・コア サテライト戦略とは
・サテライト枠で性格が分かる
・人生は常に土俵の上
ごきげんよう、ぺいぱです。
ぼくは2021年6月から『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』1本で資産運用を進めています。
長期運用をされている個人投資家の皆さんは概ね「全世界株式」「先進国株式」「米国株式」いづれかのインデックスファンドを軸に据えながら、その他複数の金融商品で脇を固められているのではないでしょうか。
ぼくもそのうちの一人です。そう、オルカン1本と言いながらも、暗号資産も合わせて保有をしているからです。王道中の王道であるオルカンに、良く分からない金融商品の王道とも言えるビットコイン・イーサリアムをなんで保有しているのか。これがコア・サテライト戦略だからです。
このブログの内容は動画でも解説しています。
まずは、ぼくの直近10月末時点のアセットアロケーションを見てみましょう。
<ぺいぱのアセットアロケーション>
全世界株 81.12%
暗号資産 11.06%
法定通貨 7.82%
※2023年10月末時点
このようにコア資産がオルカンであり、サテライト資産として1割ほどのビットコイン・イーサリアムを保有しています。ここで改めてコア・サテライト戦略のおさらいです。
運用資産をコア(中核)とサテライト(衛星)に分け、コアは、「守りの資産」として長期的に安定して運用できる商品を保有し、サテライトは、「攻めの資産」としてコアよりもハイリスク・ハイリターンの商品を保有します。
例えばコアとして運用される定番の株式商品は冒頭でも触れたこれらです。
🌏MSCI ACWIに連動したETFや投資信託(全世界株式)
🌆MSCI KOKUSAIに連動したETFや投資信託(先進国株式)
🇺🇸S&P500に連動したETFや投資信託(米国株式)
一般的に、リスクとリターンは表裏一体の関係にあります。
リスクが大きいものほどリターンも大きい(ハイリスク・ハイリターン)
リスクが小さいものほどリターンも小さい(ローリスク・ローリターン)
この図では主にアセットクラスごとのざっくりした紹介となっていますが、債券でも投資信託でも株式でも、商品によってさらにリスクとリターンは大きな違いが出ます。
株式という広い括りではまるっとハイリスクハイリターンに位置づけられますが、全世界の企業およそ2,800銘柄が時価総額順で構成されるオルカンと、NASDAQ100指数に対して投資成績が2倍になることを目指すレバナスとでは、そのリスクもリターンも異なるというわけです。
資産運用では「長期・分散・低コスト」という基本を押さえながら、
A) コア商品に何を据えるか?
B) サテライト商品に何を据えるか?
ここの設計が非常に重要になります。初心者はBについて考える必要はありません。Aで何を選ぶか。長い付き合いになる商品です。自信を持って買い続けられる・保有し続けられるものを選べるかどうかがすべてだからです。Aを決めずにBを決めるということはあり得ません。
来年から新NISAが始まりますから、すでに資産運用をされていて、かつ自身のポートフォリオでコア商品が定まっていない、という場合にはまずそれを早急に定めた上で、似たような商品は売却などし整理するのが良いでしょう。
コア商品に何を据えるべきかについてはこちらの回『「全世界株式」「先進国株式」「新興国株式」「米国株式」:結局どれをコア商品に選ぶべきか?』でも紹介しています。
現在ぺいぱがどのように捉えているか。どれが最も買いたい商品なのか。その理由は何なのか。こうした点について詳しく解説をしていますので、ぜひこちらも参考にしてください!
