・パウエルFRB議長もギブアップ
・二転三転して迷走が続く
・投機的な側面で盛り上がる
おはーん、ペーパー先生です。
「ユーキャン新語・流行語大賞」が12月1日に発表され、
年間大賞は「リアル二刀流/ショータイム」となりました。
このブログの内容はラジオでも解説しています。
この言葉自体が流行したかはさておき、一年を通じて
大谷翔平選手の活躍は目を見張るものがありましたね。
さて、そんな流行語。
今日は、先生が独断と偏見で選んだ資産運用における
2021年の流行語ベスト5を紹介していきます。
インフレは一時的
『インフレは一時的』
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が
会見のたびに決めゼリフの如く言い続けたこのワード。
日経電子版の記事を遡って見てみると、今年最初に
パウエル議長がインフレは一過性だと触れたのは2月でした。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は23日、上院銀行委員会の公聴会でインフレ懸念について「物価上昇が長続きするとは予想していない」と述べ、金融緩和を続ける姿勢を再強調した。
【出典】日経平均、米ハイテク株安が重荷:先読み株式相場(日経電子版)
2021年2月24日 8:05
この段階では世論も一時的という見方がまだ多くを占めていたように記憶していますが、
結果的には高止まりするインフレに対して11月末に方針転換することになります。
パウエル氏は11月30日の議会証言で高インフレが「一時的」だという主張を撤回し、テーパリングの加速を12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で議論すると明言した。
【出典】FRBと市場の蜜月に幕 雇用最重視からインフレ制御に(日経電子版)
2021年12月2日 12:03 [有料会員限定]
来年はテーパリングが終了し、いよいよ利上げ局面に入ります。
アメリカ株式市場も転換期になりそうですね。
金融所得課税
『金融所得課税』
9月の自民党総裁選で注目を高めたこのワード。
岸田候補(当時)が直接言及したのは9月末でした。
自民党総裁に選出された岸田文雄氏は総裁選で金融所得課税の見直しを主張した。一律20%の税率を引き上げて税収を増やし、中間層や低所得者に配分する考えだ。2022年度税制改正の議論でも論点になりそうだが、市場には投資意欲を冷やしかねないとの警戒感がある。
【出典】岸田氏検討の金融所得課税強化 市場に警戒感(日経電子版)
2021年9月29日 22:00 [有料会員限定]
しかし、国内の株価が低調に推移していることや
一部からは課税に対して否定的な声が上がっていることを受けてこの発言を撤回。
岸田文雄首相は10日午前のフジテレビ番組で、金融所得課税について「当面は触ることは考えていない」と発言した。9月の自民党総裁選では「見直し」を公約に盛り込み、税率の引き上げに前向きな発言をしていた。「貯蓄から投資」に逆行する政策として株価下落の原因だと指摘する声もあり、市場に配慮したとみられる。格差是正を実現するための財源論はいったん後退する。
【出典】金融所得課税の見直しを一転先送り 首相、市場に配慮(日経電子版)
2021年10月10日 18:35 (2021年10月10日 18:44更新) [有料会員限定]
しかし、11月に入り自民党の宮沢洋一税制調査会長が
インタビューの中で、金融所得課税の引き上げに意欲を見せます。
自民党の宮沢洋一税制調査会長は17日のインタビューで、株式の配当や売買にかかる金融所得課税の強化について年末にまとめる与党税制改正大綱に今後の検討課題として明記する考えを示した。12月までの税制改正の議論で結論を出すのは否定しつつ「来年以降にかけてそれなりの手当てをしていくことが非常に大事だ」と強調した。一律20%の日本の税率は「世界的にみても低いのは間違いない」と引き上げに意欲を見せた。
【出典】金融所得課税強化「22年以降に方向性」 自民税調会長(日経電子版)
2021年11月17日 21:00 (2021年11月18日 5:13更新) [有料会員限定]
二転三転ぶりがすごいわけですが、
1000兆円とも言われる個人の預貯金に対し
「貯蓄から投資へ」を促していかなければならない中、
果たしてこの打ち手がどの程度富の分配に繋がるのかは疑問が残ります。
中国恒大集団
『中国恒大集団』
いまやプロサッカークラブ「広州FC」よりも
こちらの方が有名になってしまいましたね。
中国企業の負債額が膨れ上がっている話題は
かなり前から報道で目にしていましたが、
中国恒大集団がデフォルト危機について
直接的に言及されるようになったのは9月の報道からでした。
中国の低格付け債に売り圧力がかかっている。「共同富裕(ともに豊かになる)」の号令のもと習近平(シー・ジンピン)指導部が特定の業界を厳しく締めつけ、投資家の間でとくに不動産会社や教育産業の事業モデルが揺らぎかねないとの警戒が強まった。10兆円近い借金を抱える中国恒大集団など一部企業では信用リスクが高まっている。習指導部は金融安定を保つ姿勢を明確にするが、不安は拭えない。
【出典】中国低格付け債に売り圧力 不動産など「共同富裕」で標的(日経電子版)
2021年9月3日 11:58 [有料会員限定]
きっかけになったのは、格差是正を掲げる「共同富裕」の名のもとに、
中国共産党指導部が進める特定の産業界への締め付けがあります。
昨年の金融大手アント・グループの上場中止に加え、NYSEへ上場したばかりへの
配車大手ディディも、最終的に上場廃止に追い込まれました。
