・日々向き合うリスク
・リスクの裏にリターンあり
・人とは違う生き方
ごきげんよう、ぺいぱです。
一般的に「リスク」とは、ある行動や決定をした際の不確実性・予測不能な出来事が生じる可能性を指します。つまり「リスク=危険」というわけではないんですね。
このブログの内容は動画でも解説しています。
人は生きていく中で、無意識のうちにこのリスクと向き合っています。それはこのようなことです。
・待ち合わせに遅れないよう電車を使うかタクシーを使うか。
・資格試験に向けて参考書で学ぶか過去問を解くか。
・就職活動で興味ある業種を選ぶか伸び盛りの業種を選ぶか。
・誘われた合コンに行くか断って自分の時間を大切にするか。
・行列のできるラーメン屋に並ぶかすぐ入れるラーメン屋を選ぶか。
大小様々取り上げましたが、選択を誤るとその後の人生に影響がある試験や就職のほか、想定外の結果となっても軽微で収まる出会いや食事まで実に幅広いですね。そしてこうしたリスクに対する姿勢が最も如実に現れるのが資産運用なのだと思います。
「投資信託協会」が全国の20代から70代までの男女2万人を対象に実施した「2021年(令和3年)投資信託に関するアンケート調査」では、投資信託を現在保有している人の割合が全国で27.9%でした。
また、「日本証券業協会」が2021年に行った金融商品で重視する点を聞いたアンケートでは、「いつでも出し入れができる」が46.1%、「元金が安全」が38.1%で上位になっています。日本人は金融資産の不確実性を求めない。より安全な形で保有したいと考えている人が多い。そんなことがここから読み解けます。
ぼくは2020年の夏に資産形成の着手をしました。すでに40代に入ってからですから相当遅咲きの部類に入ります。つまり長らく金融商品を持つことなく現金だけの時代が続いていたわけです。
ただ株式投資自体は20代前半だった2004年に始めていました。日本の個別株で出来もしないデイトレードを繰り返し、結果100万円ほどの損失を出して2007年に完全撤退をしていたんですね。
その頃は投資信託やETFの存在も知りませんでしたし、長期保有なんて考え方も微塵も持っていませんでした。今ほど資産運用に関する情報も世の中に溢れていませんでしたから仕方ありませんが、まぁほんと無知だったことが投資から距離を置くことになった理由の大きな1つです。
それ以降は「貯金が最強」という考え方の元、社会人として稼ぎ時期でもある30代を走り切ってしまったんですね。時間こそ資産運用における最大の武器だったのに10年ほどをドブに捨てたということです。
もちろんその間にリーマンショックやチャイナショックなど金融市場の大きな出来事もあったわけです。デフレ下だった日本で貯金だけしていたという事実を100%間違えていたとまでは言いませんが、もう少しリスクを取っても良かったよね、という後悔は多分にあります。
2020年の夏以降、支出の大幅な見直し、余剰資金を徹底して運用に回す、というサイクルを確立していった結果、このように見事なまでお金を育てることができました。
<ぺいぱの金融資産推移>
2019年12月末 1,858万円
2024年02月末 6,464万円
※数字は四捨五入
この4年余りの間でおよそ4,600万円ほど金融資産を増やしていまして、そのうち稼ぎでの貯蓄額はおよそ1,912万円、投資による運用益(含み益を含む)はおよそ2,688万円となっています。つまり増やした資産の6割を資産運用から得ているわけです。
もしぼくが「貯金が最強」という考え方を今でも持っていればこの2,688万円は手元に存在しなかったことになります。もちろんこれは結果論であり、デイトレで地獄を見たかつてのように大きく元本割れをしていた世界線が絶対になかったとは言い切れません。
ただし冒頭からも触れている通り、資産が減る可能性もあるリスクをすべて飲み込んたからこそ得られた結果でもあります。これが「たまたまそうなっただけ」とか「投資していた人だけ資産増になってズルい」なんて言葉は、安全なところで微動だにせず、遠くで必死に戦っている人に向けて投げられるヤジでしかありません。
資産形成においては「どれだけ本業で稼いで貯蓄をし、それを資産運用に回せるか」が全て。いつもご紹介している資産の方程式はこの通りです。
(収入 - 支出) + (資産 × 運用利回り)
フロー ストック
これを徹底的に回していくためには、リスクを積極的に取っていく必要があります。資産運用においても人生においても「ローリスク・ローリターン」「ハイリスク・ハイリターン」というのは変わらないのです。
今回はそんな「リスクを取る生き方」について話をしていきたいと思います。
人のステータスは様々です。独身か家族持ちか。持ち家か賃貸か。会社員か自営業か。健康か病気がちか。住まいが都心か地方か。置かれている状況によって取れるリスクも様々ですから、たった1つの正解はありません。
あくまでぺいぱ自身の経験談であることをご了承いただき楽しんでいただければと思います。この話を通じて、自分だったらリスクをどう捉えるか、そんなことを考えるきっかけにしていただければ幸いです。
① 分からないものにはまず飛び込んでみろ!
