・各世代の貯蓄額とは
・しょうもないノイズ
・1つだけの例外
ごきげんよう、ぺいぱです。
皆さんは自身の資産状況について周囲の方に話をすることがありますか?
日本人は性格的に、そもそもお金の話を外でしたがりませんから、あまりこのようなケースはないのかもしれません。
このブログの内容は動画でも解説しています。
例えば、住宅ローンを組んだり賃貸契約をする際に収入証明書類を提出する、転職活動の際に源泉徴収票を提出する。このように言葉にして話すということではなく、手続き時の必要書類の中での第三者開示。あるとしてもこのぐらいでしょう。
そんな秘匿性の高いお金の状況、不思議なもので言いたくなってしまう状況もあります。それがお金持ちになった時です。
お金持ちがどの程度の資産状況なのかは人によりまちまちです。これが100万円の人もいれば、大台の1,000万円という人もいるでしょう。準富裕層の仲間入りとされる5,000万円までくれば、これは誰が見ても十分なお金持ちと言えます。
お金を持つと、そこまでの苦労や達成した満足感。そして優越感から「あぁ、誰かに自慢したい!!」となるんですね。良いことがあったら人に話したくなるというのは人間のサガなのかもしれません。
なお、ぺいぱ自身はペラペラとブログやYouTubeで喋っとるやないか!というお声が聞こえてきそうですが、身バレしないように顔出ししていません。同じように資産形成や貯蓄、投資などのお金に関する情報発信をされている方々は、その多くが顔出しをせずにやられています。こういうのは実生活と完全に切り離されていますからまったく問題ありませんね。
顔出しせずに運営をしていると嘘もつきやすいです。本当か嘘かを証明するものが何もないからですね。ただしその一方で、仮に嘘で数字を並べていくとした場合、実態じゃない細かい数字をいちいち1桁単位で組み立てる方が手間がかかるし面倒くさい側面もあります。
つまり、本当のことを言っているのかを見抜くためには、その人が資産額だけでなく、過去の資産推移や貯蓄率、手取り収入、毎月の収支など、どれだけ継続して多角的に数字を扱っているかどうかで見抜けるわけですね、
さて、話が少し逸れましたが、資産形成に関する話題だとしても一部では顔出ししてやられている方もいます。見ている側は親近感が湧くのでしょうし、ファンを作りやすい側面もあるかもしれません。ただし、その反面で色々なリスクを背負うことにもなりますから、なかなか勇気のいる行動だなとぼくは感じています。
お金を持っていることをSNSを通じて顔出しで情報発信する、実生活で知り合いに話すようなことはやめておいた方がいい、それがぼくの見解です。今回はその理由について話をしていきたいと思います。
① 嫉妬や妬みの対象になる。
② 犯罪の標的リスクが高まる。
③ 人間関係に悪影響を及ぼす。
④ 給与が高いと誤解される。
⑤ 寄付や援助の圧力がかかる。
⑥ 社会的な責任が増す。
⑦ パートナー選びの障害になる。
お金があっても知り合いに言わない方が良い理由
では、早速いってみましょう!
これは最も分かりやすいデメリットかもしれません。
家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)によると、独身世帯の平均貯蓄額はこのようになっています。
<各世代の貯蓄額(独身世帯)>
平均値 中央値
20代 176万円 20万円
30代 494万円 75万円
40代 657万円 52.5万円
50代 1,048万円 52.5万円
60代 1,388万円 300万円
70代 1,433万円 485万円
—
全体 871万円 100万円
平均値が年代比例する形で上昇しているものの、定年を迎えるまでの中央値はほぼ横ばいということで、格差が徐々に大きくなっていることが読み取れますね。ここでのポイントは中央値の全体が100万円であるということ。
資産運用をしている個人投資家のSNSでの集まりを「株クラスター」(通称:株クラ)と呼びますが、この界隈では金融資産3,000万円、5,000万円、1億円なんて数字は当たり前のようにポンポン登場します。
お金の世界というのは常に「上には上がいる」ため感覚が麻痺しがちですが、100万円という額も十二分に大金になるわけです。
そんな世の中なのに「金融資産1,000万円達成した!」とか「投資で500万円儲けた!」とかを実生活で周囲に話してしまうというのは、嫉妬や妬みの対象にしかなりません。
自分自身が「当たり前だ」「こんなの普通だ」と思っていても、同じように周囲の人々がそう感じるかは別問題だからです。
