・外様部長は何よりも把握が大事
・外様部長は安心感をあえて残す
・外様部長はファンドマネージャーにも通じる
おはーん、ペーパー先生です。
異動や転職で、まったく新しい職場のマネジメントを任されることがあります。
主君の親族や一門から仕えてきた譜代と比較し、疎遠にある家臣を「外様(とざま)」と呼んでいたことから、
現代でも、突然外部から人間がトップに就任することを「外様」と言います。
こうした外様部長は色々と苦労が多くありますよね。
先生は、現在の勤務先でこの外様部長を、人事、広報、開発と計3回やってきました。
今日は、いきなり部長を任命されてマネジメントに苦労されている方に向けて、
外様部長が成果を出すコツをやわらか紹介します。
①「ヒト・モノ・カネ」の把握
マネジメントとは、「ヒト・モノ・カネ」を最大限活かして、組織に競争力を生んでいくもの。
先生はこのように定義しています。
異動や転職で外様部長をやる場合、これら要素を全然把握できていないところから始ります。
「敵を知り己を知れば百戦殆からず」
(てきをしり・おのれをしれば・ひゃくせんあやうからず)
これは孫子の有名な格言ですが、詰まるところ
勝負の原則が「敵を知ること」と共に「味方の内容をよく認識すること」である、という教えです。
どんな業務が行われているのか?
どんな経験や知識を持った人がいるのか?
どんな予実になっているのか?
これをやり切るためには、参謀を早期に見つけることが大事です。
組織に長く在籍しており、「ヒト・モノ・カネ」の実態を把握できている人。
この参謀を巻き込み、速やかに状況把握をしていくことが、外様部長の第一歩です。
②「目的・目標・手段」の設定
次は部内への目標提示へと進みます。
いわゆる「目的・目標・手段」ですね。
考え方や設定の仕方についてはこちらの記事で詳しく解説をしています。
スタッフも「新しい部長はどんな人なんだろう?」「今までと何が変わるんだろう?」
と、その一挙手一投足に注目をしています。
そのためできるだけ速やかに、部内全体へ「この部の目指すところはココ!」というものを提示します。
タイミングは、異動後の年度や期の変わり目などをターゲットにすると良いでしょう。
1つポイントを挙げます。異動前に提示されていたものから、丸ごと中身を変えてしまうと、
現場に混乱や動揺が起きますので、どこか一部分だけでも従来の延長になる部分を残しておくことです。
プロ野球の「ダイエーホークス」が「ソフトバンクホークス」にオーナーチェンジした時に、
マスコットキャラクターのハリーホークは続投となりました。
感覚的にはこれに似ています。どこかに安心感を残してあげるということです。
③「レポートライン」の更新
最後の仕上げは、レポートライン作りです。
企業や組織の中で業務報告や意思疎通を行う際の系統のこと。上司には重要な意思決定を求めたり、業務報告を行い、部下にはタスクの遂行や進捗報告を求めるというコミュニケーション・フローをもつ。
【出典】レポートライン(クレイア・コンサルティング)
いわゆるピラミッド状の体制図ですね。
「目的・目標・手段」の遂行にあたり、外様部長の直下にはだれを置くのが良いのか、非常に頭を悩ます部分です。
なぜこれを最後に持ってきたかと言うと、一番時間がかかるからです。
就任直後は、現行体制のままとりえず動かしていくしかありません。
1年ぐらい組織を実際に動かしてみないと、最適な答えは出てこないからです。
つまり、外様部長の本当の勝負は、ここまでをやり切ってからようやくスタートということですね。
ファンドマネージャーに通じる部分も
では、まとめます。
①「ヒト・モノ・カネ」の把握
②「目的・目標・手段」の設定
③「レポートライン」の更新
先生は過去の異動で、これらを順を追ってしっかり押さえていくことで、
大きな混乱なく、スムーズに旧体制から新体制への移行を済ませました。
この後、成果を出せるかどうかは、①-③までの目利きがしっかりできていたのかどうかに尽きます。
そうそう、外様部長の仕事は、ファンドマネージャーと似ているとも言えますね。
色々な会社を見て、良い部分・悪い部分を分析し、将来活躍している姿が浮かぶかどうか。
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外様部長とファンドマネージャーというのは
その対象が「人」なのか「企業」なのかの違い以外は同じなのではと感じます。
今日の話がマネジメントでお困りの外様部長の皆さんの参考になれば幸いです。
こちらの記事もよろしければどうぞ。
では、ごきげんよう。
外様部長の仕事は「意思決定」と「組織の秩序作り」。