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映画『TENET テネット』レビュー:ゲーム的没入感を味わえる衝撃作!

映画『TENET テネット』レビュー
こんな方に見てもらいたい。

・映画館がご無沙汰だなという方。
・新しいジャンルの映画を見て見たい方。
・ゲーム実況の視聴が好きな方。

おはーん、ペーパー先生です。

クリストファー・ノーラン監督の最新作『TENET テネット』、昨日観てきました!

新型コロナウイルス影響で、映画館に足を運んだのは、今年2月の『パラサイト 半地下の家族』以来およそ半年ぶり。

多い時は毎週末、映画館で新作映画を観ていた先生。

日本で9月18日(金)から公開されたこの『TENET テネット』が、いわばコロナ禍での劇場鑑賞復活の狼煙であるわけです。

英国では世界最速で8月26日に封切られましたが、「ミッション:インポッシブル」シリーズ最新作の撮影でロンドン滞在中のトム・クルーズさんが、クリストファー・マッカリー監督と『TENET テネット』を観るため映画館を訪れる風景をツイッターに投稿して話題になりました。

彼は役者としてだけでなく、自ら製作者としても映画産業に関わる身。

多くの作品が、公開延期やネット配信へ舵を切る中、気持ちのこもった投稿であったことは容易に想像ができます。

と、まぁ彼とは比較になりませんが、先生も映画を愛する一鑑賞者として、色々な思いを抱きながらの一本となったわけです。

今回は、従来のIMAXシアターよりもより鮮やかで明るく、コントラストが深い超高解像度の映像を楽しむことができる4Kレーザー投影システムを導入した「IMAXレーザー」のシアターで鑑賞しました。

ノーラン節が炸裂するスパイアクション

さて、ここからはネタバレなしで『TENET テネット』の鑑賞レビューをします。

あらすじ:
満席の観客で賑わうウクライナのオペラハウスで、テロ事件が勃発。罪もない人々の大量虐殺を阻止するべく、特殊部隊が館内に突入する。舞台に参加していた名もなき男(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は、仲間を救うため身代わりとなって捕えられ、毒薬を飲まされてしまう…しかし、その薬は何故か鎮痛剤にすり替えられていた。昏睡状態から目覚めた名もなき男は、フェイと名乗る男から”あるミッション”を命じられる。それは、未来からやってきた敵と戦い、世界を救うというもの。未来では”時間の逆行”と呼ばれる装置が開発され、人や物が過去へと移動できるようになっていた。ミッションのキーワードは<TENET>。「その言葉の使い方次第で、未来が決まる」。謎のキーワード、TENETを使い、第三次世界大戦を防ぐのだ。突然、巨大な任務に巻き込まれた名もなき男。彼は任務を遂行することが出来るのか?

【出典:『TENET テネット』オフィシャルサイト

本作は、一言で表すならスパイアクション+タイムパラドックスもの。

「もしも『ターミネーター』や『ミッション:インポッシブル』をノーラン監督が撮ったなら」というところでしょうか。

先生が映画史上最も好きな作品『インターステラー』と同様、『TENET テネット』も時間と量子力学がベースに敷かれています。

「エントロピーの法則」「マクスウェルの悪魔」「親殺しのパラドックス」など、難解な話がさらっと出ては、どんどん話が進んでいきますので、鑑賞者は確実に置いてきぼりにされます。

これまで、古くは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)や『ターミネーター』(1984年)、最近だと『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)など、タイムパラドックスを話の中軸に持ってきた映画作品は多く存在しています。

この『TENET テネット』も、そうした作品群同様に時間の行き来が重要な鍵となっているのですが、そこはノーラン監督。

従来作品の時間移動が、「ある時点とある時点間での移動」であったのに対して、本作では「流れの逆行」によってそれを描いています。

例えるならば、流れるプール。

水の流れを時間と置き換えて考えてもらい、これを逆走するイメージです。

作品の最も大きな特徴とも言える部分で、視覚効果の観点でも「一体スクリーン上で何が起こってるんだ!?」と観客を引き込んでいく要素になっています。

本作のスポットで「考えるな、感じろ」というコピーがありましたが、まさにその通りで、新しい映像体験の代名詞の様な作品に仕上がっています。

ゲーム的没入感

先生は、鑑賞後に映画館を後にした際「映画を見たというよりゲーム実況動画を見た印象」を強く感じました。

どのキャストにも感情移入がしづらい作りになっているからです。

それを際立たせているのが、ジョン・デヴィッド・ワシントンさんが演じる主人公に名前がついていないことです。

冒頭から彼が、何のために、何を考え、何に向けて行動しているのかの詳細は一切語られません。

そのため、その場で起きた状況に応じて、矢継ぎ早に次の行動を選択しているだけに映り、ともすればそれは客観的に見ているゲーム実況にも通じるわけです。

まさに、もう一回映画館に観に行ったら違うシナリオに分岐していくんじゃないか?っていう感覚。

体験としてはプレイステーション4などで発売された『デトロイト ビカム ヒューマン』(2018年)と近い印象です。

つまり、本作はあれこれ難しいことは考えずに、映画館に身を委ねるぐらいの気持ちで鑑賞いただくことをオススメします。

とりあえず、この2つだけ覚えておくと、話の骨格が見えやすいかと思いますので、記載しておきます。

回転ドア:複数存在する時を逆行する装置。
アルゴリズム:未来の科学者が製造した兵器で9つに分割されている。

新バットマンを先取り?

最後にキャストについて。

いづれも魅力的な俳優ばかりでしたが、ノーラン作品に『バットマン ビギンズ』(2004年)以降、毎作出演し続けているマイケル・ケインさんは今作も健在。

もはやマーベル映画でいうところのスタン・リー師匠と同じ貫禄です。

ニールさんを演じたロバート・パティンソンさんが、DC映画『ザ・バットマン』(2021年予定)で新たにバットマンを演じることも相まって、先生は鑑賞中に「次なるブルース・ウェインはこういう感じね」なんてほくそ笑んじゃいました。

ということで、今回は『TENET テネット』レビューをお届けしました。

IMAXの申し子かつ実写撮影の巨匠、クリストファー・ノーラン監督作品らしさ全開の内容になってます。

今回はボーイング747機をセットに激突させて破壊するという巨匠ならではの技が炸裂。

このシーンは前半でも後半でも重要なターニングポイントになっていますので、初見の方はスクリーンの隅々まで目を配らせて見てください!

邦題 『TENET テネット』
監督 クリストファー・ノーラン
脚本 クリストファー・ノーラン
製作 エマ・トーマス、クリストファー・ノーラン
出演 ジョン・デヴィッド・ワシントン、ロバート・パティンソンほか
音楽 ルドウィグ・ゴランソン
撮影 ホイテ・ヴァン・ホイテマ
製作 シンコピー・フィルムズ
配給 ワーナー・ブラザース映画
公開 英国 2020年8月26日、米国 同9月3日、日本 同9月18日
時間 151分
言語 英語
製作国 米国、英国
製作費 2億2,500万USドル

では、ごきげんよう。

今日のまとめ

名もなき男ことジョン・デイビッド・ワシントンさんの学生時代はアメリカンフットボール選手。
☆☆☆☆☆☆☆★★★(7/10)

   

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