② 失敗は潔く認めてさっさと忘れろ!
③ 数字にまどわされて自分らしさを失うな!
リスクを取る生き方
では、早速いってみましょう!
ぼくにとってリスク覚悟の大きなチャレンジは過去2つありました。
資産の方程式で言うところの「フロー」部分では、2000年にIT業界へ飛び込んだことです。当時は前年に携帯電話でインターネット接続が行えるiモードサービスが開始され、またブログが世の中に登場した時期でもありました。
IT業界なんていうとこは海の物とも山の物ともつかぬ存在だったわけですが、そこに迷うことなく跳び込んだことが今に至る稼ぐ力の源泉となっています。新しもの好き、ガジェット好きという性格も功を奏しました。
ぼくは2回転職をしていますが、2005年からは現在の会社にずっとお世話になっています。入社した最初の年の手取り年収は382万円でしたが、2023年は1,090万円でしたからおよそ3.3倍になりました。これが運用原資となっています。
そして資産の方程式で言うところの「ストック」部分では、2021年6月に2,500万円分の『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』を一括購入しました。現在に至るまでこれが人生で一番大きな買い物となっています。
2,500万円という非常に大きなサイズの原資です。通常であれば暴落を恐れ積立投資を選択をしがちです。ただ、株価指数は長期的に見て右肩上がりになるという前提で保有をする以上、ちょこちょこ買い付けるよりも一括投資してあとは寝かせておくだけが最も合理的となります。
あれこれ悩んで頭の中でシミュレーションを繰り返すぐらいであれば「えいや!」で買ってしまえば速やかに結果は出る。そんなロジックでぼくは個人の投資としては巨額とも言える2,500万円分の一括投資を実行したわけです。
結果的にオルカンの参照指数であるMSCI ACWI自体は今日までそこまで大きく伸長していませんが、当時はドル円が109-110円台であり大きく円安に振れたことが評価額を上げることになりました。
何事も考えるよりもやってしまった方が学びが多い。これは仕事でも趣味でも投資でも同じです。
何か行動を起こした際、予想外の結果となり失敗になることは良くあります。むしろ成功することは一握りですからほとんどが失敗になるわけです。そして何事も引き際が大事だったりもします。
大きなお金をかけたプロジェクト、かなりの人数を動員して手掛けた案件、長期間にわたり進めてきた取り組み。こういうものほど失敗をしたくないですから綺麗な撤退はしずらいものです。
「コンコルド効果」なる言葉があります。事業を続けても利益が見込めないにも関わらず、それまでの大きな投資が無駄になることを惜しんで事業を止められない状態を指します。
1970年ごろフランスとイギリスが共同開発した超音速旅客機コンコルドが由来です。
マッハ2を超す速度を記録したコンコルドは、定期国際航空路線に就航した唯一の超音速旅客機でしたが、乗客定員数の少なさや燃費の悪さなどの問題から、採算が取れないことが開発途中で判明していました。
しかし、それまで費やした費用を惜しんだことで開発は中止されず、運航がスタートします。その結果、騒音や環境問題、オイルショックなどの影響もあり、最終的に開発会社は膨大な損失を出して倒産。
このような失敗になぞらえて、損失が出ると分かっていながら投資を続けてしまうことを「コンコルド効果」と呼ぶようになったわけです。「サンクコスト(埋没費用)効果」とも呼ばれます。