コア商品がしっかり定まり、かつしばらく安定的に運用が続けられたタイミングでようやくサテライト商品をどうするべきか、という検討に移っていくことになります。
先ほどの説明にもあった通り、サテライト商品は「攻めの資産」となります。
・コア商品よりもハイリスクハイリターンを狙う
・コア商品の位置づけを補完できるものを選ぶ
・全損しても構わない覚悟で挑む
こういう考え方が重要になるでしょう。やるからには尖った商品、攻めた商品にしていきたい。ぼくはそう考えています。タイトルに「イロモノ商品」とつけたのにはそういう意図もあります。
今回はぺいぱ自身がサテライト商品として選ぶならどんなものになるのか。真剣に吟味をしまして将来的には本当にポートフォリオへ組み入れるかもしれないガチ商品選びを行いました。
注意が必要なのは、皆さんへそっくりそのままオススメするものではないということ。そこをまずはご理解いただいた上で、40代半ばのしがない独身会社員であるぺいぱがサテライト枠をどう考えているのか、楽しんで見てもらえれば嬉しいです。
サテライト枠でぺいぱが選ぶイロモノ商品5選
では、早速いってみましょう!概要は日経電子版からの引用です。
■カテゴリー:
先進国株式-北米-為替リスクあり
■運用会社:
ニッセイアセットマネジメント
■運用方針:
主として、「ニッセイSOX指数インデックスマザーファンド」を通じて、米国の株式等(DR(預託証券)を含む)に投資し、「SOX指数(配当込み、円換算ベース)」(米国上場の主要な半導体関連30銘柄で構成されている株価指数。「フィラデルフィア半導体株指数」とも呼ばれている。)に連動する投資成果をめざす。原則、為替ヘッジを行わない。
■設定日:
2023年3月31日
■償還日:
無期限
■実質信託報酬:
0.1815%
■リターン(設定来):
+27.21
■リスク(設定来):
–%
■シャープレシオ(設定来):
—
SOX指数とは、米国上場の主要な半導体関連30銘柄で構成されている株価指数です。ぼくは2000年からIT業界に従事しており、自身のキャリアを築く上でも、稼ぐ力を高める上でも、絶対に欠かすことができなかったものがこの半導体になります。
部屋を見渡してみても、この文章を買いているパソコンもそうだし、洗濯機や電子レンジ、ポットに空気清浄機など、あらゆるものに半導体は使われています。
社会を支える「産業のコメ」なんて言われ方をしますが、世の中を回していくために必要不可欠な存在となっているわけです。
これら半導体関連の主要30銘柄で構成されるのがSOX指数です。別名「フィラデルフィア半導体株指数」とも呼ばれています。米国の上場企業のうちテクノロジー企業からさらに半導体関連だけを抜き出した、というイメージです。
<組み入れ上位銘柄>
インテル 8.3%
テキサス・インスツルメンツ 7.8%
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD) 7.8%
ブロードコム 7.4%
エヌビディア 7.1%
マイクロンテクノロジー 4.1%
アナログ・デバイセズ 4.0%
NXPセミコンダクターズ 3.9%
クアルコム 3.9%
※2023年9月20日時点
インテルやエヌビディア、クアルコムはメジャー企業ですからその名を聞いたことがあるかもしれませんが、ほかの名前はそれほど耳馴染みがないのではないでしょうか。
半導体はまずデジタルインフラを作ります。データセンターや通信機器などです。そのベースがあってデジタル産業が生まれていきます。クラウド技術やサイバーセキュリティの分野などですね。こうしたものがその他あらゆる産業で活かされていきます。
数十年前であれば半導体が関わるのはパソコンや携帯電話など特定分野だけだったかもしれませんが、今では5G・ビッグデータ・AI・IoT・自動運転・ロボティクス・スマートシティ・DXなど、社会全般で必要とされているわけです。
そんな半導体の勢いを示すSOX指数への連動を目指す投資信託として2023年3月31日から運用開始されたのが『ニッセイSOX指数インデックスファンド』です。従来は米国ETFで購入をするしかありませんでしたが、投資信託であれば日本円での購入も可能ですからかなり身近になりました。
