・リスクとリターンは表裏一体
・コア・サテライト戦略
・ポートフォリオの整理
おはーん、ペーパー先生です。
先日、「ピンチはチャンス」という回の中で、
成功を収めた投資家というのは、大きなリスクを果敢に掴みにいっている。
そんな話をしました。
金融資産を大きく増加させた投資家に共通しているのは、
2020年3月のコロナショックによる株式市場急落の局面で、
大きく買いに走っているんですよね。
相場が急落している時というのは投資家の信念が試される時でもあります。
😱慌てて売却をしてしまうのは悪手(あくしゅ)
🤓冷静に買い向かうのは好手(こうしゅ)
極端ですがこんな言い方もできるのではないでしょうか。
リスクとリターン
確実に、かつじっくりと資産を育てていきたいけど、
爆発力も欲しいという方、多いかと思います。
一般的に、リスクとリターンは表裏一体の関係にあります。
リスクが大きいものほどリターンも大きい(ハイリスク・ハイリターン)
リスクが小さいものほどリターンも小さい(ローリスク・ローリターン)
この図の通り、預貯金はほぼ金利が付かないという一方で、減ることもありません。
株式は元本割れする可能性も多分に含みますが、その分資産を大きく成長させられる可能性も秘めています。
現在の株式市場が軟調なのは、日本を除く主要国の中央銀行が利上げに舵を切ったことで、
株式に回っているリスク資産が無リスク資産、つまり現金や国権に流れているためでもあります。
国権は、発行している国家が財政破綻しない限り、償還まで保有したら元本割れすることはありません。
現在、アメリカの10年物国債の利回りは3%を超えています。
無リスクで年利3%というのは、すごく高いわけではありませんがけっして低くもありません。
変動の激しく元本割れもある株式より魅力があるよね、となっているわけです。
さて、資産形成においては、その目的の多くが老後や教育など
将来必ず必要になる資産を作ることです。
大きくリスクを取りすぎて軟調相場に巻き込まれ、
「必要な資産を作ることができなかった…」では済まされません。
コア・サテライト戦略
そんな方にオススメなのはコア・サテライト戦略です。
運用資産をコア(中核)とサテライト(衛星)に分け、コアは、「守りの資産」として長期的に安定して運用できる商品を保有し、サテライトは、「攻めの資産」としてコアよりもハイリスク・ハイリターンの商品を保有します。
例えばコアとして運用される定番の株式商品はこれらです。
🇺🇸S&P 500に連動したETFや投資信託(アメリカ株式)
🌏MSCI ACWIに連動したETFや投資信託(全世界株式)
🌆MSCI KOKUSAIに連動したETFや投資信託(先進国株式)
2022年5月、大手ネット証券3社の投信積立契約件数ランキングでは
対象インデックスの違いはあるものの、
手数料の安いこれら投資信託がTOP10すべてを占めている状態です。
【出典】「S&P500」と「オール・カントリー」のトップ3は不変、次世代を担う10位以下にも注目=ネット証券の投信積立契約件数ランキング22年5月(モーニングスター)
2022/06/02 17:42
短期で見れば上下に波があるものの、資本主義経済が今後も長期に渡って成長し続ける。
そんな考えの元で投資をしていくわけです。
毎月の積立設定をしたら、あとは忘れてしまっても良し、
というほったらかし投資の王道でもありますね。
ぼく自身も『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』をコアに据えています。
2022年6月17日時点で、2,844万円ほどをコア運用しています。
この手法は「コツコツ・たんたん・中長期」が前提ですから、
15年〜20年を見据えたものです。
安定性は高いものの、爆発力はありません。
そこで、メインディッシュ(コア)に対するトッピングとして存在するのがサテライト投資です。
少額をハイリスク・ハイリターン商品へ投じていくというものです。
理想の比率ですが、コア8:2サテライトというイメージ。
ぼくはサテライトで暗号資産(ビットコイン・イーサリアム)を保有してます。
金融資産額3,487万円のアセットアロケーション(資産配分)は
🌏全世界株 84.0%
🎖暗号資産 8.4%
💴法定通貨 7.6%
現金(法定通貨)を除いたコア・サテライト比率は
🌏全世界株 90.9% コア
🎖暗号資産 9.1% サテライト
このようになっています。
評価損益率ですが
🌏全世界株 +3.0%
🎖暗号資産 ▲44.6%
全世界株式が円安効果もあり手堅くプラス圏で推移しているのに対し、
暗号資産の落ち込みが激しくなっています。
ただ、これがまさにコア・サテライト戦略の良さでもあります。
ほぼ半値近くになっていますが、含み損は▲230万円ほど。
もしこれをコアとして据えていたら含み損は▲1,300万円ほどに跳ね上がっていたわけです。
サテライトでどの程度のリスクを取りにいくのかは人により差があると思いますが、
暗号資産について、ぼくは全損しても良い覚悟で臨んでいます。
もちろんデジタルゴールドとしての価値が将来大きく上がる期待を持って保有をしていますが、
一方でまだ歴史も浅いですし法整備も追いついていません。
将来が約束されてはいない、まさに海の物とも山の物ともつかぬ存在でもあります。
サテライト枠の他の候補として代表的なのはナスダック指数にレバレッジをかけた
通称「レバナス」や、「テスラ」(TSLA)や「ソフトバンクグループ」(9984)などの個別株、
ESGやイノベーションなどのテーマ型アクティブファンドなどが挙げられます。
これらは全損する可能性こそ限りなく低いかもしれませんが、
ものによっては最高値から5割、8割安というケースもあり得ます。
もちろん下がる可能性があるということは、その逆に上げる可能性もあります。
つまり爆発力を手にするというのはこういうことですね。
さいごに
コア・サテライト戦略をやる際は、8:2というバランスを
見ていくことが大事です。
そのためには、ポートフォリオの商品数が整理されている必要があります。
ぼくも最初そうでしたが、投資初心者は少額で色々な商品を
細かく買い増ししていく傾向にあります。ビュッフェスタイルですね。
そうすると重複しているものが出てきたりしますから、
何がコアかサテライトかも分からなくなってきます。
コアに据えるものをまず最初に決め、その商品は1本に絞る。
その上で、サテライトを楽しむ、という流れがオススメ。
すでに細かく色々と商品を持ってしまっていると言う方へのアドバイスです。
手数料が高いとか、特定の新興国など、
よっぽどやんちゃな商品でない限りは、売却せずに保有し続けていく形で問題ありません。
逆に言えば、やんちゃ商品は速やかに売却してその資金をコアに集中させていくことが重要です。
人生はノーコンティニュー!
悔いのないようコアを決め、腰を据えて一緒に頑張っていきましょう。
では、ごきげんよう。
よろしければこちらの記事もご覧ください。
個人的に、コアに据えるべきは全世界株式1本で良し。