・「年齢=現金比率」は適切なのか
・「目的別にお金を分類」の考え方
・お金の置き場を考えるゲーム
ごきげんよう、ぺいぱです。
皆さんは金融資産のうち、現金比率どのぐらいでしょうか?その人の年齢や収入、家族構成などのステータスによってあるべき形は変化しますので正解はありませんが、1つの指標として挙げられるのは「年齢=現金比率」です。
このブログの内容は動画でも解説しています。
ぺいぱは現在40代半ば。つまりこの法則に照らし合わせると現金45%。金融資産5,000万円ほどを保有していますから、実に2,250万円の現金保有となります。
では実際はどうか。2023年8月末時点ではこのようになっています。
<ぺいぱのアセットアロケーション(23年8月末)>
オルカン 82.89%
暗号資産 8.37%
法定通貨 8.74%
やわらか中学校では毎月、収支・運用状況について紹介していますので、詳しくはこちら「2023年8月の収支・運用状況:自分が”お金持ち家計”かを知る計算式」をご覧いただければと思います。
8.74%の現金は金額で445万円ですから、「年齢=現金比率」の法則と比べると1/5程度となっているわけです。ではものすごい無理のある投資をしているのかというと、そんなことはありません。
445万円あれば1年間は収入がなくてもどうにかなるでしょうし、周囲のお祝い事や自身の怪我などの急な出費にも十分耐え得るでしょう。
むしろ40代半ばにして現金で2,250万円も保有している方が肌感覚としてはズレている印象もあります。つまり、それだけ「年齢=現金比率」はざっくり計算なわけです。
この考え方は、年齢が上がれば運用期間も短くなりますし、収入も細っていきますから、段階的に無リスク資産である現金保有の割合が増えるべきである、というロジックから生まれています。もちろんこれ自体は間違っていません。
一方で、
・金融資産1億円を保有する35歳と、金融資産100万円の35歳。
・月収が2,000万円の40歳と、月収が200万円の40歳。
人によりこうした差があるにも関わらず、必要な現金比率が同じで良いはずがありません。
つまり、ベースの考え方はその通りであるが、年齢の他にその人のB/S(貸借対照表)やP/L(損益計算書)、C/F(キャッシュフロー)によっても、あるべき現金比率は変わるものである、と言えます。
ソフトバンクグループの孫さんの現金比率が66%とは思えませんし、アメリカの著名投資家バフェットさんの現金比率が93%だとは到底思えませんもんね。
「年齢=現金比率」というのは安全圏の数字が導き出されるものの、全ての人にとってそれが正解にはならないということです。
過去7年の現金比率を振り返る
ではここからは、ぺいぱがこれまでどのような現金比率で過ごしてきたか、確認してみようと思います。2017年12月末から半年ごと、金融資産における現金比率を見ていきましょう。
<ぺいぱの現金比率推移(2017-2023年)>
2017年12月末 3.87%
(金融資産:1,717万円/うち現金:66万円)
2018年06月末 1.55%
(金融資産:1,270万円/うち現金:20万円)
2018年12月末 18.49%
(金融資産:1,561万円/うち現金:289万円)
2019年06月末 25.02%
(金融資産:1,533万円/うち現金:384万円)
2019年12月末 13.09%
(金融資産:1,561万円/うち現金:243万円)
2020年06月末 4.52%
(金融資産:2,001万円/うち現金:91万円)
2020年12月末 8.59%
(金融資産:3,104万円/うち現金:267万円)
2021年06月末 18.67%
(金融資産:3,014万円/うち現金:563万円)
2021年12月末 11.75%
(金融資産:3,959万円/うち現金:465万円)
2022年06月末 7.46%
(金融資産:3,496万円/うち現金:261万円)
2022年12月末 15.33%
(金融資産:3,889万円/うち現金:596万円)
2023年06月末 7.39%
(金融資産:4,805万円/うち現金:355万円)
※端数は四捨五入
低いところでは2018年6月末の1.55%、最も高いところでは2019年6月末の25.02%でした。近年では10%前後を行ったり来たりとなっています。