ここまで紹介してきたように先行きが明るそうな半導体。実際に過去10年を見返すとSOX指数はS&P500やNASDAQ100を上回る成長をしてきました。
その一方で、半導体の価格や需給は景気の影響を強く受けるため、ボラティリティも大変高いことで知られます。上げも大きければ、下げも厳しいというわけです。
だからこそ将来性や爆発力の大きさを期待するサテライト商品にはピッタリだと言えます。
■カテゴリー:
新興国株式-アジア-為替リスクあり
■運用会社:
大和アセットマネジメント
■運用方針:
主として、「インド株インデックス・マザーファンド」を通じて、インドの株式(信託財産の規模によっては、日本国債に投資するとともに、インドの株価指数を対象とした先物取引を利用する。同指数との連動をめざすETFに投資する場合がある。)に投資し、「Nifty50指数(配当込み、円ベース)」の動きに連動させることをめざして運用を行う。原則、為替ヘッジを行わない。
■設定日:
2023年3月13日
■償還日:
無期限
■実質信託報酬:
0.473%
■リターン(設定来):
+20.85%
■リスク(設定来):
–%
■シャープレシオ(設定来):
—
続いてはインドということで地域の話です。ぼくはオルカンをコア商品に選んでいますが、その理由としてよく挙げているのが「選ぶことをしない、あえて選ばない。だからオルカンを選ぶ」というもの。
株式投資をする場合、今後どの地域が強くなるのか?それをきめ細かくメンテナンスしていけるのか?正直なところこれを個人投資家がやりきるのは難しいわけです。
オルカンは時価総額加重平均という仕組みにより時価総額が高いものはより多く、低いものは少なくなるように自動で調整がされていきますが、ご覧の通り6割が米国株なんですね。
<オルカンの国・地域別構成比率>
🇺🇸米国 60.6%
🇯🇵日本 5.5%
🇬🇧イギリス 3.8%
🇫🇷フランス 3.2%
🇨🇦カナダ 3.0%
🏳先進国・地域その他 13.1%
–
🇨🇳中国 3.6%
🇹🇼台湾 1.7%
🇮🇳インド 1.4%
🏳新興国・地域その他 4.3%
※2023年3月末現在
インドはわずか1.4%しか組み入れられていませんが、将来的にインド市場が盛り上がればそれに応じて組み入れ比率も上がります。そのような時に最大限の恩恵を受けられるよう、この地域配分をサテライト枠でガッツリ増やしておこう、という作戦が本商品の位置づけとなります。
サテライト枠で地域をカバーする考え方としては、以前にもご紹介したように『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』という選択肢もゼロではありません。しかし爆発力を期待するためにはよりハイリスク・ハイリターンを求めたいところですから、今回はインドのみの選択としました。
なお『iFreeNEXTインド株インデックス』の対象指数であるNifty 50はインドを代表する株価指数です。インド・ナショナル証券取引所に上場する銘柄のうち、時価総額、流動性、浮動株比率等の基準を用いて選定した50銘柄の株価を時価総額比率で加重平均し、指数化したものとなっています。
では、なぜ数ある新興国・地域の中でもインドなのか。
インドと言うと人口で中国を抜いてまもなく世界1位になると推計されています。経済においては労働力が非常に大切。その点でインドは2040年頃までを目安に働く世代の人口がさらに増えていく見込みとなっており、益々の経済発展が期待できるというわけです。
働く世代の人口が、その他人口の2倍以上になると人口ボーナスと言われ株価が上昇する目安とも言われます。過去の日本の例を見ても人口ボーナス期に株価が上昇していることからも、インドのさらなる株価上昇を想像しやすいわけです。
強みは人口だけではありません。以下のようなことも挙げられます。
・英語人口の多さ
・米国との時差
・内需の力強さ
まずは「英語人口の多さ」について。インドは世界2位の英語人口を誇ります。「数字のゼロを作った国」なんて言われることもありますが、高度な理数系教育を背景にIT企業が発展しやすく、世界中の企業が優秀な人材を求めてインドへ進出しています。
