・金持ちと結婚するには？エピソードとは
・学べる3つのこと
・JPモルガンCEOの実際の年収
数年に一度、SNSで話題に上がる有名なエピソードがあります。
“自称美女から「金持ちと結婚するにはどうすればいいの？」に対するJPモルガンCEOからの回答”
というものです。
元ネタは2007年にコミュニティサイトに投稿されたエピソードということで、
人の手を渡って転載されていく中で、より響く内容に洗練され今の形に行き着いたようです。
つまりJPモルガンCEOが回答しているというのも脚色です。
フェイクニュースが問題になっている時代に、なぜこんなものを取り上げるのか。
それは、このエピソードは投資おける重要な金言が詰まっているからです。
今日は有名なチェーンエピソードから学ぶ投資の考え方についてやわらか解説します。
金持ちと結婚するには？エピソード全文
では、まずエピソード全文を紹介します。
＜エピソード全文＞
【女性の書き込み】
正直に、はっきり聞きます。
私、年収4000万円以上の男性と結婚したいと思っているんです。今、私は25歳で、見た目は結構可愛いと思っていて、スタイルももよく、センスもいいと思う。 欲張りとと思われるかもしれないけれど、ニューヨークでは年収が8000万円という男性もザラだし、妥当かなって。
それで、このフォーラムに来ている人で年収4000万円以上の人っていますか？ それとも、みんな結婚しているんですか？
実際に年収2000万円の人とは付き合ったことがあるんですけど、それ以上の人と出会いたくって・・・。私が憧れているNYガーデンってところで暮らすことを考えると、2000万円の収入じゃ少ないんです。
だから、少し聞きにくいんですけど、いくつか質問です。
1、リッチで学士を持ってる人っていうのは、どこで遊んだりしてるんですか（できれば、レストランの名前とか、具体的なバーやジムの住所を教えてください）？
2、どれぐらいの年齢の人を狙ったらいいですか？
3、どうしてお金持ちの奥さんって見た目がフツーな人が多いんですか？ 何人か会ったことあるけど、はっきり言ってフツー以下の人もいる（笑）。なぜなんでしょうか？
4、ズバリ、お金持ちのみなさんは、どうやって結婚する女性を選ぶんですか？
【J.P.モルガンCEOの回答】
大変興味深く読ませていただきました。実際、あなたのように考える人は少なくないと思います。私は年収4000万円以上。あなたの希望に添っていますから、プロの投資家としてお答えさせていただきます。
要約すると、あなたは「美しさ」と「お金」を交換しようとしています。すると、そこにはひとつ重大な問題が発生します。 私の収入は年々増えていきますが、あなたの言う「美しさ」は年々目減りしていくということです。私は「魅力的な資産」ですが、あなたは「値下がりする資産」。それも急激に下がっていくことは間違いないでしょう。
ウォール街では、どんな取引にも「短期保有」と言うものがあります。売買するものの価値が落ちるとわかれば、私たちはすぐにそれを売ってしまいます。「長期保有」することはないのです。しかし、結婚とは「あなたを長期的に保有すること」なのです。
少し言い方が悪くなってしまうけど、あなたを資産として考えた時、「短期保有」のほうが賢い選択です。もっと言えば、レンタルで十分。保有する価値がありません。年収4000万円を稼ぐ人はバカではないので、あなたとデートすることはあっても、結婚することはないでしょう。
さて、アドバイスするとしたら、お金持ちと結婚する方法を探すよりも、ご自身がお金持ちになってはいかがでしょうか？
この答えが少しでもあなたの役に立てば幸いです。
そうそう、もしあなたが「レンタル」に興味があるなら、私にご連絡ください。
学べる3つのこと
いかがだったでしょうか？
なかなか刺さるエピソードですよね。
冒頭お伝えした通り、フィクションであるという前提で話を進めましょう。
ここからは大きく3つのことが学べます。
「資産」とは、預貯金だけでなく、建物や土地のほか金額で評価できるものすべての財産のことです。
性別にかかわらず若さというのは投資において最大の資産ですよね。
ウォーレン・バフェット氏が、企業の株式と一生添い遂げるような長期保有で成功を収めていることからも分かります。
エピソードに登場する女性も、「若さ」そのものを武器にするのではなく、
「若さ」を活かして時間をかけた投資ができることを武器にすべき、という点が読み解けます。
複利の考え方を生活すべてに当てはめていくことを解説した、こちらの記事も参考になると思います。
エピソードに登場する女性のゴールは、文章だけでは明確に読み解くことができません。
想像を膨らませて目的・目標・手段を考えてみましょう。
ガーデンシティーエリアで2ベッドルーム/2バスだと月4,500ドル前後といったところですね。
家賃は生活費の3分の1と言われますが、ある程度良い暮らしをする前提で5分の1ぐらいで見ておきましょうか。
そうすると月22,500ドル、年収で270,000ドル（およそ3000万円）。
現在の為替水準（108円台）であれば、4000万円は必要ありません。
まとめるとこうなりますね。
目的：ニューヨークのガーデンシティに住むこと。
目標：年収およそ3000万円。
手段：良いパートナーを見つける。自分で稼ぐ。
注目は手段なんですが、エピソードにも含まれている通り、
パートナー探しをするよりも、自分で働いたり運用したりで稼ぐ方が、近道なんですよね。
あ、もちろん目的が”横浜市のNYガーデン”に住みたいのであればもっと容易になります。
つまり目的がそもそも何なのか、という点を明文化するということは大変重要なんですね。
目的・目標・手段についてはこちらの記事も参考にしていただけると思います。
このエピソードは「美しさ」と「お金」の取引でした。
では、100人が100人とも美しいと思えることはあるのでしょうか？
国や地域によって、美的感覚は大きく異なります。
また、受け手の年齢や経験によっても変わります。
「美しさ」の基準もさることながら、「価値観」も千差万別ですね。
ボロボロの人形が、ある人にとっては親の形見だったり、
ただの散財に見えるスニーカーのコレクションが、コレクターからは宝の山に映ることもあります。
つまり、モノの価値というのはビットコイン価格よりも断然不安定なものなので、
「美しさ」という極めて限定的な価値は、ボラティリティがめちゃくちゃ高いわけです。
モノの価値の多様性を紹介したこちらの記事もよろしければどうぞ。
さいごに
と、言うことで今日は少しいつもとは違った角度から資産運用に関する考え方を勉強しました。
これまでこのブログで取り上げてきたことの復習をするのには良い教材となるエピソードでしたね。
最後に先生がここから学んだことは、
ウイットに富んだスマートな切り替えしができる大人になりたいということです。
では、ごきげんよう。
JPモルガン・チェースのジェームズ・ダイモンCEOは2020年の報酬3150万ドル。
