・副業拡大に向けた取り組み
・大企業ほど副業を禁止している
・「中央集権型」からの脱却
ごきげんよう、ペーパー先生です。
限られた労働力を多様化、流動化させることを目的に、
政府が推進している副業拡大。
先日、このような報道がありました。
厚生労働省は企業に対し、従業員に副業を認める条件などの公表を求める方針だ。副業を制限する場合はその理由を含めて開示するよう促す。働く人は勤め先を選ぶときに、副業のしやすさを判断材料にできるようになる。副業を認める企業は増えつつあるが、大企業ほど慎重な傾向があり、情報を開示してもらうことでさらなる普及を目指す。働き方の多様化につながり、雇用の流動化の後押しにもなる。
【出典】副業制限なら理由公表 厚労省、解禁加速へ企業に要請(日経電子版)
2022年6月24日 18:00 (2022年6月24日 18:11更新) [有料会員限定]
ポイントは以下の通りです。
・副業や兼業について定めた厚労省の指針を7月に改定する。
・罰則などの強制力はなく、国から企業側への要請の位置づけとなる。
・経済団体とも連携し、副業禁止の比率が高い大企業などに指針に基づいた対応を求める。
内閣官房が2021年に行った雇用者へのアンケートによると、
大企業になればなるほど、副業を禁止している割合が多いことが分かります。

厚労省の指針とは
では、そもそも厚労省の指針、というのはどんなものでしょうか。
①労働者の安全
②業務秘密の保持
③業務上の競合回避
④就労先の名誉や信用
この4点のいずれかを妨げる場合に限って
企業は副業を禁止または制限できると定めているんですね。
つまり、企業側にとってみればこの指針、
如何様にも解釈ができますから、
副業を禁止する理由にも使われているわけです。
今回、ここに以下が加わります。
⑤副業についての姿勢や容認する条件などの開示
クラウドソーシングサービスを手がけるランサーズによると、
副業や兼業で働いている国内労働者数は、2021年の推計で812万人。
前年比で15%増加し、これは労働力人口の1割を占めます。
働き方の新しい価値観として副業が浸透してきたとはいえ、まだ1割。
そんな見方もできますね。
加速する個人の価値観変化
さて、コロナ禍を経て「個」の時代が加速しています。
在宅勤務などで、自分の時間を持つことが増えた。
引いては自分自身と向き合う時間が増えた。
それによって生き方を見直した人も多かったと思います。
ぼく自身は身の回りのものを一斉に処分してホテル暮らしを始めました。
知人はご家族で都心から郊外に移り住みました。
退職して親元に帰り地元企業で働き始めた人もいます。
この2年間は本当に人々の価値観を大きく変化させました。
「企業」と「個人」との関係すらも見直されてきています。
従来は、資本家が「企業」集団を作り、労働力を「個人」から大量に買って
大きなビジネスを動かしてきたわけです。
「個人」は安定的に給与が支払われますから、労働環境に多少の不満があろうと
ある意味で相思相愛でした。
そうした中で「個人」の価値観が変わってしまった。
でも「企業」の価値観は変わっていない。
「企業」側が「個人」の価値観に合わせにいく必要が出てきたわけです。
「中央集権型」からの脱却
これがどこまで可能なのか。
バラバラである「個人」の価値観を尊重し始めた「企業」は、
果たして集合知を従来のように活かすことができるのか。
これ、まさにWeb3の世界、DAO(分散型自律組織)で起きている挑戦と同じですよね。

【出典】DAO(分散型自律組織)とは?仮想通貨投資家が知っておきたい基礎知識(いろはに投資)
2022-02-02
従来の「中央集権型」からの脱却が「非中央集権型」なわけですが、
一方で後者であっても旗振り役は必要です。
ただし旗振り役が存在するのであれば、果たしてそれは「中央集権型」と
何ら変わりないのではないか。
この話はそんな堂々巡りを生みます。
今回取り上げた副業解禁に向けた取り組みは、
企業が「中央集権型」と「非中央集権型」との間で
良い落とし所を探る取り組みでもある。
そんなことが言えるのかもしれません。
皆さんは働き方についてどのようにお考えですか?
ぜひコメント欄等で教えてもらえると嬉しいです。
人生はノーコンティニュー!
悔いのないようにやっていきましょう。
では、ごきげんよう。
よろしければ、こちらの記事もご覧ください。



個人を尊重した働き方の潮流は止まらない。