最近では米アップルがインドでのiPhone生産を向こう5年以内に5倍余り拡大する計画を表明しています。アップルは過去15年程度、MacBookやiPhone、その付属品に至るまで最先端のサプライチェーンのほぼすべてを中国で作り上げてきました。
しかし中国のゼロコロナ政策によって生産が寸断されたことを起点に、アップル自身はもちろんのこと、そのサプライヤーに対しても中国からの分散を促しています。その先がインドというわけです。
続いて「米国との時差」。インドと米国との時差はおよそ12時間あります。米国で作業を行ったものを終業後にインドで引き継いで作業を進めることにより、24時間体制でソフトウェア開発などをすることができます。
優秀な人材の多さも注目です。エンジニアとしてはもちろんですし、近年ではマイクロソフトのサティア・ナデラCEO、アルファベットのサンダー・ピチャイCEOなど、米国IT企業を中心にインド出身のリーダーが存在感を増しています。
最後に「内需の力強さ」です。インドのGDPは2025年にドイツを抜き、2027年には日本を抜き3位にまで成長する見込みです。ここまで高成長を続けるインドのエンジンは大きく2つ。それはインフラ投資と国民の消費に代表される「内需」の力強い伸びです。
インドの人口増加に伴う力強い「内需」に対して、交通渋滞や電車の遅延等のインフラ不足は長い間、悩みの種でした。そうした背景もありモディ首相は「ガティ・シャクティ(スピード・パワー)」国家マスタープランを唱え、鉄道や道路等のインフラ関連投資に力を入れることを表明しています。
インフラ整備が整うことでビジネスが活性化し、更なる高成長が期待できそう、というわけです。また、個人の消費という観点でもインドは世界で有数な高水準の賃上げ率となっています。
国全体の生活水準が上がれば、経済も成長していく。こうした好循環を繰り返していくことが成長のエンジンになり得るわけです。
■カテゴリー:
グローバル株式(先進・新興複合)-為替リスクあり
■運用会社:
大和アセットマネジメント
■運用方針:
主として、「ゲーム&eスポーツ・マザーファンド」を通じて、日本を含む世界の「ゲームおよびeスポーツ」関連株式(DR(預託証券)を含む)に投資し、信託財産の成長をめざして運用を行う。テーマ銘柄としての代表性や流動性等を考慮し、各銘柄の組入比率を決定し、ポートフォリオを構築する。為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは原則として行わない。
■設定日:
2018年1月31日
■償還日:
2028年1月28日
■実質信託報酬:
1.221%
■リターン(設定来):
+51.55%
■リスク(設定来):
22.57%
■シャープレシオ(設定来):
0.44
お次はゲームです。今回紹介している商品の中で最もイロモノかもしれません。
ぼくは何と言っても小学校低学年の時にファミコンが登場してきた世代です。そんな多感な時期を「マリオ」や「ゼルダ」「ドラクエ」「FF」などを触って育ってきましたから、ゲームの持つ力はユーザーとしても十二分に体験してきました。
『iFreeActive ゲーム&eスポーツ』はその名の通りビデオゲームおよびゲームを競技として行うeスポーツ関連企業20社に投資する投資信託で対象地域はグローバルです。組み入れ上位銘柄および地域配分を見ていきましょう。
<組み入れ上位銘柄>
🇺🇸エヌビディア 10.0%
🇨🇳テンセント 9.8%
🇺🇸アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD) 7.2%
🇺🇸エレクトロニック・アーツ(EA) 6.9%
🇨🇳37ゲームズ 6.2%
🇯🇵任天堂 6.1%
🇨🇳ネットイース 6.1%
🇬🇧キーワーズスタジオ 5.8%
🇨🇳キングソフト 5.3%
🇰🇷エヌシーソフト 5.1%
※2023.1.30時点
<組み入れ地域配分>
🇺🇸米国 31.0%
🇨🇳中国 31.0%
🇯🇵日本 22.4%
🇰🇷韓国 8.7%
🇬🇧イギリス 5.8%
🏳その他 1.0%
※2023.1.30時点
まず驚くのが日本の比率がそこまで高くないこと。そう、いまやゲーム市場は北米メーカーと、近年成長が著しい中国メーカーに日本はおされている立場なんですね。それがまんま組み入れ地域配分にも現れているということです。