成功を掴む人というのは失敗事案における撤退戦が見事ですね。素早く決断し、無駄なく、華麗に身を引きます。結局、ここを速やかに退けるかどうかでその後にチャレンジできる回数も変わってくるからです。
ぼくは2017年末の暗号資産ブームに全力で乗っかりまして、わずか1ヶ月ほどで300万円強を溶かした経験があります。10ほどの草コインを保有していまして、2018年1月以降は気絶するぐらい真っ逆さまの暴落をくらうことになりました。
700万円ぐらいでエントリーしていましたから半値を切ったことで耐えられなくなり全売却して逃げるように身を引きました。通常であればこうした心の傷はなかなか癒えませんから、二度と暗号資産なんか手にしなそうですが、その後2021年9月に再び手にしています。
なんでそんなことができるのか。そう、ぼくは激しく失敗したことは仕事だろうが投資だろうが頭の中から消し去ってしまうからです。なので心の傷もほっときゃ癒える。失敗を振り返ることも大事ですが、そんなことをいくら分析しても成功にはあまり繋がらないと思うんですよね。
だからこそすっぱり忘れる。すぐ次のことを考える。このぐらいの割り切りも人生を図太く生きていく上では大事です。
世の中の人材を2つに分けると、「ひらめき」を大事にする右脳型と、「ロジック」を大事にする左脳型に分かれます。皆さんはどちらでしょうか?
ぼくはデザイナー出身ということもありひらめき型でしたが、会社員でマネジメントをするようになってからは、ロジック型の思考も組み合わせてハイブリッドでやっています。それでもやはりひらめき型ネイティブです。
2000年代以降、色々な分野が定量的(物事を数値や数量で表すことができる要素)に物事を語れるようになってきました。広告出稿なんて良い例ですよね。ラジオや新聞、雑誌、テレビで広告を流した場合、その費用対効果を昔は正確に測ることができませんでした。
ただ現代ではWeb広告やYouTube広告など、デジタル化されたおかげでROI(投資利益率)運用を行うことができるようになりました。つまり、効果のないところから効果あるところにお金を重点的に差配するようなことです。
経営者としてはこのようにいくら投資していくらリターンがあるかがあらかじめ手堅く分かる方が投資しやすくなります。リスクをあまり取らなくても良いからです。その結果、予算がどんどんそちら側に流れていきやすいのですが、一方でこれだけをやっていては新しい魅力的な広告手法は開拓されていきません。
結果が分かるものだけに投資が寄り易いというのは、どんな業界でもあるのではないでしょうか。ただし数字から組み立てていくプランは想像を超えた結果を生み出しません。物事をどんどんつまらなくさせていく可能性だってあります。
「マクナマラの誤謬(ごびゅう)」という言葉があるのをご存知でしょうか。これは「数字にばかりこだわり物事の全体像を見失うこと」という意味が込められています。
ベトナム戦争の際に、当時のアメリカ国防長官のロバート・マクナマラ氏がデータ分析を駆使して勝利を目指したものの、ベトナム人の愛国心やアメリカ人の反戦感情に目を向けず泥沼の戦争を招いたことに起因します。
数字だけでは見えない世界があるからこそひらめきも重要。ぼくはそう思います。だからこそバランスよくひらめきとロジックとを使っていく必要があるんですね。
会社員をしていると社内に数字だけで物事を語る人種というのは多く生息しています。すごく最もらしいコメントをするものの、そこから生まれる結論には何か血が通っていない。だから熱量が足りない、驚きが足りない、面白くならない。そんなことになりがちです。
