・現金主義ここに極まる
・投資は博打の風潮
・正しい情報を得る力
おはーん、ペーパー先生です。
預貯金こそ絶対!
という風潮はいまだ日本で根強いですね。
このブログの内容はラジオでも解説しています。
勤務先で、周囲の人とお金の話をする機会が
ないという話は以前にした通りなのですが、
そもそも「NISA」や「iDeCo」についても
“聞いたことはあるけどやってない”という人ばかりです。
IT企業でかつ世代も20-40代が中心でもこのような状況。
そんな今日は「現金主義」と「投資」をテーマに話を進めていきます。
現金主義ここに極まる
日銀が20日発表した7-9月期の資金循環統計(速報)によると、
9月末時点で個人が保有する金融資産は
前年同期比5.7%増の1999兆8000億円と過去最大に膨らみました。
6月末時点で1991兆円でしたから、3カ月ほどで8兆円強増えたことになります。
株高・円安で個人が保有する株式や投資信託の評価益が膨らんだことが理由です。
ポイントはその割合。
株式 218兆円
投資信託 90兆円
現金・預金 1072兆円
保険・年金 539兆円
株式や投資信託などのリスク商品割合が高い諸外国と比べ、
日本は相変わらずの現金主義であることが
手に取るように分かります。
<家計金融資産に占める株式の比率>
米国が4割
欧州が2割
日本は1割
<金融資産に占める現預金の比率>
米国が13%
欧州が34%
日本は54%
【出典】個人金融資産1999兆円に 株高で過去最大、9月末(日経電子版)
2021年12月20日 8:55 (2021年12月20日 9:41更新)
投資は博打の風潮
では、なぜ日本は株式や投資信託などのリスク商品の割合が低いのか。
国民の意識が良く分かるアンケートを紹介します。
投資信託「ひふみ」シリーズを手掛ける運用会社レオス・キャピタルワークスの
公式YouTubeチャンネルで取り上げられた「お金のこと1000人に聞きました」。
家族やパートナーの投資を許せるかどうかについて聞いた結果、
<家族やパートナーの投資を許せますか?>
1位 収入の20%未満(52%)
2位 金額に限らず許せない(35%)
3位 収入の20-50%未満(8%)
4位 収入の50%以上(6%)
※グノシーアンケートより
【出典】借金してまで夢に挑戦すべき?夢や結婚にまつわるお金の価値観:マネーキャンプ⑤(お金のまなびば!)
2021/12/17に公開済み
なんと、「金額に限らず許せない」が3割以上!
空気を読む国民性、なんて日本人を言い表すことがありますが、
これでは「貯蓄から投資へ」に向かわないわけです。
投資=ヤバい、というロジックになっている人の話を聞くと、
大体は以下の範囲に収まります。
・FXで巨額の軍資金を溶かした。
・暗号資産のバブル崩壊に飲まれた。
友人・知人など身近な人の体験談としてインパクトのある内容を耳にしており、
「投資」と「投機」がごっちゃになっているんですよね。
■投資とは:
何らかの付加価値を生み出す資産を購入し、長期的に保有し続けていくこと。
■投機とは:
資産価格の動く方向を予測し、上がるか下がるかに賭けて売買を行うこと。
もちろんアセットクラスの違いだけで「投資」と「投機」が分かれるというわけではありません。
株式でも、個別株を短期トレードするのは「投機」にあたりますし、
インデックスファンドを長期で保有するのは「投資」になります。
手段によっても変わっていくということです。
「NEXT FUNDS」サイトでは、こんな言葉が紹介されていますね。
If you’re an investor, you’re looking on what the asset is going to do, if you’re a speculator, you’re commonly focusing on what the price of the object is going to do, and that’s not our game. -Warren Buffett
「もしあなたが投資家なら資産がどう動くかに着目している。もしあなたが投機家なら普通は資産の価格がどう動くかに注目している、そしてそれは我々のゲームではない」(ウォーレン・バフェット)
正しい情報を得る力
「たった1年で〇百万の儲け!」
「寝て起きたら〇万円勝っている!」
こんな情報商材のコピー、目にしない日がないわけですが、
短期間で大金を得ようとすると、しょーもない詐欺などに引っ掛かりやすくなります。
あと、そもそも「投資」を正しくやっていれば
「儲かる!」
とか
「勝つ!」
とかは言いません(笑)
植木と同様に、資産もゆっくり丁寧に愛情かけて育てていけば、
それに応えてくれるというのが正しい投資です。
先ほど紹介したように、
「投資のような博打をやっているヤツは許せん!」
みたいな世の中の風潮を、正しい方向へ持っていく必要がありますが、
すでに多くのブロガーやYouTuberなどが質の高い投資に関する情報発信を山ほどしています。
つまり、あとは受け手側の問題になってきており、
そうした情報を自ら掴みにいく姿勢があるかどうか。
日本の投資の未来はすべてはこれにかかっているのだと思います。
ネット上というのは、自信の考え方にあった情報だけが
指数関数的に集まってくるようになっていますから、
そこから脱却するのはかなり難しいんですよね。
仏の経済学者トマ・ピケティさんの「r>g」という不等式。
「r」は資本収益率、「g」は経済成長率を示しており、
資産運用により得られる富は、労働によって得られる富よりも成長が早いという意味です。
同じように、情報源泉がネットだけの人というのは、
正しい情報を得続ける、もしくは誤った情報を得続ける、
といったように加速度的に乖離し続けるわけです。
そういう状況を是正するきっかけとして必要なのが、
リアルでの”無駄”を含んだコミュニケーションだなと思う今日この頃です。
では、ごきげんよう。
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