『ファミ通ゲーム白書2023』では、2022年の世界ゲームコンテンツ市場規模を26.8兆円と推計しています。同一為替レートでの前年比は7.0%減となりますが、これはコロナ禍での巣ごもり需要からの反動や、インフレの加速による可処分所得の減少が影響しています。全体的にゲーム市場はまだまだ増加傾向にあります。
インターネットやスマートフォンの普及、PCスペックの大幅な上昇などによって、世界中の誰もがゲームにアクセスしやすくなったことで、総ゲーム人口は30億人を超えたとされますが、そのほかにもこのような変化があります。
・パッケージからデジタル販売へのシフトによりメーカーの利益率が向上したほか、商品の長期販売が可能となった。
・売り切りが中心だったビジネスモデルから、個別課金やサブスクリプションによる継続収益に構造チェンジした。
『iFreeActive ゲーム&eスポーツ』の組み入れ銘柄で興味深いのは、ゲームのハードやソフトを提供している企業だけではなく、エヌビディアやAMDなど、いわゆるゲーミングPCに欠かせない半導体企業も名を連ねていることです。
ゲームのビジネスを構成しているのは何もハードやソフトだけに留まりません。ゲームとして誕生したIP(知的財産)をゲーム以外にも展開していくことで収益の多層化に繋げていくことが可能だからです。
今年はイルミネーションと任天堂が共同で制作した映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が話題となりました。USJでは「スーパー・ニンテンドー・ワールド」が人気を集めます。
また、渋谷パルコにオープンした任天堂の直営オフィシャルショップ「Nintendo TOKYO」は連日多くの人がキャラクターグッズを求めて訪れます。
このようにゲームの世界観やキャラクターを活かしたゲーム外収益にも注目が集まっており、eスポーツもそのうちの1つだと言えます。
大会に選手として参加するほか、会場やライブ配信等での視聴を通じてゲームを知ってもらうきっかけになりますし、イベントそのものも興行としての価値が認められつつあるからです。
こうしたゲームのパワーをまとめて享受しようというのがこの投資信託の趣旨になります。ただしイロモノ商品として紹介しているだけあって、信託報酬が1.221%と高いこと。そして償還日が2028年1月28日で設定されていること。この辺りがデメリットになります。
似たような商品はナスダック上場のETFにもあります。ビデオゲームの開発、eスポーツリーグの運営、またはAR/VRハードウェアの製造を行う企業等への投資を目指す『グローバルX ヒーローズ(ゲーム&eスポーツ)ETF』で、経費率は0.50%となっています。
組み入れ銘柄に違いがありますが、ファンドの趣旨は概ね同じと考えて良いです。米国ETFの購入に抵抗がない場合はこちらも選択肢に入ります。
■カテゴリー:
コモディティ-その他(含む複合)-為替リスクあり
■運用会社:
三菱UFJアセットマネジメント
■運用方針:
「コモディティインデックスマザーファンド」を通じて、主として商品(コモディティ)を実質的な投資対象資産とする上場投資信託証券に投資を行い、ブルームバーグ商品指数トータルリターン(円換算ベース)に概ね連動する投資成果をめざす。実質組入外貨建資産については、原則として為替ヘッジを行わない。
■設定日:
2015年6月18日
■償還日:
無期限
■実質信託報酬:
0.9%
■リターン(設定来):
+25.98%
■リスク(設定来):
15.71%
■シャープレシオ(設定来):
0.25
続いてはコモディティです。こちらは爆発力を期待するというよりも、コア商品の株式だけではカバーできない部分の補完といった位置づけになります。
対象指数の「ブルームバーグ商品指数トータルリターン」はブルームバーグ社が公表する、世界の商品(コモディティ)市況の総合的な動きを表すインデックスです。実際にどのようなものへ投資されているか見ていきましょう。
<セクター別構成割合と構成銘柄>
エネルギー 30.4%
├ブレンド原油
├ULSディーゼル
├天然ガス
├RBOBガソリン
├WTI原油
└軽油
農業 28.3%
├シカゴ小麦
├トウモロコシ
├カンザスシティ小麦
├大豆ミール
├大豆
├コーヒー
├綿花
└砂糖
