・年後半のアメリカ株はどうなるのか?
・年後半の日本株はどうなるのか?
・気になる住宅価格の高騰
おはーん、ペーパー先生です。
6月が終わり、年後半の相場に突入しました。
今年の年前半は、インフレ懸念がだいぶ意識されたものの、
アメリカの主要3指数が揃って10%超の上昇となり堅調でした。
そんなアメリカ株の年後半はどうなっていくのか?
6月29日(火)の『Newsモーニングサテライト』にて、
岩井コスモ証券 投資情報センター長の林卓郎(はやしたくろう)氏が紹介した
興味深いアノマリーをやわらか解説していきます。
このブログの内容はこちらの動画でも解説しています。
アメリカ株はどうなるのか?
つみたてNISAなどで運用を続けている方は特に気にする必要がありませんが、
これから運用を始めようという方は、高値警戒感も浮上している中で、
どういった投資行動を取るべきか悩まれるかと思います。
ひとつ参考になるのは、経験的に観測できるマーケットの規則性「アノマリー」です。
過去30年間でS&P500種指数が年前半を10%超上昇した8回を見ると、
その年後半は、なんとすべてで上昇しています。
S&P500上昇率 | 日経平均暴落率 | ||
対象年 | 年前半(1-6月) | 年後半(7-12月) | 年後半(7-12月) |
1991年 | 12.4% | 12.4% | ▲1.3% |
1995年 | 18.6% | 13.1% | 36.9% |
1997年 | 19.5% | 9.6% | ▲25.9% |
1998年 | 16.8% | 8.4% | ▲12.6% |
1999年 | 11.7% | 7.0% | 8.0% |
2003年 | 10.8% | 14.1% | 17.5% |
2013年 | 12.6% | 15.1% | 19.1% |
2019年 | 17.3% | 9.8% | 11.2% |
2021年 | 14.0% | ?? | ?? |
アメリカ株に影響を受けやすい日本株も全体では高安まちまちですが、
直近3回に限れば二桁台の上昇となっています。
過去30年間でS&P500が年前半で10%に届かなかったのは13回。
一方で、下落したのは9回でした。
年前半で10%超上昇した年の年後半の平均騰落率は11.2%。
日経平均でも6.6%となっており、
年前半に10%を下回った場合と比べると明らかに良好な結果となっています。
日本株はどうなるのか?
S&P500はこのアノマリーは大変心強いですが、
日経平均については、年の寄っては年前半に上昇していても、後半に下落した局面もありました。
今年は年初からかなり出遅れている日本株ですが、
日経平均は今年前半は5%超の上昇で、過去20年の中では8番目ということで、そこそこの結果だと言えます。
ただ、日本株も過去20年間のデータを見る限り、年前半に上昇している時の方が、
明らかに年後半も好調な動きをすることが確認されています。
コロナ対応の進展で割安な日本株への見直しが進みやすいタイミングにも重なり、
早晩、3万円トライの可能性もありそうですね。
住宅価格の高騰
こうした株高の裏で住宅価格も軒並み高騰が続いています。
6月29日発表されたS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(全米)は、
前年同月比で14.6%上昇し、1987年の統計開始以来の過去最高を記録しました。
また、この指数を開発したエール大のロバート・シラー教授らが過去にさかのぼった計算によれば
1979年10月(14.8%)以来、実に42年ぶりの大きさということです。
住宅市場の過熱は、サブプライムローンの問題を発端に発生した金融危機を
彷彿とさせますが、当時とは違い信用力の低い個人への住宅ローンが急増しているわけではなく、
誰も理解できないような複雑な証券化商品も乱発されていませんので、状況としては違います。
しかし、地区連銀の総裁が揃って住宅価格高騰に警笛を鳴らしているのは、
FRBが月400億ドルのペースで不動産ローン担保証券(MBS)を購入している是非が問われているからであり、
安定的な金融相場を作っていく上でアキレス腱になっています。
株式市場と合わせて、注視をしていきたいですね。
【参考】米住宅価格「先例のない上昇」 4月、過去最高の15%(日経電子版)
2021年6月30日 1:10 (2021年6月30日 5:40更新)
【参考】米住宅、05年超えの危うさ(日経電子版)
2021年6月30日 5:28
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では、ごきげんよう。
カネ余りで株価も住宅も高騰。