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シニア雇用”元年”?企業の成長につなげるには

シニア雇用"元年"?企業の成長につなげるには
この記事で分かること

・ゆで太郎で進む”シニア雇用”の取り組み
・シニア雇用を活かす仕組み
・シニア雇用は企業にとって喫緊の課題

おはーん、ペーパー先生です。

2021年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法では、

企業が70歳まで雇用を維持する努力義務が課せられました。

今日は、6月8日にテレビ東京『Newsモーニングサテライト』で取り上げられた

シニア雇用の企業の取り組みについて、やわらか紹介します。

ゆで太郎で進む”シニア雇用”の取り組み

このシニア雇用元年とも言える制度、企業ではどのような取り組みがされているのか?

「シニア雇用」企業の取り組み

定年を廃止…YKK(21年4月-)
定年を70歳に引き上げ…三菱ケミカル(22年4月-)
再雇用を70歳に延長…ダイキン(21年4月-)

番組では、全国に出店している立ち食いそばチェーン「ゆで太郎 西五反田本店」での様子が取り上げられました。

店で働く多くがシニアで、72歳の立岡信明(たておかのぶあき)さんもその一人。

打ちたての自家製面にこだわるゆで太郎で、その作業を立岡さんは一手に取り仕切っています。

周りの若い従業員からは

💬18歳の店舗スタッフ
「そばを打つ時に分からないことがあれば的確に教えてくれるので助かっています。」

💬30歳の店舗スタッフ
「いつも”釜じい”(と呼んでいる)。かわいいです。」

孫ほど年が離れた従業員から”釜じい”と親しまれている立岡さん。

以前は他の飲食店で働いていたそうですが、55歳でゆで太郎に中途入社。

定年後は転勤のない「地域限定社員」という立場だそうです。

仕事は天ぷらの調理から、店の清掃まで何でもこなし、

週5日、8時間フルタイムで働いています。

💬ゆで太郎シニアスタッフの立岡さん
「基本的にそばは粉と水じゃないですか。それを茹でるじゃないですか。それなのになんでこんなに難しいのって気付いちゃった時に、面白くなっちゃった。やりがいでしょう。(月収は)25だったり28だったり。」

けっこう稼いでいますよね。立岡さん以外のシニアもその多くが月収20万程度という方が多いそうです。

シニアの数は年々増えており、今では店舗スタッフのおよそ6分の1を占めるそうです。

シニア雇用を活かす仕組み

そんなゆで太郎、コロナ禍の落ち込みを除けば、会社も成長を重ねており、

売上高は右肩上がり、店舗数も業界トップ。

シニア雇用について会社はどう考えているのか。

ゆで太郎を運営するゆで太郎システムの池田智明(いけだともあき)社長に話を聞くと、

若年層の労働人口は確実に減っている中で、店側からすると

シニアは”経験”と”人格”がある貴重な戦力だと答えています。

💬池田社長
「常識がありますし、遅刻もないですから。ドタキャンとかバイトテロも絶対ないですから。」

痛烈な皮肉が込められていますが、唸らせる鋭いコメントですね。

このように色々メリットもあるシニア雇用。

成長の原動力にするには、ただ働いてもらうだけでなく、力を出し切ってもらう必要があります。

ゆで太郎では「職人バッジ」というものがあり、

・製麺ができると「製麺職人」
・そばが茹でられると「そば茹で職人」
・天ぷらが揚げられると「天ぷら職人」

スキルが認められるとバッジが与えられて、月収に1000円ずつ追加される仕組みが導入されています。

向上心を持って仕事に取り組んでもらおうという会社側の工夫なんですね。

さらに、新入社員などの若手育成のトレーナーを任されることもあります。

技術や経験があれば人の上に立つこともできる。

年齢に相応しい立場を用意してあげる、というのもやる気を引き出すコツだと言えます。

💬ゆで太郎シニアスタッフの立岡さん
「それになりに大変だけど、だから元気でいられるかなってのはあります。目標は80歳。(1日)3時間でもいいので、この仕事を携わっていたい。」

池田社長はシニア雇用に関して、

・定着率が上がる。
・会社へのロイヤリティが高い。
・技術もある。
・給料も上げられる。

こうしたことを通じて、シニアが会社の文化になっていく。

年をとっても安心して働ける会社がいいじゃないですか、と話されていました。

シニア雇用は企業にとって喫緊の課題

シニア雇用は企業にとって喫緊の課題だという専門家の指摘も。

💬大和総研の田村統久(たむらむねひさ)研究員
「今後人口の65歳以上の比率が高まってきます。シニアを従業員として呼び込めない企業は成長や持続性にハンデを負ってしまう状況になると思います。」

総務省 国立社会保障 人口問題研究所によると、

2020年
15歳-64歳…59.1%
65歳以上…28.9%

2050年
15歳-64歳…51.8%
65歳以上…37.7%%

30年後には、現役世代の数字が落ち込む一方で、65歳以上は10%近く上昇します。

シニアが現役世代並みの戦力として期待される時代がすぐそこまで来ているんですね。

感覚機能や体力の低下を、知識や経験で補っていく。

こうした現役世代との違いを考慮した上で、働き方を柔軟に選択できる仕組みを

企業が整えていくことが必要になるわけです。

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では、ごきげんよう。

今日のまとめ

シニアを活かすには企業側の理解が必要。

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