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風が吹けばバブルが弾ける

風が吹けばバブルが弾ける
この記事で分かること

・バブル経済とは
・日本のバブル景気
・世界3大バブル

おはーん、ペーパー先生です。

昨年は3月を除けば、年間を通じて金融市場全般が堅調に推移してきました。

特に株高やビットコイン上昇相場に注目が集まり、

「バブル」という言葉を何度も耳にしましたね。

今日はそんなバブル経済についてやわらか解説します。

日本のバブル景気「起承転結」

そもそもバブル経済とはどういった意味なのでしょうか。

バブル経済(bubble economy)とは

バブルは「泡」という意味で、実態の価値以上の評価(泡の部分)が生じている経済状態のこと。具体的には株、土地、建物、絵画、宝石など各種の資産価格が、投機目的で異常に上がり続け、その結果、それらの資産額が膨らみ、大きな評価益が発生しているかのように見える状況のこと。

【出典】金融広報中央委員会「知るぽると」

それでは、1986年(昭和61年)12月から1991年(平成3年)2月までの51か月間に

日本で発生したいわゆる「バブル景気」の発生から崩壊までを、

「風が吹けば桶屋が儲かる」的に辿っていきましょう。

<起>

①1985年、27つ発生した台風のうち、日本には9つが接近し、3つが上陸する。
②日本は欧米諸国に対し巨額の貿易黒字を出し、世界経済でほぼひとり勝ちとなる。
③米国へ安い日本製品が大量輸出され米国企業に大打撃となる。
④円の価値を上げて米国内での販売価格を高くする必要に迫られる。
⑤日米だけでなく先進国(英、西独、仏)と足並みを合わせる必要が出る。
⑥1985年9月、ドル高是正のためG5(5カ国蔵相会議)による「プラザ合意」が行われる。
⑦G5はドル安になるよう、ドル売・自国通貨買いをする協調介入を実施する。

<承>

⑧円高ドル安が進み、日本の輸出産業の大打撃で日本は不況に陥る。
⑨企業が積極的な投資を行い、景気回復へ繋げていくために金利を引き下げる必要が出る。
⑩日本銀行は1985年に5%だった金利を、2年後の87年には2.5%まで引き下げる。
⑪企業は新規事業ではなく、本業外の資産形成を目的とした土地購入にお金を使い出す。
⑫国土の狭い日本では、土地の値段は必ず値上がりするという「土地神話」が生まれる。
⑬土地を大量に購入したり、ゴルフ場を作るなどが次々と行われていく。
⑭銀行から低金利で借入し、その資金で土地を買う企業が次々に出てくる。
⑮「土地神話」により、土地を担保にすれば銀行はどんどんお金を貸す。
⑯購入した土地を担保に、企業はまた銀行からお金を借りる。
⑰そのお金で企業はまた新しい土地を買う。
⑱銀行が土地を担保に貸し出す額は従来7掛け程度だったものが、土地価格を超える貸出が増える。
⑲1987年2月にNTTの株式新規上場が行われる。
⑳売り出し価格は1株119万円だったものが、わずか2カ月で318万円まで値上がりする。
㉑これまで株取引をやったことがない個人が次々と株を始める。
㉒空前の株式投資ブームになる。
㉓多くの個人需要により株価はどんどん上がる。
㉔企業は銀行から借入するよりも株式や社債による資金調達のほうが有利になる。

<転>

㉕企業が銀行からお金を借りなくなる。
㉖銀行は企業に融資し、その金利で利益を得るため、借り手が減ったことで利益が減る。
㉗土地や株の売買で大儲けした個人のお金が貯金として銀行に集まりだす。
㉘銀行は、銀行員に新規の融資先を開拓するよう大号令をかける。
㉙銀行員たちは土地所有者にマンション建設や融資の話を持ちかける。
㉚銀行は新しい貸出先を見つけたことで、土地を担保に再びお金を貸し出す。
㉛土地や株は値上がり続け「とてもマイホームは手に入らない」という状態になる。
㉜1989年12月29日、日経平均株価が3万8915円という高値をつける。
㉝政府は、行き過ぎた不動産価格の高騰を沈静化させる必要に迫られる。
㉞不動産向け融資の伸び率を、総貸出の伸び率以下に抑える方針が決まる。
㉟1990年3月に当時の大蔵省から金融機関に対し「総量規制」の行政指導が入る。
㊱価格が上がり続けるという「土地神話」に一抹の不安がよぎり始める。

<結>

㊲企業や個人が土地や株を一斉に売り始め、地価や株価が急落する。
㊳日本銀行は1989年に金利3.75%だったものを4.25%に、さらに翌年5.25%、最終的に6%まで引き上げる。
㊴土地や株は買い手が減り、1991年をピークに下がり続ける。
㊵日本は不況になり、30年が失われる。

【出典】なぜバブルは生まれ、そしてはじけたのか?(NIKKEI STYLE)
著者が解説~池上彰(9)
2016/7/16

世界3大バブル

最後に世界3大バブルを紹介して終えたいと思います。

とは言ったものの、実は3つめだけは何を入れるべきかが難しいカテゴリです。

暴落対象のジャンル別ということで、以下にしました。

チューリップ・バブル

時期:1637年
対象:球根
地域:オランダ
概要:オランダ黄金時代のネーデルラント連邦共和国で、当時オスマン帝国からもたらされたばかりのチューリップ球根の価格が異常に高騰し、突然に下降した期間を指す。

南海泡沫事件

時期:1720年
対象:株式
地域:英国
概要:グレートブリテン王国(英国)で起こった南海株式会社(The South Sea Company)株式の投機ブームによる株価の急騰と暴落、およびそれに続く混乱を指す。バブル経済の語源。

リーマン・ショック

時期:2008年
対象:住宅・不動産
地域:米国
概要:米国の住宅バブル崩壊をきっかけとして発生したサブプライム住宅ローン危機や多分野にわたる資産価格の暴落、投資銀行リーマン・ブラザーズ破綻などによる世界規模での金融危機を指す。

「弾けるまでそれがバブルだとは分からない」

一言で表すとこれこそがバブル経済です。

今回ご紹介してきたものは数十年に一度のトンデモ級ばかりでしたが、

実際そのサイズというのは様々。

日々、大小色々なバブルが弾けては生まれ、また弾けては生まれます。

「ちっちゃいことは気にするな、それ、ワカチコワカチコー♪」

先生は、このぐらいのノリで常に地に足のついた運用をじっくりやっていくのみです。

では、ごきげんよう。

今日のまとめ

泡は飲んでも飲まれるな。

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