この記事で分かること
・バフェット氏の手紙
・企業のお金の使い方
・企業の投資視点
おはーん、ペーパー先生です。
ウォーレン・バフェット氏率いる米バークシャー・ハザウェイさんが先月27日、
毎年恒例の「株主への手紙」を公開しました。
この手紙は、同社の年次報告書冒頭でバフェット氏が株主に向け
投資状況や投資に対する考え、今後の相場の行方などを書いたもので、世界中が注目をしています。
今年のサマリーとしては、
27日、米バークシャー・ハザウェイさんが「株主への手紙」を公開。上場株の保有上位15銘柄に🇨🇳BYDさんや🇯🇵伊藤忠商事さんが入り、米国株偏重を見直していることもささやかれる一方、「Never bet against America (決して米国が衰退する方向に賭けるな)」と、米国市場への強い自信をのぞかせています。 https://t.co/Yj33ft3lvL
— ペーパー先生@外国株投資家 (@papercapinfo) March 1, 2021
米バークシャー・ハザウェイさんの20年12月末時点の現金同等物は1380億ドル。カネ余りで企業の買収価格が跳ね上がっており、余剰資金の使い道は過去最大247億ドルの自社株買いにあてました。発行済み株式数のおよそ5%になります。お金はあるけど買うものがない。そういう時は自己投資が良さそうですね https://t.co/Pc96RwZTam
— ペーパー先生@外国株投資家 (@papercapinfo) March 1, 2021
このあたりが挙げられますね。
特に中央銀行の金融緩和政策や、各国政府のコロナ対応などで、カネ余りの状態が続いています。
お金というのは、「稼ぐ」のも「貯める」のも大事ですが、
「どう使うか」ということも非常に重要です。
そこで参考になるのが企業のお金の使い方。
世の中の動向を反映しており、個人でも参考になることが多いものです。
今日は、昨今の企業がどのようなことにお金を投じているのかをやわらか解説します。
昨今の企業のお金の使い方
さっそく事例を見ていきましょう。
<事例①:コンテンツ制作>
米動画配信サービス大手ネットフリックスは今年、韓国の映画・テレビシリーズ作品に5億ドル(約530億円)を投じる。背景には、視聴者獲得を巡る競争が激しさを増すとともに、その舞台が米国のコンテンツ以外にも広がっていることがある。
【出典】ネトフリ「韓流」に大型投資へ、主戦場は米国外に(THE WALL STREET JORNAL)
2021年2月26日 10:23 JST
<事例②:ESG>
大手電機メーカーの日立製作所は、2030年度までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする目標に向け、設備の省エネ化などに今後10年間で840億円を投資する方針を明らかに。
【出典】日立製作所 脱炭素へ10年間で840億円投資 設備の省エネ化など(NHKニュース)
2021年2月25日 18時13分
<事例③:ESG>
米アップルのティム・クックCEOは23日、年次株主総会で将来的にすべての製品をリサイクル材だけ使い生産する構想を示した。温暖化ガスの排出を抑えるとともに、発展途上国の鉱山における児童労働問題にも対処する狙いとみられる。
【出典】Apple、全製品をリサイクル材生産 株主総会で構想表明(日経電子版)
2021年2月24日 6:39
<事例④:産業振興>
アスクルは通販サービスの売上金の一部を、東日本大震災で被災した地域の事業者への出資に充てる。これまでは同地域の教育機関などに寄付してきたが、「インパクト投資」の一環として出資に切り替え、新たな被災地支援策とする。
【出典】アスクル、通販の一部で被災地企業に投資(日経電子版)
2021年2月23日 19:57 [有料会員限定]
<事例⑤:ESG>
佐川急便を傘下に持つSGホールディングスは、2030年をめどに自社で配送に使う軽自動車約7000台をすべて電気自動車(EV)に切り替える。EVベンチャーのASF(東京・港)と専用車を共同開発し、CO2排出量を現在より1割強減らす。
【出典】佐川急便、EVで宅配 軽7000台転換しCO2を1割減へ(日経電子版)
2021年2月23日 19:00 (2021年2月24日 5:17更新) [有料会員限定]
<事例⑥:財務改善>
ソフトバンクグループは22日、過去に発行した外貨建て社債を対象に公開買い付けを実施すると発表した。22億5000万ドル(約2400億円)を上限に投資家から売却を募る。同社は資産売却などで得た資金を元手に負債圧縮を進めている。
【出典】ソフトバンクG、自社外貨建て社債買い付け 2400億円上限(日経電子版)
2021年2月22日 20:40
<事例⑦:設備>
トヨタ自動車は18日、米ウェストバージニア州のエンジン工場に2億1000万ドル(約220億円)を投資し、生産設備を更新すると発表した。従業員100人を追加雇用し、北米で需要が伸びているSUV(多目的スポーツ車)向けのエンジンを増産する。
【出典】トヨタ、米エンジン工場に220億円投資 SUV向け増産(日経電子版)
2021年2月19日 2:22
<事例⑧:設備>
アイリスオーヤマは18日、富士小山工場(静岡県小山町)でミネラルウオーターの生産を始めた。同日、さらに30億円を投資して製造ラインをもうひとつ設置することも発表。生産能力を倍増させ、2025年度に300億円の売り上げを目指す。
【出典】アイリスがミネラル水の生産開始 追加投資も(日経電子版)
2021年2月18日 18:40
<事例⑨:資産保全>
米電気自動車のテスラが暗号資産(仮想通貨)のビットコインを15億ドル(約1600億円)分購入したことが8日分かった。資産の多様化が目的だという。テスラ製品の購入でビットコインの支払いを受け付けることも発表した。
【出典】米テスラがビットコイン15億ドル購入 価格は最高値に(日経電子版)
2021年2月8日 22:20 (2021年2月9日 6:12更新)
まとめ
企業の投資は、
【種類】M&A・事業・設備・人材・財務など
【姿勢】攻め・守り
【期間】短期・中期・長期
このような様々な視点が組み合わさっています。
2月いっぱいの主だった企業投資をみていくと、
トレンドや不可逆的だということもありESG関連が目立つほか、
設備や資産購入などの自己投資も多いですね。
企業がESGへの取り組みに積極的なのは、
ここをしっかりと押さえておかなければ、機関投資家からの評価が下がり
市場で埋没しかねない危機感があるからです。
それだけ環境配慮の姿勢は厳しく見られているわけです。
また、お金があるうちに財務体質を改善したり、設備への追加投資をしておく、というのもテッパンですね。
“お金はある。だけどコロナの状況は読めない。”
こういう動きづらい時に、どういったアクションを取るのかで企業カラーがでます。
これを個人に置き換えても同様ですね。
先生は、2020年の1年間で、書籍やブログ、YouTube等で、
ひたすら資産形成に関する知識を蓄え、家計の大幅な見直しに繋げました。
いわゆる外食や旅行に行けない分、お金も時間も自分に投じたわけです。
おかげさまで運用成果もじわりと出始めており
激動の2020年代を乗り切っていけそうな気がしてます。
企業のESG投資も自己投資に近いと言えると思いますが、
お金をかけてから、回収をしていくまでが中長期なんですよね。
すぐに見返りが欲しい人にはなかなかシンドイわけです。
こういう自己投資を腰を据えてやり切れるかどうか、というのが
コロナ禍で企業や個人は試されているのだろうと思います。
企業の投資についてはこちらでも触れていますので、よろしければどうぞ。
では、ごきげんよう。
投資の仕方は千差万別。