お金の話題を扱うYouTuberもコメント欄では「パートナーの稼ぎがあるからですよね」とか「親から相続があったんですよね」とか、必ずと言っていいほどこうした書き込みがあります。顔出ししていないぼくですら「たまたま運が良かっただけですよね」とか「ただの自慢話ですね」とか書かれます。これでもし顔バレしていたらぼくはとても外を歩く勇気はありません。
お金を持っていることを実生活で他人に話すことは「百害あって一利なし」です。
振り込め詐欺や、闇バイト強盗などの対象は、お年寄り世帯が中心です。このようなことが理由として考えられます。
・デジタル取引の不慣れさ
・社会的に孤立しがち
・認知機能や判断力の低下
・詐欺や犯罪に対する防御手段の不足
・一軒家住まいの多さ
・財産や年金の保有
先ほど各世代の貯蓄額について触れましたが、60代以降の中央値がグッと上昇していることでも分かる通り、比較的お金を持っている世代が犯罪のターゲットになりやすいわけです。どの地域に住んでいるのかでも資産状況を推測されやすいという側面もありますね。
現代は住まいもタワマンをはじめとしてセキュリティが向上していますが、高齢者と違い現役世代は日々外出をしているわけです。芸能人のように移動が車中心という方も少ないでしょう。多くが公共交通機関の利用となります。
外を歩くとなれば当たり前ですが色々な危険にさらされます。事件や事故に巻き込まれることは誰にでも起こり得るかもしれませんが、お金を持っていることを知られた状態では、それらに加えて自らそのターゲットになる危険もガッツリ背負うことになります。
現在、金融資産を保有している方は、昔と比べて現金を持ち歩いたりということは少ないでしょうから、強奪される事象は発生しづらいでしょう。しかし銀行口座でも証券口座でも、ひとたび犯罪に巻き込まれれば、脅されて無理やり引き出されるなんてことも可能性としてゼロではありません。
有名であるが故に知名度と引き換えに生じる問題や代償を「有名税」なんて単語で表現をすることがありますが、これとんでもなく迷惑な話ですよね。正体を隠して日夜戦うスーパーヒーローのように、普段はひっそりと生きれる方が良いに決まっています。
あと、この項目で1つ言っておきたいことは、こうしたお金目的の犯罪者に対してです。お金だけ得てもその場凌ぎにしかなりません。どちらかというと、お金を作るプロセスにこそ価値があります。
無人島に行かされて「魚を1匹もらう」か「魚の釣り方を教わる」か。どちらか選ぶ必要に迫られた場合、確実に後者の方が良いのと同じですね。
人付き合いにおいての要素はこのようなものが挙げられます。
・趣味趣向が合うかどうか。
・利害関係があるかどうか。
・人として好きかどうか。
・能力として好きかどうか。
・学びがあるかどうか。
・行動範囲が重なるかどうか。
全てではありませんが、このようなものが複雑に絡み合って社会というのは動いているわけです。仕事をする上では相手の「役割」「役職」「得意分野」「価値観」などでシナジーは変わりますし、これはプライベートにおいても同様でしょう。
何が言いたいのかというと、そもそも人付き合いにおいて、相手がお金を持っているのかどうかというのは必要な情報ではない、ということです。
ではここに、お金の情報が入り込むとどうなるでしょうか。
「こいつ、どうせ会社辞めても生きていけるんから気楽なもんだな」
「あの人が頭が良いのは、裕福な家庭環境だから」
「お金もってるなら割り勘じゃなくておごってくれてもいいのに」
こんな、しょうもないノイズが生活の中で爆発的に増えていきます。
お金の話題というのはとても定量的です。好き・嫌いとか、仕事ができる・できないを数値化するのは難しいですが、お金は明確に上下がはっきりします。これが①でお伝えをした嫉妬や妬みの元凶になるわけです。
お金を持っていることを実生活で周囲に伝えることは人間関係にポジティブに作用することはない、と言い切れるのではないでしょうか。
会社員というのは、新卒入社もいれば中途入社もおり、雇用形態も派遣や契約社員、正社員などさまざまです。ぼくの勤務先は実績評価をもとに給与・賞与ともに設定がされますから、長く勤務をしていれば給与が段階的に上がっていくなんてことはありません。
若くても結果を出していれば給与水準は高くなりますし、その逆に歳をとっていても成果がなければ給与は上がりません。つまり勤続年数や年齢だけでは年収というのが見えづらいのが多くの会社のいまと言えます。
そんな環境において、お金を持っていることを周囲に言いふらせば、まず確実に給与が高いと思われます。これはお金を貯めた実態が「節制」や「投資」など山ほど考えつくであろうに、世の中というのはなぜか=給与が高い、と紐づいてしまいます。