IT、住宅、教育といった分野での規制が強まっているわけです。
ただ、中国恒大集団の債務処理を誤れば、
国家としての信用リスクも伴うため、今後も神経質な展開が続きそうです。
巨額の債務を抱えて経営難に陥っている中国恒大集団が広東省政府や中国人民銀行(中央銀行)など政府の全面的な監督・指導のもとで、外貨建て債務の再編を目指すことになった。中国政府は金融システム不安への波及や市場の動揺、取引先の連鎖破綻などを回避すべく、軟着陸(ソフトランディング)を探る。ただ債権者平等の原則を重視する海外債権者との交渉は難航が予想される。
【出典】中国恒大、政府の全面関与で債務再編へ 軟着陸探る(日経電子版)
2021年12月4日 20:00 [有料会員限定]
ビットコイン先物ETF
『ビットコイン先物ETF』
暗号資産界ではかねてよりETFを上場させることが夢でした。
金融界でのお墨付きという点で悲願だったわけですが、
その先陣として先物ETFがアメリカで上場したのは10月のことでした。
米証券取引委員会(SEC)がビットコイン先物に連動した上場投資信託(ETF)を近く承認する見通しとなった。投資家は暗号資産(仮想通貨)用のウォレット(電子財布)などを持たずに間接的にビットコインに投資ができるようになる。ただ、現物ではなく先物に連動するETFとあって利用は限られるとの見方も多い。
【出典】ビットコイン先物のETF、米で19日にも上場へ(日経電子版)
2021年10月18日 22:02 [有料会員限定]
上記報道の翌日、10月19日にプロシェアーズのビットコインETF(BITO)が上場。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)で、取引開始を告げるベルを鳴らす台に並んだのは、米ETF大手プロシェアーズのマイケル・サピア最高経営責任者(CEO)らだ。サピア氏は前日のリリースで、米国のETFの歴史を振り返り「1993年には株式、2002年に債券、04年に金のETFがそれぞれ誕生した。21年は仮想通貨連動のETF誕生の年として記録されるだろう」と上場の喜びを語った。
【出典】熱狂と冷静のビットコイン先物ETF:NY特急便(日経電子版)
2021年10月20日 7:13 (2021年10月20日 8:18更新) [有料会員限定]
期待されるビットコイン現物ETFについては、
米証券取引委員会(SEC)ゲーリー・ゲンスラー委員長が
「(先物連動のETFも)依然として投機性の高い資産だということを理解すべきだ」と
けん制していることから、まだ相当な時間を要しそうですね。
NFT
『NFT』
このワードを聞かなかった日はないのではないか、というぐらいの1年でした。
話題になったきっかけは技術的な魅力よりも投機的な側面からでした。
英競売大手クリスティーズは11日、「ビープル」として知られるマイク・ウィンケルマン氏の作品「エブリーデイズ:最初の5000日間」が約6930万ドル(約75億円)で落札されたと発表した。デジタル化された同作品は作者や保有者の真正性(しんせいせい)を証明するためのブロックチェーン技術を活用。同技術を使った作品を主要な競売会社が扱う初の例となった。
【出典】ブロックチェーン活用のデジタルアート、75億円で落札(日経電子版)
2021年3月12日 7:51 (2021年3月12日 8:07更新)
コロナ禍での経済を支えるため、各国・地域の中央銀行による大規模金融緩和が生んだカネ余り。
それが生んだ事象の1つがまさにNFTアートの高騰でした。
3月22日には世界の投資家を驚かせる取引があった。米ツイッターの創業者、ジャック・ドーシー最高経営責任者(CEO)が2006年3月21日に投稿した初ツイートが競売にかけられ、約291万ドル(約3億2000万円)で落札された。
【出典】デジタル資産にバブルの芽 Twitter初投稿に3億円(日経電子版)
2021年4月22日 2:00
複製できず「世界でただ1つのデジタル資産」というNFTの特徴が、
今後、急速に一大経済圏を生み出すかもしれないという人々の期待を生んでおり、
各企業や団体がこの分野に参入するなど、
現在も継続して熱視線を集めています。
【出典】GMO、NFT事業に参入 共同出資で新会社設立(日経電子版)
2021年6月16日 18:34 [有料会員限定]
【出典】楽天、NFT事業に参入 来春にも(日経電子版)
ネット・IT
2021年8月30日 18:51
【出典】ミクシィ、暗号資産大手に70億円出資 ゲーム軸に新事業(日経電子版)
サービス・食品
2021年9月2日 20:08
【出典】プロ野球初、NFTを販売 西武・栗山の2000安打記念(日経電子版)
ネット・IT
2021年9月7日 14:01
【出典】SBI、「NFT」に参入へ 新興企業を買収(日経電子版)
フィンテック
2021年9月29日 15:41 [有料会員限定]
さいごに
改めて、先生が勝手に選んだ今年の資産運用における流行語ベスト5は
『インフレは一時的』
『金融所得課税』
『中国恒大集団』
『ビットコインETF』
『NFT』
でした。
『メタバース』も候補だったんですが、多くの話題が出てきたのが、
旧フェイスブックの社名変更があった10月28日以降だったこともあり選外となりました。
皆さんは、今年の個人的な流行語は何だったでしょうか?
ぜひコメント欄やツイッターなどで教えてください。
さぁ、2022年はどのような話題で我々を楽しませてくれるのか。
今から楽しみですね。
では、ごきげんよう。
FRBが利上げに向けて動き出す2022年は右肩上がりだったアメリカ株式市場の転換期になりそう。