・AIカメラが販売機会を最大化
・食料品売り場でのAIカメラ
・スマートストア化を加速
おはーん、ペーパー先生です。
最近、色々な分野でAIが活用されていますが、
ショッピングセンターの開発・運営を手がけるイオンモールが先月、AIを活用した新しい店舗をオープンさせました。
お客さんへ店員が声がけするタイミングや、値引きタイミングなどに活用されるAIというのはどのようなものか。
6月24日(木)放送のテレビ東京『Newsモーニングサテライト』で取り上げられたAI活用の最先端をやわらか紹介します。
AIカメラが販売機会を最大化
埼玉県川口市に6月にオープンした大型ショッピングセンター「イオンモール川口」。
【出典】イオンモール川口 館内映像公開(イオンモール)
2021/05/25
モール内には専門店がおよそ150店舗あるほか、
ディスプレイで二酸化炭素(CO2)濃度を表示するなど
感染予防対策にもデジタル技術を活かしています。
モール内にある総合スーパー「イオンスタイル川口」では、食品や化粧品、薬、雑貨などを幅広く扱っていますが、
特徴的なのは天井に複数取り付けられている「安全カメラ作動中」と表示されたカメラ。
フロアにはおよそ150台のカメラが設置されており、これまで見えなかった
レジを通る前のお客さんの行動をカメラで捉えて分析し、
何を望んでいるのかを明らかにしようという狙いがあるそうです。
スタッフを常に配置していない売り場では声がけのタイミングを逃し、
販売機会を失ってしまうケースがあるためです。
では、その問題をAIカメラがどう解決するのか。
カメラで捉えたお客さんの映像を元に、購入意欲があるのか否かを解析、
2分ほど同じ場所で滞在している場合は、スタッフに通知される仕組みになっています。
「商品に触っているのかどうか」「何人のグループでの来店なのか」などを基に、
どういう声がけのタイミングが良いのか心理的な部分まで分析をしているのだとか。
イオンリテールでは、声がけのタイミングについては、これまで何度も実験を繰り返してきたということで、
速すぎるのも遅すぎるのもダメ、ちょうど良いところが120秒だそうです。
このAIカメラの効果で、1.5倍から2倍ぐらいの購入率に繋がっており、
今後はお客さんが店員の説明を必要としているか否かまでを見分けられるようになる見込みとのこと。
食料品売り場でのAIカメラ
食料品売り場でもAIカメラの活躍は進んでいます。
ヒートマップによって、陳列されている商品のどこにお客さんが手を伸ばしたかどうかが見える化されています。
これにより、人気商品を取りやすい中段に換えたり、品ぞろえを増やしたりするなど、
データに基づいた売り場づくりが行われています。
総菜売り場では、調理から経過した時間に応じた最適な値引き率の決定にもAIを活用。
スタッフが所持している専用端末に在庫数を入力すると、販売価格や天候、客数などから
最適な値引き率をAIが算出する「AIカカク」と呼ばれる仕組みが導入されており、
例えば今日入社した従業員だとしても判断が揺れることなく同じように値引きを行える点も強みとなっています。
AIカカクの導入以前の過去の売り方を振り返って調べてみると、
値下げしなくてよいタイミングでの値下げなど、安く売りすぎていたケースが2割近くあったそうです。
イオンリテールでは、AIカメラの導入を今年度中におよそ80店舗に拡大し、スマートストア化を加速していく方針。
昔のようにただ「物を置いて売る」だけではなく、どのような体験をしてもらうかを検討していく上で、
小売業にとってスマートストア化は大きな柱になると考えられています。
さいごに
値引きのタイミングというのは、素人が思っているよりずっと難しいそうで、
早くやれば売れるかと言うとそうでない。
なぜならばお客さんからすると「売れ残って美味しくない商品なんじゃないか」と思われ、
むしろ売れ行きが悪くなったりするのだとか。
移ろいやすいお客さんの心をどう掴むのか。
テクノロジーと消費者とのガチンコ勝負が日常の中で密かに展開されているわけです。
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商品の購入を、棚の前でめちゃくちゃ悩んでいる姿をAIカメラに分析されるの、恥ずかしい。