そしてこの「どうせ給与が高いから」みたいなレッテルを貼られてしまうと、日常のコミュニケーションに変なフィルターがかかってしまいますから、そう思われること自体がアウトなんです。
「やわらか中学校」を見ていただいている方には釈迦に説法となりますが、資産の方程式はこのようになっていますね。
<資産の方程式>
(収入 - 支出) + (資産 × 運用利回り)
フロー ストック
給与が低くても、支出次第で貯蓄率をコントロールできますし、フローで貯めた原資をそのまま寝かせず運用に回すことでも資産額のコントロールは可能です。つまりこうした努力の積み重ねの上で作られたお金なのに、金融リテラシーの低い人からするとたったの一側面だけで=給与が高いとしか変換されないのです。
何事も言葉にしない、包み隠す、忖度をする、慮る(おもんばかる)、こうした何かと回りくどい日本の国民性が、画一的な思想につながっているのではないかとぼくは思っています。
なお、ぼくは個人的に「全社員の給与・賞与を社内公開しても良いのではないか」と大胆に考えていたりもします。まったく日本的ではありませんが、このぐらい公の方が職場においての役職・役割にも納得感が生まれるのではないでしょうか。
お金があることが周囲に分かるとたかられます。例えば「寄付してくれませんか?」と連絡が来たり、知り合いから「お金を貸してほしい!」と頼まれたりです。
通常、募金などへの寄付はお願いされてやるのではなく能動的に行うものですし、知り合いとのお金の貸し借りはそもそも関係性が壊れますからやらない方がいいわけです。
寄付や援助とは話が少し違いますが、銀行からもお金があると不要な圧力がかかりますね。ぼくはみずほ銀行がメインバンクです。賞与支給後や、金融商品を売却してその原資を銀行口座へ一時的に移した際、口座額が500万円を超えるようなことがあります。
そうすると必ず、資産運用の営業電話がかかってきます。そりゃそうですよね。銀行は口座情報をまるっと把握しているわけですから、おそらく一定の額を超えた場合に営業をかけるようなオペレーションになっているのでしょう。
ただ、ひとこと言わせてもらうと「めちゃくちゃ迷惑」です。電話がかかってくるのが平日の営業時間中なわけです。相手が営業時間中ということはこちらも仕事中です。それに目を瞑っても余りある有益な商品を売り込んでくる、というわけでもありません。ほんと、マジでやめてください。ガチお願いです。みずほさん。
お金があることを周囲に知られると「こういう状況に置かれますよ」という良い例なのではないでしょうか。
これは入れるべきか悩みましたが一応加えておきました。自分で事業を起こして財を成した方は、多くの場合個人で財団法人を作り、そこを通じて社会貢献活動を行いますね。北米では当たり前になっていますが、近年は日本でも目にするようになりました。ぼくの勤務先でもそうした組織はあります。
事業で成功した場合というのは、何十億円、何百億円というクラスになりますから、個人でのお金持ち水準5,000万円ごときで社会貢献などはおこがましいわけですが、一方で自分の生活がまかなえる以外の余剰資金を運用に回すだけではなく、社会に還元していく考え方を持っていてもばちは当たりません。
たしかにぼく自身も、自分が食べるための仕事、いわゆるライスワークについては、今となってはそこまで頑張らなくても良くなりました。会社員として仕事をしているのも「会社への利益貢献」のためという建前はありつつも、「一緒に働く人たちがより気持ちよく、より楽しく働いてもらえるような環境作りをしていきたい」。そんなところにぼくはフォーカスを当てています。
ブログやYouTubeをやっているのもそもそもは副業として始めたわけではありません。自分が資産形成に着手したことが遅かったことの後悔から、若い世代の皆さんがなんらかの気付きになるような経験をどんどん包み隠さず発信していこう。そういう思いからです。
財団法人の話と比べるとだいぶ小さな活動ではありますが、ぼくも意識は似たようなところがあるかもしれません。こうした情報発信活動のほか、FP(ファイナンシャルプランナー)として、資産形成の相談に無償で乗っているのも同様の背景があるからです。
自発的に事を起こすというのは周囲の目も期待もありませんから何らプレッシャーはありませんが、お金を持っていることが周囲に知られていると、その視線が増えて萎縮してしまうなんてことは容易に想像できます。いまは何をやっても揚げ足を取られたり叩かれたりする時代ですしね。
先ほど、お金のフィルターがノイズになるといった話をしました。結婚相手を探す場合にもお金の話は悩ましいところがあります。