貴金属 20.8%
├金
└銀
工業用金属 14.9%
├アルミニウム
├COMEX銅
├ニッケル
├亜鉛
└鉛
家畜 5.7%
├豚赤身肉
└生牛
※2023年7月28日時点
いやはや、実に幅広いコモディティに分散投資されていますね。資源価格が高騰すれば恩恵が受けられるタイプの商品となりますが、先に紹介した投資信託とは違い、価格が上昇し続けるということは考えづらいわけです。
しかしながらこうしたコモディティは、生産コストの上昇やインフレヘッジとしての需要などからインフレ局面に強いという特徴もあります。そのためサテライト枠での保有には適していると考えられるわけです。
ぼくはかつて金(ゴールド)現物を積立で購入していた時期がありました。そう、2020年のコロナ禍で価格が1オンス2,000ドルになったあたりです。人生において最も高値掴みをした投資となり、その後の下落に我慢できず手放してしまいました。
コモディティ投資は配当がありませんから、価格が下がり続けるのを静観するというのはなかなか根気がいるものです。そのため、本商品のように広く分散されている方が、サテライト保有するには向いていると思います。
なお、同じような投資信託に『iシェアーズ コモディティインデックス・ファンド』があります。ただしこちらは「S&P GSCIトータルリターン指数」をベンチマークとしており、エネルギー比率が6割と高めですからボラティリティも高くなりがちです。ここは好みとなりますね。
いずれにしても主役にはなり得ませんが、脇を固める一手として検討していきたいです。
『ビットコイン/イーサリアム』
■ビットコイン(BTC):
ビットコイン(Bitcoin)は、インターネット上で取引や通貨発行が行われる分散型暗号資産の一種。発行主体が存在しない世界初の分散型通貨で、政府や中央銀行などの中央機関を介さず、P2P(ピア・トゥー・ピア)ネットワーク上で取引が行われる。そのため、仲介手数料が安く、世界中どこでも誰とでも迅速に取引や決済を行うことができるとされる。
2009年から取引が行われ通貨単位はBTC。発行上限が2,100万BTCと決められている。ただし、電子的なコインそのものが実在しているわけではなく「AからBへ100BTC送った」というような取引記録の集合体で、これらの取引記録を時系列順に集計していくことにより「Bが100BTC保有している」ということが判明する。この取引データを効率的に保管するため、ブロックチェーンと呼ばれる取引台帳が用いられる。
【出典】ビットコイン|初めてでもわかりやすい用語集(SMBC日興証券)
■イーサリアム(ETH):
イーサリアム(Ethereum)は、「イーサリアムプロジェクト」という、ブロックチェーン技術を応用したプラットフォームの総称。このイーサリアムプロジェクトで使用される暗号資産を「ether(イーサ)(ETH)」と呼び、時価総額はビットコインに次ぐ第2位。
通貨の取引履歴が記載される台帳を管理することで信頼性を確保しているビットコインに対し、イーサリアムは台帳に契約の条件などの情報を加えて管理する機能(スマートコントラクト)を導入しているのが特徴。イーサリアムの技術を活用した企業間取引の研究なども進んでいる。
最後はこちら、暗号資産の代表格であるビットコインとイーサリアムです。冒頭でも触れた通り、ぼく自身がすでにサテライト商品として保有を続けているものです。
これまでは単一商品を取り上げてきましたが、最後はなぜ2種類としたのか。これは分散の観点からです。いずれの投資信託も複数銘柄の詰め合わせパックでした。半導体は30銘柄、インドは50銘柄、ゲームは20銘柄、といった具合にです。
投資信託というのはその名の通り、そうした詰め合わせ運用を丸っとお任せできるから信託報酬が発生するわけですが、ぼくは自分で手間をかけたくないのでお金を払ってでもそっちの方が良いと考えています。ここは自分で直接手を入れたい人と考え方に差が出る部分ですね。
暗号資産については現在、米国で現物ETFの承認がされるか・されないか、という話題が盛り上がっているぐらいですから、複数コインをまとめた投資信託として登場するのはまだだいぶ先のことになるのでしょう。そのため現在は個別に現物を購入する形になります。
では、ここで時価総額ランキングを見てみましょう。
