・中国のクレジットインパルスに注目
・中国におけるマネーの縮小
・パニックを誘発する投資概況
おはーん、ペーパー先生です。
中国は新型コロナウイルスからいち早く回復したと言われていますが、
その一方では、景気の減速懸念が浮上しています。
今日は中国の景気減速が世界に及ぼすリスクについて、やわらか紹介していきます。
中国のクレジットインパルスに注目
金融市場ではアメリカのFRBによる量的緩和政策の行方に注目が集まっていますが、
中国では国内総生産(GDP)に対する新規貸し出しの伸びを示す「クレジットインパルス」に注目が集まっています。
ブルームバーグの報道によると、中国のクレジットインパルスの伸びと歩調を合わせ、
米国債利回りの上昇や、S&P500種指数が下落する傾向がある中、
同国のクレジットインパルスは昨年終盤にピークを打ち、現在は低下傾向です。
【出典】中国の経済構造に変化-「クレジットインパルス」低下、減速意味せず(ブルームバーグ)
2021年6月18日 13:38 JST
中国におけるマネーの縮小
世界経済は重厚長大型の製造業、建設業などいわゆるオールドエコノミーと連動している部分が大きいわけですが、
この分野で中国のマネー縮小が世界市場に与える影響をどう捉えたらいいのか。
6月30日(水)の『Newsモーニングサテライト』で、第一生命経済研究所 主任エコノミストの西濱徹(にしはまとおる)氏が以下のように解説されています。
「過去、中国におけるマネーの縮小は国内景気に影響を与えるだけではなく、1年ぐらいのタイムラグでアメリカ株に影響がある傾向が見えて取れます。中国のマネーサプライとS&P500(前年比)との比較では、ほぼ同じ推移を辿っており、つまりは中国のマネーサプライが鈍化すると、その1年後にはS&P500も鈍化する、ということです。」
気になるのは来年の後半というと、ちょうどアメリカのテーパリングが実行段階に入るタイミングです。
こうしたイベントが重なってくると、金融市場のみならず世界経済の不透明要因に繋がります。
パニックを誘発する投資概況
「中国の減速」と「アメリカのテーパリング」。
思い出されるのは2015年のチャイナショックです。
前年にアメリカでテーパリングが開始されたタイミングでした。
当時、このタイミングで中国は景気対策として金融緩和を行いました。
中国国内でカネ余りがあった中、個人のレバレッジ投資が株式市場に大きく入り、株価は上昇。
しかし、中国の景気減速が意識されて一気に株価が落ちた、というのがチャイナショックです。
当時と比べ、現在は当局がレバレッジの規制を強化している動きがあり、状況が異なっています。
その一方で、中国株は世界の株価指標に組み入れられていることから、
国際金融市場との連動性は当時よりも高まっています。
外国人投資家の投資は香港経由で行われており、こうした状態で金融不安が起きた時、
細い道へ集中的に資金が流出するような動きがあったりするとパニックになりますから、
年後半もしくは来年頭にかけて、こうした動向に意識したほうが良さそうです。
こちらの記事もよろしければどうぞ。
では、ごきげんよう。
「中国の減速」と「アメリカのテーパリング」は来年にかけての2大テーマ