結婚するということは、生活を共に進めていくことになりますから、相手の仕事や年収が情報として大事なのはすごくよく分かります。しかしその中に資産状況も含めてしまうと話が歪んでいきます。
人としての魅力に、お金という余計な変数が入り込んでくるからです。要は、お金目当てで近づいてくる人が現れるかもしれないということです。
「悩ましい」と伝えたのは、金融リテラシーがある人の場合は、「お金使い(フロー部分)」や「お金管理(ストック部分)」に対して、お相手がどんな価値観であるのかを事前に把握しておくこともすごく重要だからです。
2016年度に裁判所に申立てられた婚姻関係事件のうち、申立ての主な動機3つまでを複数回答可として集計したデータをランキング形式で紹介します。
<👨夫からの離婚のきっかけトップ10>
1位…性格が合わない(384回答)
2位…暴力をふるう(88回答)
3位…精神的に虐待する(84回答)
4位…異性関係(81回答)
5位…浪費する(71回答)
6位…性的不調和(70回答)
7位…家族親族との折り合いが悪い(59回答)
8位…家庭を捨てて省みない(55回答)
9位…同居に応じない(53回答)
10位…生活費を渡さない(23回答)
<👩妻からの離婚のきっかけトップ10>
1位…性格が合わない(670回答)
2位…生活費を渡さない(406回答)
3位…暴力をふるう(404回答)
4位…家族親族と折り合いが悪い(347回答)
5位…酒を飲み過ぎる(134回答)
6位…浪費する(110回答)
7位…家庭を捨てて省みない(108回答)
8位…精神的に虐待する(107回答)
9位…異性関係(107回答)
10位…同居に応じない(68回答)
共に一位は「性格」ですが、特定原因というよりは、あらゆるものを包括するような選択肢のため表が集まるのはもっともな感じがします。注目をしておきたいのは、夫の5位・10位、妻の2位・6位にランクインしているお金にまつわるすれ違いです。
共に生活をしていく上では欠かせない部分であり、「金銭感覚」が合わないと生涯計画を立てることすらままなりません。
つまり、結婚相手を探す際にお金の話題は避けられない一方で、お金目当てで近づく人も見分けなければいけない。ぼくにはこれをやり切る自信がありませんから、きっとこのまま独身なのでしょう(笑)
おしらせ
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さいごに
今回は「お金があっても知り合いに言わない方が良い理由」をテーマに話をしてきましたが、いかがだったでしょうか?
① 嫉妬や妬みの対象になる。
② 犯罪の標的リスクが高まる。
③ 人間関係に悪影響を及ぼす。
④ 給与が高いと誤解される。
⑤ 寄付や援助の圧力がかかる。
⑥ 社会的な責任が増す。
⑦ パートナー選びの障害になる。
どこをどう切り取っても、お金を持っていることを実生活で人に話すことによって得られるメリットはほとんどないのではないでしょうか。顔出しで資産状況を公開しているYouTuberの方は実際どう思われているのか、話を聞いてみたいものです。もしかするとぼくには見えていないメリットがあるのかもしれません。
さて、このように人に話すデメリットばかりを語ってきましたが、ぼくには1つだけ例外があります。それは自分の両親です。2年前にFP資格を取得して以降、意識的にぼくは両親ともお金の話をし始めました。
これには理由がありまして
・資産形成をしっかりやっていることを伝えて安心をさせたい。
・相続など将来的なお金にまつわる話に向けた地均し。
ぼくは公務員家庭で育ってきたこともあり、家でお金の話はほとんどしてきませんでした。ザ・日本の一般家庭といった感じです。ただ、FP資格を得たことで違和感なくこうした話ができるようになったんですね。
また、老後2,000万円問題や、新NISA開始など、世の中的にお金をどうやって育てていくのかという話題を昔より断然しやすくもなりました。うちは両親ともに70歳を超えていますから、将来的には自宅などの資産をどうするすべきかの話も目線合わせしていかなければいけません。
そんなことから、両親にはぺいぱ自身の資産概況を帰省するたびに伝えるようにしているというわけです。ま、この辺りは両親との関係値が良好か否かでも、あるべき対応の仕方は変わっていくのでしょうね。
お金について皆さんは人に話をされていますか?ぜひ「自分はこうしてるよ!」などお考え、どしどしコメント欄やX等でいただければと思います。
人生はノーコンティニュー!悔いのないようにやっていきましょう。
では、ごきげんよう。
世の中には知らない方が良いこともある。それは他人のお金事情。