6月に2,500万円分を一括購入後は毎月30万円分を積立購入し続けていますが、これがぼくの型。
このペースを乱したくない。乱れることがあるとすればそれはどんな時か。そう、相場が不調に陥った時。「いまは積立を止めた方がいいんじゃないか…」という誘惑に駆られるからです。
これは何も不調な時に限りません。好調な時も「もっと積立を増やした方がいいんじゃないか…」という誘惑に駆られます。
資産運用というのは日々、こうした煩悩との戦いでもあります。
トレンドごとに目標を変えてしまうというのは型を乱すことにもなるし、煩悩を増やすことにもなる。いや、そもそも煩悩がそうさせているとも言えます。
だからこそ、1度何らかの根拠を持って立てた目標を、その時の好不調で動かすことがあってはならない。ぼくはそう思います。
おしらせ
キャラクター”ぺいぱ”がデザインされた「資産運用学園やわらか中学校」公式アイテムがついに販売開始!トイレットペーパーを模したキャラデザの由来は、古くなったお札が再利用されてトイレットペーパーになることや、ウン(運)がつく縁起ものだからなど、諸説あり。いずれのアイテムも日常使いできるシンプルデザインです!ぜひお買い求めください!
さいごに
今回は「資産運用における目標の上方修正は必要なのかを考える」をテーマに話を進めてきましたがいかがだったでしょうか。
① 運用成績のコントロールが効かないから。
② 数十年後のゴールだけ見ていれば良いから。
③ シンプルな方が長続きするから。
冒頭でも触れた通り、これはその人の価値観によります。好調な時こそ、自身のモチベーションを上げるために目標も上げるんだ!という方もいらっしゃるでしょう。それはそれで理由があれば良いのでしょう。
もう一つ言っておきたいのは、目標を変えるよりも目的を変えてしまうこと方が悪手だということ。資産形成を大航海に置き換えると、その目的は目指す「大陸」に到着することです。
航海の途中で船長が「やっぱこっちの大陸行きたい」となれば、船ごとズッコケますよね。
何のために資産形成をしているのか。自身の老後のためか、ご家族の教育のためか、育児のためか。ここがブレてしまうようではいけません。なので目的については時間をかけてでもいいから、じっくりと考えて設定することが必要です。
目標はその目的にたどり着くまでの間、進捗がどの程度なのかを確認するための指標です。言い方を変えれば「指標でしかない」ということになります。
ぼくは物事を複雑にしたくありませんから今回お話ししてきたように目標はいじりませんが、ここを微調整しながら目的の大陸に向けて船を進めるやり方だって存在するのでしょう。
そういう点では、ぺいぱも「金融資産」で立てている目標を、所有不動産を含めた「純資産」に置き換えることは将来的にするかもしれません。
資産形成というのは長い長い航海です。そう、長く続けることこそが大事。世界最大級の資産運用会社バンガードのロゴにもあるように、帆いっぱいに風を受けて我々もそれぞれの目指す大陸に船を進めていきましょう。
人生はノーコンティニュー!悔いのないようにやっていきましょう。
では、ごきげんよう。
初志貫徹。