・レバレッジとは
・レバレッジ取引
・全損の覚悟
おはーん、ペーパー先生です。
先日、上昇を続けていた暗号資産(仮想通貨)ビットコインが大幅に下落しました。
24時間で25%ほど下落しましたので、改めてそのボラティリティの高さが浮き彫りになりました。
一般的に価格変動の度合いを示すテクニカル指標。「ボラティリティーが大きい」=その商品の価格変動が大きいことを意味し、「ボラティリティーが小さい」=その商品の価格変動が小さいことを意味する。
上昇相場が一転して下落に向かうと、加速度的に下げ幅を拡大していく背景には、
レバレッジ(証拠金取引)ポジションがまとまって清算されていることも原因の一つです。
今日はレバレッジについてわかりやすくやわらか解説していきます。
レバレッジとは
まず言葉の定義から。
元の意味は「てこの原理」。てこを使えば小さい力で重い荷物を動かせるように、レバレッジを使えば少ない自己資本で大きな資本を動かせることを指す。
具体例を挙げてみます。
A社が100万円の自己資本を持っている場合の総資産は100万円。
総資産100万円から100万円の売上と10万円の利益が期待できる場合、
100万円の自己資本に対して利益率は10%。
A社がさらに利益を上げていく場合の1つの打ち手として、
400万円の他人資本を借入し、総資産を500万円にする。
その場合、総資産500万円からは500万円の売上と、50万円の利益となる。
400万円の借入に対する利回りが5%の20万円の場合、利益は30万円となる。
これで、自己資本に対する利益率は30%となる。
業績が順調に伸びる場合、借入をしたほうが利益率を高められるわけです。
これがレバレッジです。
もちろんその逆もあります。
業績が想定した通りにならない。例えば赤字転落した場合には、
その分だけ損失も拡大します。
リターンの大きさと同じ分だけリスクも大きくなるわけです。
レバレッジ取引
金融商品の購入時に、投資家がレバレッジを効かせることもできます。
以下のような取引で利用されます。
・レバレッジ型投資信託
・レバレッジ型ETF
・信用取引
・FX(外国為替証拠金取引)
・CFD(差金決済取引)
・先物取引
・オプション取引 など
一般的にレバレッジ取引をするには、保有しようとするポジションの証拠金(委託保証金)を支払う必要があります。
損失が出た場合の担保として預ける金額のことです。
例えば、証拠金率30%の信用取引では、
売買代金の30%の証拠金を差し入れれば、
最大およそ3.3倍までのレバレッジを効かせた取引が可能です。
なお、「小さい力(資金)でより重い荷物(投資対象)を動かす」という点では
不動産購入での住宅ローン利用もそれにあたります。
自己資金で払えない物件の購入を、銀行から資金を借入して行うからです。
これはマイホームだけではなく不動産投資でも同様です。
先ほど紹介したような金融商品にはない、個人が銀行から借入できる希少なカテゴリとも言えます。
全損の覚悟
効かせられるレバレッジの幅は対象商品のボラティリティに合わせて変わります。
ボラが大きければレバは低いし、ボラが小さければレバは高い、というようにです。
話を冒頭に戻していくと、ビットコインを含む暗号資産全般のボラティリティは尋常じゃなく高く、
レバレッジをかけて投資するようなものではありません。
評価損が一定水準に達したときに、さらなる損失の拡大を防ぐための自動決済機能に「強制ロスカット」がありますが、
急な大暴落でロスカットが間に合わないケースもあります。
このような場合は、追加証拠金を求められ、運用資金だけでなく生活資金も失うということです。
寝て起きたら全損、そんなことも十二分にあり得ます。
英国の金融行為監督機構(FCA)は11日、
「暗号資産へ投資する場合は資金を全て失うことを覚悟しなければならない」と
高い投資リスクに注意を促す声明を出しました。
【出典】暗号資産への投資「全損の覚悟を」 英金融当局が警告(日経電子版)
2021年1月12日 2:11 (2021年1月12日 5:32更新)
レバレッジ取引で損失したことを「溶かす」と言いますが、
暗号資産はそんな比ではありません。
「蒸発する」ぐらいの方が表現としては正しいです。
先生も暗号資産をポートフォリオの一部に組み入れていますが、
あくまでも自身で取れるリスクの範囲内ですし、
これが全損しても他でカバーできるような組み方をしています。
リスクとリターンの大きさは常にイコール。
冷静に考えれば誰でも分かるのですが、若いうちはそれでも
あえて危険な取引に向かいがちです。
資金の全部をレバレッジをかけ暗号資産に突っ込むという人もいます。
「なぜ?」の答えはとても簡単で「今すぐに大金持ちになりたいから」です。
そのような方々にお伝えしたいのはこれ。
時間に縛られない戦い方ができることが個人投資家の一番の特権かもしれませんね。
AmazonのベゾスCEO
「なぜみんなあなたの投資戦略を真似しないのですか?」バフェット氏
「ゆっくりお金持ちになりたい人なんていないよ。」複利効果を最大限活かして腰を据えた投資をしている人からの強烈な事実 https://t.co/ppKfgMXee3
— ペーパー先生@外国株投資家 (@papercapinfo) January 7, 2021
若い皆さんには最強の武器「時間」があります。
焦らずともじっくり腰を据えた資産運用を、小さいところから始めていけば、
必ずお金がお金を呼び込むようにしていけます。
周囲にいる実績ある有識者にアドバイスをもらうこともぜひしてください。
では、ごきげんよう。
レバレッジは界王拳より身体に負担あり。