<暗号資産の時価総額ランキング>
1位 ビットコイン(BTC) 106.8兆円
2位 イーサリアム(ETH) 35.2兆円
3位 テザー(USDT) 13.1兆円
4位 バイナンスコイン(BNB) 5.5兆円
5位 リップル(XRP) 4.9兆円
6位 ソラナ(SOL) 3.7兆円
7位 ユーエスディーコイン(USDC) 3.6兆円
8位 カルダノ(ADA) 1.9兆円
9位 ドージコイン(DOGE) 1.7兆円
10位 トロン(TRX) 1.3兆円
※2023年11月19日時点
暗号資産の元祖であるビットコインはダントツで時価総額1位です。次いで2位にイーサリアム。3位のテザーはステーブルコインといって、その価格が米ドルと連動するよう設計されています。4位以降は順位の変動も激しいコインが乱立していきます。
そういう観点でぼくは1位と2位を併せ持つことにしたというわけです。ビットコインは他の様々な暗号資産を購入する際に仲介役を担います。いわば法定通貨での米ドル、貴金属での金のような存在。暗号資産における基軸通貨にあたるんですね。
一方のイーサリアムはスマートコントラクトと呼ばれるプログラム可能な契約機能をサポートしています。これが分散アプリケーション(DApps)の基盤となり、様々なサービスやプロジェクトがイーサリアム上で開発されています。いわばプラットフォームの位置付けを担っているわけです。
これらがそれぞれ時価総額の大きい理由の1つでもあるわけで「とりあえず両方持っておくか」ということです。まぁ、そもそも海の物とも山の物ともつかぬ暗号資産です。分散にどれだけの効果があるかも未知数ではありますが、気休めといったところですね。
株式や貴金属を加えたアセット別の時価総額ランキングも見てみましょう。
<アセット別の時価総額ランキング>
1位 金(GOLD) 13兆ドル
2位 アップル(AAPL) 2.9兆ドル
3位 マイクロソフト(MSFT) 2.7兆ドル
4位 サウジアラムコ(2222.SR) 2.2兆ドル
5位 アルファベット(GOOG) 1.7兆ドル
6位 アマゾン(AMZN) 1.5兆ドル
7位 銀(SILVER) 1.3兆ドル
8位 エヌビディア(NVDA) 1.2兆ドル
9位 メタ(META) 0.86兆ドル
10位 バークシャーハサウェイ(BRK-B) 0.78兆ドル
11位 テスラ(TSLA) 0.74兆ドル
12位 ビットコイン(BTC) 0.71兆ドル
※2023年11月19日時点
こうやって横串で確認すると、また一段違う景色になりますね。ビットコインは総量が限られていることから、デジタルゴールドなんて呼び方もされますが、その本家ゴールドはすべてのアセットの中でもダントツの輝きを誇ります。
性質が全く違いますから単純に比較ができるものではありませんが、ゴールドの時価総額に比べるとビットコインにはまだ上値余地があると言われる理由の一つにもなっています。
なお、紹介したランキングに登場していないイーサリアムですが、アセット全体では44位となっています。43位にバンク・オブ・アメリカ、45位にペプシコ、46位に貴金属のプラチナ、といった感じです。
さて、そんなビットコイン・イーサリアム。これまでのどのイロモノ商品よりもボラティリティが高くなっています。実例で紹介をしましょう。
ぼくが1BTC・1ETHを528万円で購入したのは2021年9月のことでした。そう、この528万円という額に理由なんてありません。1BTC・1ETHを購入すると当時はこの価格だった、というだけです。
では、そこからどんな価格推移を辿ったか。半年ごとに見ていきましょうか。
<ぺいぱの保有暗号資産の価格推移>
2021年10月末 752万円
2022年04月末 542万円
2022年10月末 330万円
2023年04月末 429万円
2023年10月末 555万円
※価格は四捨五入
なんとも荒々しいと言いましょうか、まったく落ち着きのない商品です。最も月末で価格を下げていたのは2022年12月末で236万円でした。きれいに購入時の半分まで落ちたわけです。
これ、普通の投資家であれば気が気じゃ無い。生活に支障が出るレベルです。ぼくは2018年1月の暗号資産大暴落で300万円以上を一瞬にして溶かした経験があります。