資産運用においてどんな金融商品にお金を投じるのかでも同じことが言えますね。確かに過去100年の推移がどうだったとか、チャートの傾向がどうだとか、分析から得られる情報が意思決定の役に立つことは否定しません。
ただ、それだけじゃなくもう少し「この業界はなんか盛り上がりそう」とか「この地域はこんな発展をするんじゃないか」とか「このビジネスの時代が近く来るのではないか」とか、そんなひらめきがあっても良いと強く思います。
ロジックはほどほどに、ひらめきは最大出力で。これがぼくの生き方です。
おしらせ
キャラクター”ぺいぱ”がデザインされた「資産運用学園やわらか中学校」公式アイテムがついに販売開始!トイレットペーパーを模したキャラデザの由来は、古くなったお札が再利用されてトイレットペーパーになることや、ウン(運)がつく縁起ものだからなど、諸説あり。いずれのアイテムも日常使いできるシンプルデザインです!ぜひお買い求めください!
さいごに
今回は「リスクを取る生き方」をテーマに話を進めてきましたがいかがったでしょうか?
① 分からないものにはまず飛び込んでみろ!
② 失敗は潔く認めてさっさと忘れろ!
③ 数字にまどわされて自分らしさを失うな!
経験したことのないこと、自分の知識が及ばないこと、速やかな判断が求められること。人間というのはこういう事象を心理的に避けたいと感じてしまう生き物です。だって面倒臭いですから。DNAレベルで楽な方に楽な方に流されたいんですよね。
「ドラクエ」などのロールプレイングゲームで、主人公が最初の町の付近をずっとうろうろしていれば、敵はたいして強くないし、お金に困ることもないし、どこに何があるか分かってるし、町に戻れば宿屋があるし、何の不自由もありません。ただし、全然レベルも上がらないし、お金も増えませんし、見える景色も変わりません。リスクを取らないというのはつまりこういうことなんですね。
逆にリスクを最大限まで取るというのは、様々なダンジョンやお城を巡り、色々な人々と出会い、多くのモンスターと対峙しながら、数々のアイテムを手に入れ、魔王を討伐する。そんなことです。現実世界においては、始めた会社が大きくなってForbesの長者番付に載る、なんていうこととも繋がりますね。
光の裏に影あり。成功の裏に失敗あり。リスクの裏にリターンあり。つまり1,000万円の含み益が出た場合、1,000万円の含み損が出る可能性と表裏一体なんだということです。この1,000万円の損失の覚悟を引き受けた上で運用を粘り強くやっている人だけが、昨年から今年にかけての相場上昇での恩恵を受けられるわけです。
今回の話は、金融資産を現金だけで保有していることがリスクを取ってないとか、会社員をやっていることがリスクを取っていない、なんてことを言いたいわけでは全然ありません。すべてはバランスが大事。
ぼくが金融投資では2,500万円分のオルカン一括購入とか、暗号資産で痛い目見たのにまた購入とかでリスクを大きく取りつつも、同じ会社で20年近く会社員を続けて保守的に過ごしていることは、ある意味でバランスなのです。
少なくても、人と同じことをしていたら人並みの結果しか生みません。頭ひとつ抜け出したい、違った特徴を持ちたい、人とは違う生き方をしたい、という場合はどこかで大きくリスクを飲み込んでチャレンジをしていくことが必要です。
皆さんはどんなリスクを取って生活をされていますか?ぜひコメント欄で色々な経験談を聞かせてくれると嬉しいです!
人生はノーコンティニュー!悔いのないようにやっていきましょう。
では、ごきげんよう。
リスクオン!ライドオン!