・損益計算書の6ステップ
・利益から課題が見える
・利益率とは
おはーん、ペーパー先生です。
先日は決算書について紹介をしました。
今日は損益計算書(Profit and Loss Statement/PL/ぴーえる)について、
どこよりも分かりやすくやわらか解説していきます。
損益計算書の6ステップ
損益計算書はこのようなものです。
1年間の収入と支出から企業の成績を見るための資料。
日本会計基準をもとに、大きく6つのステップで利益を見ていきましょう。
売上高を軸に、周辺経費を5段階で差し引いていくことで利益を確認していきます。
①売上高=商品・サービスの対価
商品・サービスを提供した対価として得たお金です。
②粗利益=「①売上高」-「原価」
商品・サービスを作るため、必要な部材やその仕入れなどにかかる費用を「原価」と呼びます。これを差し引いたものが「②粗利益」です。”商品・サービス力”を示す指標です。
③営業利益=「②粗利益」-「販売管理費」
商品・サービスを提供する際、かかった人件費や賃料などを「販売管理費」と呼びます。これを差し引いたものが「③営業利益」です。”本業で稼ぐ力”を示す指標です。
④経常利益=「③営業利益」-「営業外収益・費用」
預金や借入の利息、グループ企業で発生する費用を「営業外収益・費用」と呼びます。これを差し引いたものが「④経常利益」です。”利益を生む力”を示す指標です。
⑤税引き前利益=「④経常利益」-「特別損失・利益」
株式売買や災害による被害で一時的に発生した損失・利益を「特別損失・利益」と呼びます。これを差し引いたものが「⑤税引き前利益」です。
⑥当期純利益=「⑤税引き前利益」-「税金」
法人税を始めとした国や地方自治体に収める必要のある「税金」を差し引いたものが「⑥当期純利益」です。
この5段階で利益を見えていくことで、経営効率を知ることができます。
利益から課題が分かる
例えば、年間売上高が以下のとあるおもちゃメーカーがあるとします。
A社:売上高100億円
B社:売上高1億円
こうやって並べるとA社の方が優秀に見えますが、
利益を見ていくとその印象が変わります。
A社:売上高100億円 / 粗利益1,000万円
B社:売上高1億円 / 粗利益5,000万円
原価を除いた利益ではB社に軍配が上がります。
つまりA社は薄利多売のビジネス構造となっており、
経営上の課題がここにあることが分かります。
5段階で利益を見ていくことで、その会社の課題や
今後成長するための要素が、
「原価」にあるのか、「販売管理費」にあるのか。
もしくはそれ以外の要因として「営業外収益・費用」や、
一次的な変動要素として「特別損失・利益」があるのか、
などを細かく知ることが出来るわけです。
利益率とは
経営効率を見ていくためによく使われるのが、「利益率」です。
通常は⑥当期純利益を用いて
「純利益率」=⑥当期純利益÷①売上高
このように算出します。
これは業界により大きく違いがあり、
大きな工場や部材、店舗などを保有する小売業や製造業では2~5%と低く、
ソフトウェアやゲームなど在庫を持たないIT分野では15~30%と高くなる傾向があります。
そのため全業種での比較ではなく、業種単位で対象企業のパフォーマンスを見るために用います。
では、ごきげんよう。
損益計算書(PL)は経営効率をみる物差し。