この時はビットコイン・イーサリアムのほか10程度の草コインも保有していましたが、あまりの暴落ぶりに保有し続けることができませんでした。
当時は直前に出た冬のボーナスも全軍突撃させていましたから、サテライト枠での運用である今とは大きく違うところです。現在はオルカンがコアにドシっと据えていますから、サテライト枠が仮に全損したとしても大勢に影響はありません。
そんな気持ちで保有をしていますから、この2年間色々な浮き沈み(というか沈みっぱなし)だったのに持ち続けることができているというわけです。
暗号資産については、今回紹介したどのイロモノ商品よりも尖っています。まったく皆さんにはオススメしていませんので、そこは強くお伝えしておきます。
日本では暗号資産の売却で得た利益は雑所得で最大45%の税率となります。売却だけではなく他の暗号資産に交換をした場合でも利益確定とみなされるため課税対象になります。
こうした税制が将来的に大きく整備されていうだろうという思いを込めて、ぼくはこれからも1BTC・1ETHを握り締め続けます。
おしらせ
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さいごに
今回は「サテライト枠ならこれを買う!ぺいぱが選ぶイロモノ商品5選」ということで、独断と偏見で5商品を紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
・ニッセイSOX指数インデックスファンド
・iFreeNEXTインド株インデックス
・iFreeActive ゲーム&eスポーツ
・eMAXISプラス コモディティインデックス
・ビットコイン/イーサリアム
すでに投資信託や類似のETFを保有されている方もいらっしゃるかもしれません。ぼくはオルカンをコア商品に選びこの2年間を全力投球してきましたし、そうした姿を中心にYouTubeやブログで見ていただいている方も多いでしょうから、驚きや違和感を持たれた方もいらっしゃったかもしれませんね。
インデックス投資で王道中の王道であるオルカンがコアでどっしりと腰を据えているからこそ、ぼくはサテライトで尖りまくった商品を保有したい。そう考えています。ここの温度感は投資家によって様々なグラデーションがあるのでしょう。サテライト枠の組み方こそ、その投資家の性格が最も色濃く出ていくものかもしれません。
思い返せば2000年に社会人になった際、IT業界に飛び込むというのもなかなか勇気のいる話でした。
ドコモのiモードサービスが登場したのが前年。Webサービスといえば「ブログなるものが出てきたぞ」なんていう時代です。それこそ今後どうなるかも分からん、海の物とも山の物ともつかぬ業界でした。
そんな良く分からん業界に全力で飛び込んだ当時の自分と、サテライト商品選びの尖り方はすごく似ているな、20年経っても全然変わってないな、そんな風に感じます。
人生も投資も正解はありません。ぼくはどちらも数々の失敗がありました。しばらく立ち上がれないようなこともありました。それでも今があります。今がとても幸せかというとまたそれは別問題にはなりますが、少なくても仕事で稼ぐ力はついたし、お金を育てる力もついた。そう言えます。
そのためには、どんなに失敗しても立ち上がり続けること。土俵の上で負け続けて7敗しても、残りをすべて勝つことができれば8勝。そう、人生なんて1つでも勝ち星が上回れば良いんです。なのでぼくは負けを怖がらず攻め続けます。ドラクエで言うところの「ガンガンいこうぜ」というやつですね。
今回話してきた内容はあくまでぼくぺいぱが考えるサテライト商品の選び方です。すべての人にオススメするものではありませんから、エンタテインメントの範疇でお楽しみいただければと思います。
最終的な投資先はご自身の責任のもとで行う。これが人生でたった1つを勝ち越すためにも必要だと思います。
皆さんが考えるご自身のサテライト商品はどのようなものがあるでしょうか?きっとぼくとは違った様々な視点があると思います。ぜひコメント欄やX等で教えてください!参考にさせていただきます。
人生はノーコンティニュー!悔いのないようにやっていきましょう。
では、ごきげんよう。
負け続けたとしても1つだけ勝ち越せば良い。それがサテライトで攻める理由。