2021年6月以降は、コア資産にオルカン(全世界株式)、サテライト資産に暗号資産というシンプルなポートフォリオになりましたから、オルカン評価額の動向次第で現金比率が上がったり下がったりするという状況です。金額では300-500万円のレンジとなっています。
プールされている現金から、オルカンの買い付けを毎月30万円、年間360万円行っていますので、勤務先からの給与や賞与が段階的にオルカンへ置き換わっていく、というのがぺいぱのキャッシュフローとなっているわけです。
なお、「年齢=現金比率」という計算式よりもぼくがオススメしているのが「目的別にお金を分類」する考え方です。
A) 生活防衛資金
B) 将来使い道が決まっている資金
C) すぐには使わない予備資金
Aは、その時の生活費(娯楽費を除いたもの)が月に20万円であれば、年間で240万円となります。通常は半年から一年分程度を、何かあった時のために待機させておく。例えば事故や病気で収入が途絶えるなどのケースに備えるわけです。
Bは、家具・家電を買う、旅行に行くなど、近い将来確実に使うことが判明しているお金については分別管理しておくというものです。ではこの”近い将来”というのがどのぐらい先であるべきなのかですが、大体5年以内といったところでしょうか。それよりも先である場合は運用しておいた方が良いと考えられるからです。
Cは、AとB以外のお金です。極端な話、無くなっても生活に支障がないため”無期限である”ということが強みになりますから、こうしたお金は積極的に運用に回したいところです。
ぺいぱの場合はこれに当てはめた時の金額がアバウトではありますが300-500万円というわけですね。
なお、40代の個人投資家であるぺいぱが、今後50代、60代、70代と年を経た際どのように運用方針を変化させていくのか。「現金比率」「運用商品」「取り崩し」の観点から、インデックス投資における出口戦略について考えていったこちらの回「2023年5月の収支・運用状況:インデックス投資の出口戦略を考える」も参考になると思いますので、ぜひご覧ください。
おしらせ
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さいごに
資産形成というのは結局のところ、お金をどこに置いておくと一番育つのかを考えるゲーム。そんな風にも言えますよね。日本は世界的に見ても超低金利の国です。銀行に預けていてもほとんど増えません。
いや、むしろ近年の円安に現れているように、主要通貨と比べて価値が相対的に低下していますから、日本円だけを握りしめておくというのは、価値低下を放置していることにもなります。
それであれば、成長が見込めそうな外貨建て資産、分かりやすところでいけばオルカンやS&P500などのインデックファンド、あまりリスクを取りたくないということであれば米国債券などが、その置き換え先として選択肢に入るでしょう。
今回は流動性の高い資産、つまり金融資産をメインに話をしていますが、もちろん場合によって現金を不動産に変えておいた方が良い場合もあるかもしれません。
ぼくは10年ほど前におよそ3,000万円でマンションを購入しましたが、今ではオルカンと資産価値的に双璧を成すポジションとなりました。いわば将棋で言うところの「飛車・角」といったところですね。
そんな考え方をこちらの回「3,000万円分のオルカン(全世界株式)を運用して感じる6つのこと」でも紹介していますので、ぜひご覧いただければと思います。
ぺいぱは現在、勤務先からの給与・賞与がそれなりにあること、そして持ち家の家賃収入、今年からはブログやYouTubeでの副業収入も加わるなど、キャッシュインフローがそれなりに育ってきています。
だからこそ、不安なくそれなりの現金をリスク資産に突っ込めるわけです。キャッシュフローの変化に合わせてあるべき現金比率も変化していく。そうした点で、どうあるべきかは変わり続けます。個人投資家にとって現金比率というのは永遠のテーマかもしれませんね。
来年に新NISAが始まりますから、積極的に投資に回していこう!と考えられている方も多そうです。その点でも現金比率がどうあるべきかの議論も再燃するような気がします。
ぼくはしばらく「目的別にお金を分類」するの考え方に基づき、300-500万円のレンジでの現金保有が続きそうですが、皆さんはどんな計画を立てられていますか?
ぜひ、コメント欄で教えてください!
人生はノーコンティニュー!悔いのないようにやっていきましょう。
では、ごきげんよう。
攻めるも守るも自分次第。